【夕顔356-3】古文単語「ことざま」
高校生のみなさん。
古文の大学受験は、情報処理能力がカギ☆
早めの古文目線の習得が不可欠ですよ~♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.古今異義語(現代の意味と違う)
2.古典特有語(現代死語・使わない)
3.古文常識語(現代にない慣習)
があります。
でも大学入試によく出るのは、今回のような多義語です♪
【今回の源氏物語】
「…そのあらむ乳母などにも、ことざまに言ひなして、ものせよかし」など語らひたまふ。
「さらば、いとうれしくなむはべるべき。…」
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今回出てきた古文単語
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■【その】…指示連体詞
■【あら】…ラ変動詞「あり」の未然形
■【む】…婉曲の助動詞「む」の連体形
■【乳母【めのと)】…乳母。ここでは右近の母とは別の乳母をさす
■【など】…婉曲の副助詞「など」
■【に】…対象の格助詞
■【も】…強意の係助詞
■【ことざま(異様)】…違ったよう
■【に】…状態の格助詞
■【言ひなす】…言いつくろう
■【て】…単純接続の接続助詞
■【ものせよ】…サ変動詞「ものす」命令形
※【ものす】…何する。ここでは、夕顔の子を連れてくること
■【かし】…念押しの終助詞
■【など】…引用の副助詞
■【語らふ】…親密に語る
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【さらば】…それならば
■【いと】…とても
■【うれしく】…シク活用形容詞「うれし」連用形
■【なむ】…強意の係助詞
■【はべる】…ラ変動詞「はべり」の連体形
※【はべり】…丁寧の補助動詞(右近⇒光源氏)
■【べき】…推量の助動詞「べし」の連体形
◇ 今回は「べき」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「ことざま」 ☆
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「…そのあらむ乳母などにも、ことざまに言ひなして、ものせよかし」など語らひたまふ。
「さらば、いとうれしくなむはべるべき。…」
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.さまざま言葉を選んで、
2.あれこれと言い訳して、
3.ことごとく申し上げて、
4.違ったふうに言いつくろって、
5.大げさに言いなして、
「ことざま」と平仮名で出てきたときは、
ちょっと注意する必要があります。
「言」「事」「異」「殊」の、どの漢字を当てるのか、
それによって、意味が変わってくるんです。
【ことざま(異様)】
【名詞】
①通常とは異なる様子。違ったおもむき
②他の方面。また、他の人
【ことざま(事様)】
【名詞】
…物事の様子。また、人物の様子
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
「ことざま」という語義としては、
「異様」と「事様」の、2つが考えられます。
文脈にあてはめてみましょう。
「…そのあらむ乳母などにも、ことざまに言ひなして、ものせよかし」
【事様】…物事の様子に言いつくろって
【異様】…違ったおもむきに言いつくろって
どちらが適当か、お分かりですよね!
【解答】…4
「…そのあらむ乳母などにも、ことざまに言ひなして、ものせよかし」など語らひたまふ。
「さらば、いとうれしくなむはべるべき。…」
● 過去記事リンク
■も
■言ひなす
■ものす
■かし
■たまふ
■さらば
■いと
■はべり
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