【桐壺96-③】「ぬ」の識別☆
おかえりなさいあいです。
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■【わりなし】
■【心の闇】
■【…になむ】
■【言ひもやらず】
■【むせかへる】
■【ほど】
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今回は「ぬ」の識別でしめくくりますねっ♪
夜も更けぬ。
この「ぬ」です。
口語訳の中では、すでに、「夜も更けてしまった」としましたので、
「あ、完了ね」
と覚えてる人も多いと思います。
こういうふうに、出てきたものを文章ごと理解する、という方法も、古文読解のひとつです☆
イラスト訳では、この丁寧な照らし合わせの積み重ねで、古文のセンスを磨いていこうとするのが狙いですが、
この「ぬ」のように、見分けにくいものの場合、ただ単に、「更けぬ」の「ぬ」は完了!という覚え方ではいけません!
どういう場合に、なぜ完了になるのか、ならないのかを、きちんと理解する必要があるんです☆
☆「ぬ」の識別☆
1.完了の助動詞「ぬ」の終止形
2.打消の助動詞「ず」の連体形
3.それ以外
この3パターンがあり、
これらすべての場合「…ぬ。」となる可能性があるので、一面だけで判断することが出来ません!
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1.完了の助動詞の場合、
■「ぬ」自体が終止形であること。
この2つが判別のポイントです☆
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2.打消の助動詞の場合、
■「ぬ」自体が連体形であること。
この、一方の判別だけでなく、2つとも理解し、判別材料にする必要があります!
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なぜ一方の判別ではダメなのか…
夜も更けぬ。
…今回のように、
「更け(更く)」が下二段活用であり、
■未然形…更け
■連用形…更け
このように、未然も連用も、同じ活用形の場合もあるんですもんねー
(;゚;∀;゚;)
しかも!
このように、係り結びの法則などで、終止形っぽく使われる場合…(;´Д`)ノ。
…さらにやっかいなのが、
「蛍も多く飛びちがひたる。」などのように、
余韻をのこすために、わざと連体形で終止してる場合もあるんですよねー
(;゚;∀;゚;)
したがって、よく出る「ぬ」ではありますが、単に接続だけを勘案して「ぬ」の文法的意味を判断するのではなく、
様々な要因を考えて、「ぬ」の識別をしなければなりませんね♪
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あ、そうそう!最後に、
3.それ以外の場合ですが、
どちらも、終止形であるとして、
文法的な違いを説明できますかー??
…わかりますよね(●´エ`●)
ヒントは、ナ行変格活用動詞☆
また復習しておいてくださいね♪
どうしても分からない方は、プチメ でご相談下さい♪
もちろん、ご自分で考えてからですよ
(o^-')b
あいでした
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■【わりなし】…どうしようもない
■【心の闇】…親の子を思う心の乱れ
■【…になむ】…~でございます
■【言ひもやらず】…最後まで言えない
■【むせかへる】…涙にむせかえる
■【ほど】…うち、間
【原文】
これもわりなき 心の闇になむ」
と、言ひもやらず むせかへりたまふほどに、夜も更けぬ。
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