【夕顔5-3】古文単語「やつす」
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はホボホボ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
高校生がほとんど用いない死語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
御車もいたくやつしたまへり、前駆も追はせたまはず、誰とか知らむとうちとけたまひて、すこしさし覗きたまへれば、
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今回出てきた古文単語
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■【御車】…光源氏の乗っている牛車のこと
■【も】…列挙の係助詞
■【やつし】…サ行四段動詞「やつす」の連用形
※【やつす】…目立たないようにする。みすぼらしくする
■【たまへり】…~ていらっしゃる
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
※【り】…完了(存続)の助動詞「り」の連用形
■【前駆(せんぐ)】…行列の先に立ち、馬に乗って先導すること。また、その人
■【も】…列挙の係助詞
■【追は】…ハ行四段動詞「追ふ」の未然形
■【せ】…使役の助動詞「す」の連用形
■【たまは】…ハ行四段補助動詞(尊敬)「たまふ」の未然形
■【ず】…打消の助動詞「ず」の連用形
■【誰(たれ)】…だれ
■【と】…引用の格助詞
■【か】…反語の係助詞
■【知ら】…ラ行四段動詞「知る」の未然形
■【む】…推量の助動詞「む」の連体形
■【と】…引用の格助詞
■【うちとけ】…カ行下二段動詞「うちとく」の連用形
■【たまひ】…ハ行四段補助動詞(尊敬)「たまふ」の連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【すこし】…少し。ちょっと
■【さし覗く】…のぞく
■【たまへり】…~ていらっしゃる
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
※【れ】…完了の助動詞「り」の已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 今回の古文単語 「やつす」 ☆
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「身をやつす」――なんて表現出てきたら、
私なんか、なんとなくイメージ湧きますが、
受験生の皆さんは、どうですか?
(;゚;∀;゚;)
【他動詞:サ行四段活用】
①(服装を)目立たないようにする。みすぼらしくする
②出家姿に変える。僧や尼の姿にする。
③〔「身をやつす」の形で〕やせる思いがする。没入する。熱中する
④まねをする。もじる
⑤省略する。くずす。くつろぐ。乱す
*『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より
「身をやつす」というのは、
自分の意志で、服装などを目立たなくする、という意味です。
同じニュアンスの動詞で、
「やつる」というのがあります。
これは、「やつす」の自動詞形です。
(※「やつす」は他動詞)
他動詞「やつす」が、
自分の意志でみすぼらしくするのに対し、
自動詞「やつる」は、
自然とみすぼらしくなる
という意味になります。
…なんか、
「やつる」は、マイナスっぽい感じですよね~;;
`;:゛;`;・(゜ε゜ )ブッ!!
御車もいたくやつしたまへり、前駆も追はせたまはず、誰とか知らむとうちとけたまひて、すこしさし覗きたまへれば、
● 過去記事リンク
■も
■たまへり
■うちとく
■れ・られ
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