重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.とにかく丸暗記して覚える語
2.漢字やイメージで覚える語
3.文脈判断で決める語
があります。
今回はイメージで覚える古語です♪
【今回の源氏物語】
登りたまひて、誰とも知らせたまはず、いといたうやつれたまへれど、しるき御さまなれば、

今回のイラスト訳はこちら
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今回出てきた古文単語
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■【登り】…ラ行四段動詞「登る」連用形
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【誰(たれ)】…だれ
■【と】…引用の格助詞
■【も】…添加の係助詞
■【知ら】…ラ行四段動詞「知る」未然形
■【せ】…使役の助動詞「す」連用形
■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【いと】…とても
■【いたう】…ク活用形容詞「いたし」連用形ウ音便
※【いたし】…ひどい
■【やつれ】…ラ行下二段動詞「やつる」連用形
※【やつる】…質素な格好をする。みすぼらしくする
■【たまへり】…~ていらっしゃる
※【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
※【れ】…存続の助動詞「り」已然形
■【ど】…逆接確定条件の接続助詞
■【しるき】…ク活用形容詞「しるし」連体形
※【しるし】…はっきりしている
■【御―】…尊敬の接頭語
■【さま】…様子
■【なれ】…断定の助動詞「なり」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
◇ 今回は「れ」にも注意しましょ♪
◇「重要古語一覧」もご参照ください。
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☆ 本日の古文単語「やつる」 ☆
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登りたまひて、誰とも知らせたまはず、いといたうやつれたまへれど、しるき御さまなれば、
問)傍線部の解釈として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.とてもひどくげっそりしていらっしゃるけれど
2.とてもひどく離れた所にいらっしゃるけれど
3.とてもひどく身なりをやつしていらっしゃるけれど
4.とてもひどくみすぼらしい状態になってしまったけれど
5.とてもひどい献上品をお与えになったものだけれど




源氏物語イラスト訳では
このアプローチが効率的に行えるよう
ブログを展開しています。
⑴ 源氏物語イラスト訳
⑵ イラスト解釈
⑶ 古文単語

「源氏物語イラスト訳」では、古文目線を鍛え、
「イラスト解釈」では、文法や古文常識の力を、
この「古文単語」のカテゴリでは、
単語力を鍛えていきましょう♪

【やつる(窶る)】
【自動詞:ラ行下二段活用】
①目立たない状態になる。質素・簡略になる
②見ばえがしなくなる。みすぼらしくなる。衰える
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
以前、「やつす」という古語を学習しましたが
(※こちらの記事をご参照ください⇒)
他動詞「やつす」が、
自分の意志でみすぼらしくする
のに対し、
自動詞「やつる」は、
マイナスの意味を持つ
ことになります。


ここでは
光源氏がわざとみすぼらしくしているわけじゃなく、
山歩きのために
質素な格好をしている
と捉えましょう。
1.とてもひどくげっそりしていらっしゃるけれど
2.とてもひどく離れた所にいらっしゃるけれど
3.とてもひどく身なりをやつしていらっしゃるけれど
4.とてもひどくみすぼらしい状態になってしまったけれど
5.とてもひどい献上品をお与えになったものだけれど

現代語の意味としてなら
選択肢1のほうがいいように思えますけど…
古今異義語の意味解釈で
現代語の意味はヒッカケですよ!





【答え】…3
【若紫(第1章)の一気読みはこちら⇒
【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒
【今回の源氏物語】
登りたまひて、誰とも知らせたまはず、いといたうやつれたまへれど、しるき御さまなれば、
● 過去記事リンク
■たまふ
■て(接続助詞)
■たれ(誰)
■と(格助詞)
■も
■す・さす(助動詞)
■ず(助動詞)
■いと
■いたく(いたし)
■やつす・やつる
■たまへり
■れ・られ
■り(完了の助動詞)
■ど・ども(接続助詞)
■しるし(著し)
■おほん(御)
■さま(様)
■なり(断定)
■ば(接続助詞)
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