【若紫111-3】古文単語「立てわたす」☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【若紫111-3】古文単語「立てわたす」☆

右矢印イラスト訳を初めから読む

古文単語には、

チェックボックス1.とにかく丸暗記して覚える

チェックボックス2.漢字イメージで覚える

チェックボックス3.文脈判断で決める

などの覚え方があります。

 

今回は、接頭語のついた複合動詞☆

 

【今回の源氏物語】

なつかしううちそよめく音なひあてはかなり聞きたまひほどなく近けれ立てわたしたる屏風すこし引き開け

   サゲサゲ↓

今回のイラスト訳はこちら

 

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今回出てきた古文単語
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■【なつかしう】…シク活用形容詞「なつかし」連用形ウ音便

※【なつかし】…心ひかれる

■【うち―】…語調をととのえる接頭語

■【そよめく】…さやさやと音がする

■【音なひ】…音がすること。物音

■【あてはかなり】…上品で美しい様子。優雅である

■【と】…引用の格助詞

■【聞き】…カ行四段動詞「聞く」連用形

■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【ほど】…距離

■【も】…強意の係助詞

■【なく】…ク活用形容詞「なし」連用形

■【近けれ】…ク活用形容詞「近し」連用形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【外(そと)】…外側。光源氏の居所の奥をさす

■【に】…場所の格助詞

■【立てわたす】…一面に立てる

※【―わたす】…一面に~

■【たる】…存続の助動詞「たり」連体形

■【屏風(びょうぶ)】…仕切りの調度

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【中(なか)】…内側

■【を】…対象の格助詞

■【すこし】…ちょっと

■【引き開け】…カ行下二段動詞「引き開く」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

 

今回は「外・中にも注意しましょ♪

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

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☆ 本日の古文単語「立て渡す」☆

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なつかしううちそよめく音なひ、あてはかなりと聞きたまひて、ほどもなく近ければ、外に立てわたしたる屏風の中を、すこし引き開けて、

 

問)次の傍線部の説明として最も適当なものを1つ選べ。

 

1.御座所の外側に立っている屏風の内側

 

2.御座所の外側を歩いて立てた屏風の内側

 

3.御座所の奥に立っていた屏風のさらに奥側

 

4.御座所の奥に一面に立て置かれた屏風の奥側

 

5.御座所の先の渡廊に立てられていた屏風の裏側

 

古文読解のためには

次の3つの知識が必要です。

   下矢印

古文単語をきっちり覚える

古典文法を押さえる

古文常識を理解する

 

 

この【重要古語】カテゴリでは

今回出て来た『源氏物語』の一語一語を

詳しく解説しつつ、

 

特に今回注目したい古語をピックアップして

詳しく解説しています。

おねがいおねがいおねがい

 

 

 

今回の古語はこれ☆

ニコニコ下矢印

【立て渡す(たてわたす)】

【連語】

…一面に立てる

  

実は、この動詞も

私の手元の辞書には載っていません><

 

 

でもね。

 

「立て」―「わたす」の複合語だと

見れば分かりますよね~!

ウインク

 

【立つ(たつ)】

【他動詞:タ行下二段活用】

⑴(人や物などに)確かな位置を示させる

①(人や馬などを)足で立たせる。立ったままの姿勢を保たせる

②(高い物、どっしりとした物を)据える。しっかりと立てる

③(車や馬などを)止める。止めたままで置く

⑵(自然現象などを)新たに起こさせる

①(風や波などを)起こさせる

②(煙・砂塵などを)立ちのぼらせる

⑶(低い姿勢から)立ち上がらせる。(静止した状態から)新たに行動を起こさせる。(建物などを)新しく造る

①(横になったり、座ったりしていたものを)立ち上がらせる。起立させる

②(鳥などを)飛び立たせる

③(旅などに)出発させる。派遣する

④(地位などに)つける。身を置かせる

⑤(建物などを)建てる。建設する

⑷(物事や現象などを)盛んにさせる。きわ立たせる

①(音や声を)高く響かせる

②(噂や評判を)立てる。広く知れわたるようにする

③(湯を)沸かす。たぎらせる。また、(茶を)入れる。抹茶をたてる

④(人を)先に立てる。先頭に立たせる

⑤(誓いや願いを)立てる

⑥(目・耳に)注意力を集中する

⑦(「立てて」と副詞的に)特に。もっぱら。きわ立って

⑸(特徴などを)生かす。(生活・名誉などを)保たせる

①役に立てる。役立たせる

②面目を立たせる

③生活していけるようにする。暮らしを保たせる

④専門にする。仕事とする

⑹時を経過させる。日を過ごす

⑺(複合動詞化して)しきりに~する。盛んに~する

 

(※『全訳古語例解辞典』 より)

  上矢印

ゲローゲローゲロー

 

下二段活用の「立つ」は、

かんたんな辞書でも、これだけの意味が載ってます><

 

 

でも、今でも使ってる言葉

イメージで押さえておきましょう♪

チューバイバイ

 

 

【渡す(わたす)】

【補助動詞:サ行四段活用】

…あまねく~する。ずっと~する

 

(※『全訳古語例解辞典』 より)

  上矢印

この補助動詞に気づくことがポイントです☆

 

 

ずら~っと

一面に、屏風が立ててあるんですね。

てへぺろ

 

 

 

【屏風(びやうぶ)】

【名詞】

…室内に立てて風を防いだり、仕切りとしたりする家具。表面は絵や書で飾られ、折りたたみ式で、六枚、四枚、二枚などのものがある

 

(※『全訳古語例解辞典』 より)

  上矢印
「屏風」は……知ってますよね?

 

 

金屏風 (清和金) 四曲 H265xW392

 

 

【答え】…

   

【若紫(第2章)】の一気読みはこちら⇒

 

 

【今回の源氏物語】

なつかしううちそよめく音なひあてはかなり聞きたまひほどなく近けれ立てわたしたる屏風すこし引き開け

 

過去記事リンク

なつかし

うち~(接頭語)

そよめく

おとなひ(音なひ・訪ひ)

あて(貴)/あてはかなり

と(格助詞)

たまふ

て(接続助詞)

ほどなし

なし(無し)

ば(接続助詞)

に(助詞)

たり(助動詞)

の(格助詞)

を(格・接続助詞)

すこし(少し)

引き~(接頭語)

 

重要古語【あ】【い】【う】【え】【お】

重要古語【か】【き】【く】【け】【こ】

重要古語【さ】  ■【し】【す】【せ】【そ】

重要古語【た】【ち】【つ】【て】【と】

重要古語【な】  ■【に】【ぬ】【ね】【の】

重要古語【は】  ■【ひ】【ふ】【へ】【ほ】

重要古語【ま】【み】【む】【め】【も】

重要古語【や】【ゆ】【よ】【ら】~【を】

【文法・識別】  ■【勉強法・過去問】 ■【古文常識

 

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