【桐壺15-②】解釈~御子 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【桐壺15-②】解釈~御子

おはようございます音譜 あいです。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【原文】

この御にほひには、並びたまふべくもあらざりければ、

おほかたのやむごとなき御思ひにて、

この君をば、私物に思ほしかしづきたまふこ と限りなし。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

今回は、帝の2人の御子への思いの比較です☆

 

源氏バイブル


 

まず、「この御にほひ」というのは、

誰の「にほひ」の事かを考えてみましょう♪


 

直前は、「一の皇子は…疑いなき儲けの君と…きこゆれど」

となっているので、一の皇子が主語でしたね!

   源氏物語~ゆるいイラスト訳~ 古典の偏差値20UPする方法

 

彼が、「この御にほひには、並びたまふべくもあらざりければ…」

 

誰の「にほひ」なのかは、文脈判断できるようにならなくちゃ、古文読解できないのでありますΣ(`・д´・ ;)

 

     この子ですよね♪

        ダウン

   源氏物語~ゆるいイラスト訳~ 古典の偏差値20UPする方法
  

ーーーーーーーーーーーー

 

生まれた順番からいくと、第一皇子が 一番大切です!

源氏バイブル
 

でも…

 

この御にほひには、並びたまふべくもあらざりけれ

この御子のお美しさには、お並びになるはずもなかったので


源氏バイブル

 

【にほひ】は、この世界では、単に、鼻からの匂いではなく、

見た目の輝くような美しさをさしますΣ(・ω・ノ)ノ!


 

…ていうか∑(゚Д゚)

 

もともと、【にほひ】は、漂うような美しさや雰囲気

表していたのですが、そのうち、嗅覚にのみ使われる

ようになったのでございます( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚

 


 

※「べく(べし)」…推量・意志・可能・当然義務・命令・適当勧誘

 

いろんな文法的意味のある「べし」(→o←)ゞ

状況や前後の文脈に応じて、訳出が変わります!

 

 

つまり…

 

誰の目にも、第一皇子よりも第二皇子のほうが

 

当然すばらしく映っていたのでしょうね!(´Д`;)


ーーーーーーーーーーー
 

そして、

 

おほかたやむごとなき 御思ひ にて、

通りいっぺん重々しい お気持ち であって、

     アップ
いったい、誰のお気持ちでしょうか???


 

ここでのポイントは、「思ひ」という敬語☆

 

また、次の部分に出てくる、「思ほし(思ほす」という尊敬語☆

 

(※「思ふ」→「思す」→「思ほす」→「思し召す」という敬意の順です)


 

なので…


 

この部分から、主語が桐壺帝に変わることを とらえてくださいね♪

     ダウン

おほかたやむごとなき 御思ひ にて、

源氏バイブル

 

やはり、第一皇子のことを、とても大切に扱ってはいたようです。


ーーーーーーーーーー

 

では、第二皇子のことは…?

 

この君をば、私物に思ほし かしづきたまふこ と限りなし。

この若君を、秘蔵っ子として大切に お思いなさることこの上ない。


源氏バイブル
 

【私物(わたくしもの)】=秘蔵物、私有物


どっちの子が帝にとって大切か、明らかですよね♪

 

第一皇子の母、弘徽殿の女御は、どんな思いだったでしょう…

源氏バイブル
 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

【原文】

この御にほひには、並びたまふべくもあらざりけれ

おほかたやむごとなき御思ひにて、

この君をば、私物に思ほし かしづきたまふこ と限りなし。

 

(口語訳)

この御子のお美しさには、お並びになるはずもなかったので

(桐壺帝は)通りいっぺん重々しいお気持ちであって、

この若君を、秘蔵っ子として大切にお扱いなさることこの上ない。

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【今回の重要古語】

 

■ にほひ

■ べし

■ おほかた

■ やむごとなし

■ 思ほす

■ かしづく

 

⇒重要古語一覧

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 

※「べし」は

(推量)…~だろう

(意志)…~しよう

(可能)…~できる

(当然義務)…~べきだ

(命令)…~せよ

(適当勧誘)…~するのがよい

    ダウン

スイカ 止めて~ε=ε=ε= ((((((ノ゚⊿゚)ノ

 

と覚えましょう♪

 

ーーーーーーーーーー

それでは。いってらっしゃい音譜

 

 

 

【関連記事】

【桐壺15】イラスト訳

【桐壺15】重要古語