【夕顔50-3】古文単語「はかばかし」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔50-3】古文単語「はかばかし」

源氏物語イラスト訳重要古語ですラブラブ 

 

古文単語でよく出題されるのは、


チェックボックス1.古典特有語

   …現代にない古語。


チェックボックス2.古今異義語

   …現代と意味の異なる古語。


チェックボックス3.死語的現代ワード

   …受験生世代はほぼほぼ使わない語。



…ですが、今回の古語は、

現代でもよく使う古文単語☆

 

はい、ではいってみましょぉ~♪

٩(๑•̀∇•́๑)و

 

夕顔50のイラスト訳はこちら

 

【今回の源氏物語】

仰せられのちなむ、隣こと知りはべる者、呼び問ははべりしかはかばかしく申しはべら。…」

 

 

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今回出てきた古文単語
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■【仰せ】…サ行下二段動詞「仰す」の未然形

※【仰(おほ)す】…おっしゃる「言ふ」の尊敬:惟光⇒光源氏

■【られ】…尊敬の助動詞「らる」の連用形

■【し】…過去の助動詞「き」の連体形

■【なむ】…強意の係助詞

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【て】…単純接続の接続助詞

■【はべる】…ラ変動詞「はべり」の連体形

※【はべり】…丁寧の助動詞惟光⇒光源氏

■【て】…単純接続の接続助詞

■【問は】…ハ行四段動詞「問ふ」の未然形

■【せ】…使役の助動詞「す」の連用形

■【はべり】…丁寧の助動詞惟光⇒光源氏

■【しか】…過去の助動詞「き」の已然形

■【ど】…逆接の接続助詞

■【はかばかしく】…シク活用「はかばかし」の連用形

※【はかばかし】…はっきりとする

■【も】…強意の係助詞

■【申し】…サ行四段動詞「申す」の連用形

※【申す(まうす)】…「言ふ」の謙譲惟光⇒惟光

■【はべら】…ラ変動詞「はべり」の未然形

※【はべり】…丁寧の助動詞惟光⇒光源氏

■【ず】…打消の助動詞「ず」の終止形

   アップ

単語の意味文法的説明です。

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

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今回の古文単語 「はかばかし」 ☆

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【はかばかし】

【形容詞:シク活用】

①はっきりしている。てきぱきしている。有能だ

②しっかりしている。頼りになる

③はっきりしている。際立っている

④本格的だ。きちんとしている

 

 (『学研全訳古語辞典』(Weblio古語辞典)より)

   

「はかばかし」という語は、今でもよく用います。

 

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「進行具合がはかばかしくない」など、

(仕事が)はかどらないという意味で用いられることが多いですよね。

 

 

では、「はかどる」とは、どういうことでしょう?

真顔

 

 

①はっきりしている。てきぱきしている。有能だ

   上矢印

この①の意味で、

現在では用いられることが多いですね。

 

 

「はかばかし」とは、

仕事の進み具合を意味する「はか(果)」を重ねて形容した語です。

 

なので、

仕事や物事が手際よく進む様子を表すのが原義です。

照れ

 

 

 

しかし、古文では、

手際よく進む⇒頼もしい、はっきりしている

といった意に派生し、

 

②しっかりしている。頼りになる

③はっきりしている。際立っている

   上矢印

の意味で用いられることの方が多いんです。

チュー

 

 

 

ではここで、大学入試レベルの問題☆

    サゲサゲ↓   サゲサゲ↓

「仰せられしのちなむ、隣のこと知りてはべる者、呼びて問はせはべりしかど、はかばかしくも申しはべらず。…」


問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。

1.かんたんにも口を割りません。

2.頼もしいわけでもございません。


3.はっきりと申し上げません。


4.しかと申し上げなさることもありません。

 

5.はかどっていると申してはおりません。  

 

 

 

チュー チュー チュー

 

 

もちろん、「はかばかし」の意味も大事ですが、

 

「申す」…「言ふ」の謙譲語

「はべり」…丁寧の補助動詞

 

の意味もきちんと押さえてある選択肢を選ぶべきです。

(▰˘◡˘▰)

 

 

 

1.かんたんに(×)も口を割りません。

2.頼もしいわけでもございません(△「申す」ナシ)


3.はっきりと申し上げません。


4.しかと申し上げなさる(×)こともありません。

 

5.はかどっている(△)申してはおりません。  

 

 

選択肢5は、

一語一語は決して間違いと言い切れませんが、

 

「はかばかし」という形容詞が、

あとの「申しはべる」状態を表している

 

という文脈から外れています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答……

 

 

【空蝉(第3章)】の一気読みはこちら⇒

【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

仰せられのちなむ、隣こと知りはべる者、呼び問ははべりしかはかばかしく申しはべら。…」


 

過去記事リンク

惟光(これみつ)

仰す・仰せ言

らる(識別)

し(識別)

き(助動詞)

なむ①  なむ②

の(格助詞)

て(接続助詞)

はべり

す・さす(助動詞)

ど・ども(接続助詞)

はかばかし

申す(まうす)

ず(助動詞)

 

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