【桐壺15-③】「べし」①
おかえりなさい あいです。
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【今回の重要古語】
■ にほひ
■ べし
■ おほかた
■ やむごとなし
■ 思ほす
■ かしづく
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ちょくちょく助動詞が出てきますけれど、
一語一語照らし合わせながら、見ていってくださいね♪
本当によく出てきて、入試でも問われることの多い「べし」。
「べし」は
・ス(推量)…~だろう
・イ(意志)…~しよう
・カ(可能)…~できる
・ト(当然義務)…~べきだ
・メ(命令)…~せよ
・テ(適当勧誘)…~するのがよい
「スイカ 止めて~ε=ε=ε= ((((((ノ゚⊿゚)ノ」
と覚えるんでしたよね(o^-')b
でも、いったい、どの意味になるのでしょうか??
■ まずは、【可能】かどうかを、文脈判断します♪
今回は、
「この御にほひには、並びたまふべくもあらざりければ」
という文脈☆
【可能】なら、
並びたまふべくもあらざりければ
お並びになることができることもなかったので
うーん(-"-;A なんだか おかしいかも!
もっと良い訳出はできないかなぁ・・・?
■ 次に、「人称」を考えます。
・1人称なら、【意志】「~~しよう」
・3人称なら、【推量】「~~だろう」
今回は、「一の皇子」が主語でしたよね!
ということは、3人称(σ・∀・)σ
【推量】なら、
並びたまふべくもあらざりければ
お並びになるであろうこともなかったので
う~ん!(´Д`;) 意味は通じるのですが、なんだか文中に【推量】が入るのは、日本語としては不自然ですよね~;;
■ 最後に、文脈の強弱を考えます♪
・文脈が強い意なら、【当然】「~するはずだ」 ・ 【命令】「~せよ」・
【義務】「~しなければならない」
・文脈が弱い意なら、【適当】「~するのがよい」
今回は、一の皇子がいちばんにはなれなかった理由ですので、
【適当】では、弱すぎます(→o←)ゞ
で、あと残った【強】パターンを当てはめてみると…
この御にほひには、並びたまふべくもあらざりければ
この御子のお美しさには、お並びになるはずもなかったので
「~べし」=~~するはずだ、~するにちがいない【当然】
この意味で、訳出するとよいでしょう♪
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ですが・・・
【可能】や、【推量】でも、実は意味が通じないこともないんですよ!
並びたまふべくもあらざりければ
お並びになることができるはずもなかったので
お並びになるであろうはずもなかったので
こんな訳出のほうが、ピッタリ文脈に合うと思いませんか?
「べし」は、推量・意志・可能・当然・義務・命令・適当・勧誘 と、
さまざまな意味を持つ語です。
…ということは、「べし」という一語で、深い、広がりのある助動詞として、当時は使っていたのではないでしょうか。
それを、私たちは、
「この意味では間違い!」「こっちの意味が正しい!」などと、
○か×で機械的に判断しようとするから、古文がわかりにくく、
難解なものとなっているんですよね…ヽ(;´ω`)ノ
でも…、入試では、これが聞かれるんですよ(`・д´・ ;)
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「べし」の見分け方は、
■ まずは、【可能】かどうかを、文脈判断します♪
・意味が通じれば【可能】、通じなければ、それ以外で考えます。
■ 次に、「人称」を考えます。
・1人称なら、【意志】「~~しよう」
・3人称なら、【推量】「~~だろう」
■ 最後に、文脈の強弱を考えます♪
・文脈が強い意なら、【当然】「~するはずだ」 ・ 【命令】「~せよ」・
【義務】「~しなければならない」
・文脈が弱い意なら、【適当】「~するのがよい」
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この方向性で、あとは選択肢の訳し方ニュアンスを考えてみましょう♪
(※詳しくは、アメンバー記事にて、いずれご説明します^^☆)
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【今回の重要古語の答え合わせ】
■ にほひ…見た目の醸し出す美しさ
■ べし…推量(~だろう)意志(~しよう)可能(~できる)
当然(~はずだ)命令(~せよ)適当(~のがよい)
■ おほかた…通りいっぺん、並一通り
■ やむごとなし…大切な、重々しい、貴重な
■ 思ほす…お思いになる(最高敬語)
■ かしづく…大切に扱う、かわいがる
【原文】
この御にほひには、並びたまふべくもあらざりければ、おほかたのやむごとなき御思ひにて、この君をば、私物に思ほし かしづきたまふこ と限りなし。
⇒重要古語一覧
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おつかれさまでした
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