【夕顔366-3】古文単語「とりはづす」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.古今異義語(現代の意味と違う)
2.古典特有語(現代死語・使わない)
3.古文常識語(現代にない慣習)
があります。
毎日の学習の箸休めに、
この記事でプラスαの知識を身につけてね♪
【今回の源氏物語】
「…自らはかばかしくすくよかならぬ心ならひに、女はただやはらかに、とりはづして人に欺かれぬべきが、さすがにものづつみし、見む人の心には従はむなむ、あはれにて、…」
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今回出てきた古文単語
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■【自ら(みづから)】…自分自身
■【はかばかしく】…シク活用形容詞「はかばかし」連用形
※【はかばかし】…しっかりしている。てきぱきしている
■【すくよかなら】…ナリ活用形容動詞「すくよかなり」未然形
※【すくよかなり】…まっすぐでしっかりしている様子
■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形
■【心ならひ】…心の習わし。くせ
■【に】…原因の格助詞
■【女(をんな)】…女。ここでは愛する女性の意
■【は】…とりたての係助詞
■【ただ】…ただひたすら
■【やはらかに】…ナリ活用形容動詞「やはらかに」連用形
※【やはらかなり】…しなやかだ。素直だ。おだやかだ
■【とりはづし】…サ行四段動詞「取り外す」連用形
※【とりはづす】…うっかりして失敗する
■【て】…単純接続の接続助詞
■【人】…人。ここでは男の意
■【に】…受身の対象の格助詞
■【欺(あざむ)か】…カ行四段動詞「欺く」未然形
■【れ】…受身の助動詞「る」連用形
■【ぬ】…強意の助動詞「ぬ」終止形
■【べき】…推量の助動詞「べし」連体形
■【が】…主格の格助詞
■【さすがに】…そうはいってもやはり
■【ものづつみ】…引っ込み思案。控え目
■【し】…サ変動詞「す」連用形
■【見】…マ行上一段動詞「見る」未然形
※【見る】…逢う。男女の関係を結ぶ
■【む】…婉曲の助動詞「む」連体形
■【人】…人。ここでは愛する男の意
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【心】…気持ち。思い
■【に】…対象の格助詞
■【は】…とりたての係助詞
■【従は】…ハ行四段動詞「従ふ」未然形
■【む】…婉曲の助動詞「む」連体形
■【なむ】…強意の係助詞
■【あはれに】…ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形
※【あはれなり】…しみじみ愛しい
■【て】…単純接続の接続助詞
◇ 今回は「にて」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「取り外す」 ☆
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「…自らはかばかしくすくよかならぬ心ならひに、女はただやはらかに、とりはづして人に欺かれぬべきが、さすがにものづつみし、見む人の心には従はむなむ、あはれにて、…」
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.簡単に気持ちを変えて別の男になびいてしまいそうなのが
2.道を踏み外して男にだまされてしまうようなのが
3.気持ちをそらして別の男に惹かれてしまうようなのが
4.うっかりして男に騙されてしまいそうなのが
5.浮気心から別の男に騙されてしまおうとするのが
…こんな部分が傍線として出題されたら
基本、「れ」や「ぬべき」などの文法事項に着目すべきなんですが
今回の「取りはづす」といった古語の意味も知っておいたら、けっこう識別が楽にできますよね!
【とりはづす(取り外す)】
【他動詞:サ行四段活用】
①うっかりして取り落とす。取りそこなう
②うっかりして失敗する。やりそこなう
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
【答え】…4
「…自らはかばかしくすくよかならぬ心ならひに、女はただやはらかに、とりはづして人に欺かれぬべきが、さすがにものづつみし、見む人の心には従はむなむ、あはれにて、…」
● 過去記事リンク
■さすがに
■見る
■心
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