NO.3017 令和2年までに全廃、昭和バスの西九州道路線で活躍した初代日野セレガ高速車全11台 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 昭和自動車(昭和バス)の西九州自動車道(福岡前原道路)の路線と言いますと、現在は日野セレガ・いすゞガーラの高速車両が多く導入されておりまして、特に昨年導入されました車に関しましては、日野セレガ・いすゞガーラ各3台ずつの導入となっておりまして、古参の路線車や、故障が多かったヒョンデ(ヒュンダイ)ユニバースを置き換えるに至っております。

 

 この導入も、「コロナ禍」前の令和元年に導入されて以来の導入ではありましたが、伊都営業所に日野セレガが3台、唐津営業所にいすゞガーラが2台、伊万里支所にいすゞガーラが1台の陣容となっておりまして、いずれも福岡~唐津線「からつ号(画像2)、福岡~伊万里線「いまり号」、福岡~糸島(前原・志摩)線「いと・しま号」、そして伊都営業所導入車のみ福岡~二見ヶ浦線「ウエストコーストライナー(画像1)で活躍する姿が見られております。

 

 (画像1、「ウエストコーストライナー」、福岡200か47-73、日野セレガ・2PG-RU1ASDA)

 (画像2、「からつ号」、佐賀200か12-84、いすゞガーラ・2PG-RU1ASDJ)

 

 また、この導入に伴いまして、ヒョンデユニバース4台の他に富士重工7B架装の日産ディーゼルUA(福岡200か29-81、KC-UA521TAN)が昨年暮れに廃車となりました。この車に関しましては、マニア間からも特に知られた車でもありまして、乗車すると寝てしまうほどふかふかなシートが特徴でもありましたが、そうした愛された車も姿を消しております。これによりまして、昭和バスから移籍の高速車両は全て姿を消しておりまして、高速車は全車自社発注車のみの陣容に変わっております。

 

 

 さて、今回ご紹介しますのは、令和2年までに全廃となりました、やはり移籍車が多く導入されておりました、西九州自動車道路線向けの初代日野セレガに関します話題であります。これまで昭和バスにはその西九州自動車道路線向けに計11台が在籍しておりまして、活躍する姿が見られておりました。今回は、その11台に関しまして皆様にご紹介してまいりますが、日野セレガはあくまでも純正車でありまして、その下の画像の士重工HD-I架装車は対象外とさせていただきますのでご了承いただきたいと思います。

 

 (今回対象外、富士重工HD-I架装車、福岡200か10-72、U-RU2FTBB)

 

 

 昭和バスの西九州自動車道路線向けの日野セレガは、最初に導入されました車は今から23年前の平成13年にさかのぼりますが、この年の9月に西九州自動車道と福岡都市高速道路が直結しまして、新生「からつ号」として上の画像にもあります、貸切からの改造車でありました元イースタン観光の富士重工HD-I架装車とともに、専用車両として、以下画像の2台のセレガが移籍導入されておりました。

 

 (福岡200か・692、U-RU2FTAB)~元車番佐賀200か・150

イメージ 2イメージ 3

 

 (佐賀200か・152、U-RU2FTAA)~平成18年撮影、伊万里営業所所属時、鏡バス停停車時代

 

 これら車に関しましてはいずれも平成3年式、メトロ窓からもわかりますように元は自家用の移籍車でありまして、移籍直後はいずれも唐津営業所に所属しておりまして、新生「からつ号」の中心を担っておりました。

 

 その後、佐賀200か・150は旧前原営業所に転属しまして福岡ナンバーを取得(福岡200か・692)、さらに福岡営業所と転属しまして平成26年に廃車となりましたし、佐賀200か・152は伊万里支所に転属後に旧前原営業所に転属しまして福岡ナンバーを取得しまして活躍を続けておりましたが(福岡200か13-96)平成25年に廃車となっております。

 

 (福岡200か・692車内)

 

 (福岡200か13-96)~元車番佐賀200か・152

 

 

 平成15年には、これまで国道202号線の路線に使用されておりましたセレガ2台(U-RU1FRAA)が「緑高速塗装」に塗り替えられまして、西九州自動車道の路線に転用されておりました。

 

 (福岡22か46-24)

 

 (福岡22か46-25)

