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「って訳でさ、森木の妹と、森木の割れたマグカップのために、俺は奈良に行く事に決めた。お前らも行くだろ?」



浅草で一騒動起こした翌日、ヒロシの部屋に仲間たちが集まっていた。



テルは皆の前で奈良行きを宣言した。



森木の敵討ちという思いもあるにはあるのだろうが、菜穂に会いたい気持ちがテルを動かしているのを知っている俺とヒロシは冷めて聞いていた。



すかさずヒロシが突っ込んだ。



「なんでお前も行くんだよ。っていうか、菜穂ちゃんに会いたいだけだろこのエロカバ野郎」




テルは森木の前で余計な事を言うんじゃねぇよ、といいたげな顔をして
ヒロシに言い返した。



「じゃあお前は来なくていいよ。足手まといになるだけだし」




ヒロシも菜穂に会いたい。



だから意地になって言い返した。




「俺は森木の無念を晴らす為にいくよ。お前みたいにやましい目的も無いし」



森木は横になりながら漫画を読んでいる。



あまり話を聞いていないようだ。




「森木!俺に任せとけよ。お前の敵はおれが取るからな」



テルがそう言うと、森木は漫画を置いて言った。



「いいよ、ンな事。めんどくせーだろ」



森木はネズミーランドでのことをあまり気にしていないようだ。



「遠慮すんなよ。このままじゃ悔しいだろうがよ」とテルが言った。



「まあな。でもまあ、いいや」



森木はつれない感じだ。



「大事なマグカップ割られたんだろ!?」とテルが食い下がる。




「ああ。でも割れたマグカップでも喜んでたからさ。まあ、結果オーライだったわ」




その言葉を聞いてテルの勢いが止まった。




テルは何故か上を向いた。



「どうしたんだよテル」と森木が聞くと、テルは袖で目を拭いた。



「何泣いてんだよバーカ」



ヒロシが突っ込むと、テルは鼻をすすって言った。



「良い妹じゃねぇかコラ…。お兄ちゃんが買ってきてくれたマグカップが割れててもよぉ、世界一のマグカップだって…。お兄ちゃんは彩子のスーパーヒーローだって…」




「そこまでは言ってねぇだろ。自分で話を盛って勝手に泣いてんじゃねーよ。それに森木の妹、彩子なんて名前じゃねーし」



ヒロシが的確に突っ込んだ。




それを見て森木が笑いながら言った。




「おし、遊びに行くか」




そして皆一斉に俺を見た。



~つづく~


井口達也



※スタッフのコウヘイの足の小指の爪が剥がれた。リアル貞子だった※



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