何年か前に大腸内視鏡の予約を取りに消化器内科へ行ったときのお話です。

 

その日は朝8時から待っているのに11時を過ぎても呼ばれませんでした。

 

まだかなぁと思っていると

 

すぐ近くに座っていた若いお母さんの隣に置いてあったベビーカーから赤ちゃんの泣き声がしました。

 

でも顔が見えないように何かで隠されていました。多分日よけ。

 

するとその隣に座っていた老婆が

 

「まぁ赤ちゃん連れてると大変ねぇ」

 

と声をかけていました。

 

「今どれぐらい?」

 

「7か月です」

 

それからしばし会話が続いたと思うと

 

その若いお母さんはベビーカーからポーチと水筒を取り出して

 

ポーチの中にお湯とレトルト離乳食を入れて温め始めました。

 

最近は防水のポーチがあるんですね。

 

 

それを見た老婆が

 

「あらこんなところで食べさせるの?」

 

と怪訝な顔で言いました。

 

若いお母さんは

 

「もう4時間たつからお腹が空いてる」

 

と言いました。

 

でもすぐにポーチをベビーカーの荷物入れに置いて赤ちゃんには食べさせませんでした。

 

赤ちゃんは時折泣いていました。

 

若いお母さんは最初あやしていましたが

 

疲れたのかあやさなくなりました。

 

そして

 

そのお母さんは

 

消化器内科の診察室へ入って行きました。

 

ここは大きな病院なので

 

何かしらの大きな疾患がある人しか来ません。

 

若くてかわいいお母さん。

 

まだあんな小さい赤ちゃんがいるのに

 

大きな病気を持っているのかもしれないのかと思うと

 

何だか心苦しくなりました。

 

きっと

 

こんな大きな病院に赤ちゃんを連れて来たくなかっただろうな。

 

だからベビーカーの何かで顔を隠してできるだけ待合室の空気に触れさせないようにしたんだろうな。

 

離乳食を遅らせたくないと思ったのも

 

きっと初めての子育てで

 

マニュアル通りに頑張りたい気持ちがあったからかも。

 

赤ちゃんを預ける相手もいなかったんだろう。

 

病気で辛い体を抱えながら

 

赤ちゃんを連れて通院して

 

さぞかし大変だろう。

 

私も弱音ばかり履いてないでもっと頑張らなきゃいけない。

 

そう思ったある秋の日の出来事でした。