 

 これら車は、平成3年に導入されておりまして、新製導入時は黄色の幹線塗装でありまして、平成2年までに導入されまして一部が西九州自動車道路線でも活躍しておりました日野ブルーリボンとともに、この区間の特急・急行・普通と使用されまして、後方にトイレまで存在するなど豪華版ではありました。

 

 運行区間は、福岡~前原~唐津間を中心に運行されておりましたが、その後白地の路線塗装に塗り替えられまして、引き続き国道202号線の路線に使用されておりましたが、平成15年の「いと・しま号」運行開始に伴いまして塗装変更&トイレを撤去しまして旧前原営業所所属で運行されておりましたが、平成22年までにこれら2台は廃車となっております。

 

 

 同じく平成15年には、「いまり号」も九州自動車道経由から西九州自動車道経由に経路を変更された事に伴いまして、平成14年に導入されておりましたセレガ2台(いずれもU-RU2FTBB)が西九州自動車道路線に転用されておりました。

 

 (佐賀200か・230)

 

 (佐賀200か・231)

 

 これら車は、先述のように九州自動車道経由時代の「いまり号」専用車として平成14年に箱根登山鉄道から移籍導入されておりまして、いずれも福岡営業所に導入されました。これに伴いまして、元夜行のスーパーハイデッカーの専用車でもありました2台が唐津営業所に転属(三菱エアロクィーン)・売却(日野セレガGD)されるに至っておりました。

 

 そして、「いまり号」が西九州自動車道路線に転用されるために平成15年にいずれも伊万里支所に転属されまして、福岡200か・588が佐賀200か・230に、福岡200か・589が佐賀200か・231にそれぞれ改番されておりまして、以来新生「いまり号」を中心に、「からつ号」・「いと・しま号」で活躍する姿が見られておりました。

 

 その後は、平成22年に佐賀200か・230が伊万里支所から唐津営業所に転属しますが、翌平成23年に廃車になりました。一方の佐賀200か・231は平成22年に旧前原営業所に転属しまして、登録ナンバーが福岡200か20-92に変わりまして引き続き運行されておりまして、後に先述の福岡200か・692の廃車に伴いまして福岡営業所に里帰り転属しまして運行されておりましたが、平成28年に廃車となっておりまして、24年で全うするに至っております。

 

 (平成22年撮影、旧前原営業所に転属直後)~まだ佐賀200か・231のままです

 

 (福岡ナンバー改番後)

 

 

 さらに同年には、福岡200か・753(U-RU2FTAB)が移籍導入されておりまして、以来16年にわたりまして活躍する事になります。

 

 この車は平成6年式でありまして、元はメトロ窓からもわかりますように自家用車でありましたが、平成15年に旧前原営業所に移籍導入されております。以来、「いと・しま号」を中心に、「からつ号」・「いまり号」でも活躍する姿が見られておりました。

 

 しかし、冒頭ご紹介しましたように徐々に僚車が相次いで廃車となって行くなどしまして姿を消して行っておりまして、最終的には令和元年夏の時点で伊都営業所最古参の車両にまで至ってしまっておりました。そして「セレガーラ」の高速車の導入に伴いまして令和元年暮れに定期運用を離脱、そして令和2年になりまして廃車となりましたが、自家用時代から25年と四半世紀にわたりまして活躍するにも至っておりました。 

 

 以下画像は、令和元年伊都営業所訪問時に撮影しました福岡200か・753でありまして、隣には平成30年に導入されました2代目の日野セレガ(福岡200か40-93、2TG-RU1ASDA)との並びでありましたが、車齢差も24年にもなる訳でもありましたので、まさに新旧の貴重な2ショットを収める事ができておりましたが、その後この車は姿を消しておりますので、今となればよく収める事ができたなと思っております。

 

 

 翌平成16年には、関西空港交通からの移籍車であります2台のセレガ(U-RU2FTAA)が導入されておりまして、佐賀200か・243が伊万里支所に、佐賀200か・244が唐津営業所に移籍導入されました。

 

 (佐賀200か・243)

 

 (佐賀200か・244)

 

 この2台は、これまでも当ブログでもご紹介しました関西空港交通からの移籍車でありまして、大きな特徴としましては非公式側中央に非常口が設けられておりますし、公式側後方にも扉が設けられておりまして、まさに特異車な姿が見られた2台でありました。

 

 これは、関西空港交通時代に乗員用のクルーバスとして使用されていたためでありまして、後方の扉は荷物扉として設けられていたものでありましたが、昭和バスに移籍しますと、座席が追加されまして高速用として第2の車生を送るに至っておりました。

 

 これらは、佐賀200か・243が伊万里支所に所属しておりましたが、最期は平成30年の車両トラブルにより福岡営業所に留置しましてそのまま廃車となっておりますし、佐賀200か・244は一旦伊万里支所にも所属しておりまして、その間2台とも伊万里支所所属として存在しておりましたが、その後唐津営業所に再転属しまして、令和元年秋に廃車となっております。この間には、事故によりましてバンパーが破損すると言った事がありましたが、既に離脱していた相方・243のバンパーを移植しまして全うするにも至っておりました。

 

 

 平成19年には、引き続き異端車としまして、平成7年式の元自家用であります1台(福岡200か15-64、U-RU2FRAA)が旧前原営業所に移籍導入されておりました。

 

 この車の大きな特徴と言いますと、画像のように銀窓・メトロ窓と、まさに元自家用である事を伺わせる車ではありましたが、それでも西九州自動車道路線におきまして活躍する姿が見られておりました。やはり、こう言った車を導入すると言うのも、当時特異車を多く在籍しておりました昭和バスならではな姿が見られていたと言ってもいいかとも思います。

 

 この車は、旧前原営業所で移籍導入、その後名称が変わりまして旧志摩営業所、旧志摩営業所が廃止されましたら伊都営業所と、福岡地区で令和元年に廃車となるまでの12年間活躍する姿が見られておりました。

 

 

 そして平成20年には、平成18年に移籍導入されておりました車(佐賀200か・397、U-RU2FTAB)が西九州自動車道路線に転用されておりまして、引き続き唐津営業所に所属しておりました。

 

 この車は、平成18年に唐津フェリーターミナル・唐津バスセンター~長崎線「レインボー壱岐号」の4列化に伴いまして京王グループから導入されたものでありまして、平成20年の中型車両化までこの路線で活躍する姿が見られておりました。

 

 (平成20年撮影)

 

 平成20年に、中型車両に移管されましてからは、もっぱら西九州自動車道路線で活躍する姿が見られておりましたし、中型車両検査時には引き続き「レインボー壱岐号」でも代走する姿が見られておりました。その後、「レインボー壱岐号」が平成24年に廃止されましてからは本格的に「からつ号」を中心に運行される姿が見られておりましたが、平成28年に廃車となっております。

 

 

 以上が西九州自動車道路線に導入されておりました11台でありましたが、2台が自社発注(転用)以外は、それ以外の9台が移籍車であった事がお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 

 こちらの画像は、令和元年秋から暮れにかけまして運用を離脱しまして、佐賀県唐津市の和多田整備工場に留置されておりました3台であります。これら車は令和元年に導入されました「セレガーラ」3台(佐賀200か11-24~11-26)の導入に伴いまして運用離脱・廃車となりました3台でありましたが、これらは古い車で25年と四半世紀にわたりまして活躍してきました車たちでもありましたので、この全うする姿はまさに世代交代となった事をも伺わせる姿となっておりましたし、初代日野セレガ高速車の終わりを告げる姿となっておりました。

 

 【これらはいずれも敷地外より撮影しております】

 (佐賀200か・244)

 

 (福岡200か15-64)

 

 (福岡200か・753)~先述のように25年で廃車となっておりました

 

 

 今回は、昭和バスの西九州自動車道路線で活躍しました11台に関しまして皆様にご紹介しましたが、これら車とも、長い間この3路線におきまして貢献してきた車であった事が伺わせております。やはり、車によりましては前事業者・前所有者から合わせまして20年以上にわたりまして活躍してきた車もありましたし、昭和バスの自社発注車でも長くて19年も活躍していた訳でもありますので、よりそう言った所が言えるのではないかとも思います。残念ながら、全廃となって4年少々経過した事からもうこれら車の姿は見る事はできませんが、これら車の存在は大きかった事には間違いないのではないかと思ってなりません。