出光美術館で「美の祝典 Ⅱ 水墨の壮美」を観た! | とんとん・にっき

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出光美術館で「美の祝典 Ⅱ 水墨の壮美」を観てきました。


図録の「ごあいさつ」には、以下のように書かれています。

出光美術館は1966年10月に開館し、本年で50周年を迎えます。その記念企画として「美の祝典」と題し、当館所蔵の絵画作品から国宝・重要文化財を中心とした屈指の優品を厳選して一挙公開します。


展覧会は三部構成とし、第一部は日本絵画の伝統美を象徴する「やまと絵」の世界を中心に展示。四季折々の自然とその情緒とが芽生えさせた、わが国独自の色彩感覚や柔和な表現をご堪能いただきます。第二部ではこれと対照的に、東洋ならではの清澄な自然美に注目し、光と影のなかに捉えたモノクロームの世界を「水墨画」や「文人画」により特集します。清閑な画中に響きわたる筆墨の余韻とともに幻想的な情趣が、美の原点へと誘います。そして第三部は華麗な飛躍を遂げた架構は、琳派、浮世絵といった諸派による江戸絵画の多彩な魅力をご覧いただきます。なお10年ぶりの航海となる国宝「伴大納言絵巻」は、これら三期にわたって上巻・中巻・下巻と順次展示します。


「美の祝典」三部構成

I やまと絵と四季     4月9日(土) ~5月8日(日)

Ⅱ 水墨の壮美       5月13日(金)~6月12日(日)

Ⅲ 江戸絵画の華やぎ  6月17日(金)~7月18日(月・祝)


ということで、今回僕が観に行ったのは6月8日のことでした。 観てきたのは「Ⅱ 水墨の壮美」で、展覧会の会期は6月12日で終了しました。「Ⅲ 江戸絵画の華やぎ」は6月17日(金)からです。


国宝「伴大納言絵巻」

伴大納言とは

伴大納言は、源氏物語絵巻、信貴山縁起絵巻、鳥獣戯画(いずれも国宝)とともに日本の「四大絵巻」と称され、代表的な絵巻として知られています。ひとりの実在した政治家の野望と失脚を描くストーリーは、「応天門の変」という史実をもとにしているだけに、他の作品とは異なって現実味があります。また画面構成においても演出に優れ、絵巻独特の醍醐味を堪能させてくれます。特に群像表現にみる精妙な描写、色や形の見事な対比、そして緩急を利かせた巧みなストーリー展開が調和しており、多くの傑作に恵まれた古代・中世の絵巻のなかでもひときわ輝きを放つ魅力的な作品です。



水墨の壮美

幻想的な山水の光景に恋し、清閑な情趣を感じ取った水墨画形。彼らの卓越した筆墨の妙は、時に厳格な描写力で写実性に挑み、また時には白い紙の余白に響きわたる余韻と親しみながら水墨画の壮美を築いています。わが国では、主に中国・宋元画を手本として学んだ水墨の技でしたが、そこに日本独自の風情を重ね合わせることで新たな表現を獲得しました。







文人画の清風

中国の士大夫と呼ばれる高官の職を辞し、隠遁生活を楽しんだ知識人たちは、技巧的な宮廷画家とは一線を画す余技の絵画を手がけました。江戸時代には、彼らの生き方に憧れを抱いた「文人」画家が数多く活躍しています。中国趣味に浸る中で自らも筆をとり、試作や書画の制作に勤しんでいます。文人画の特質は、画家の観念や思想を絵画で表すことにあります。そこに賛文が書き付けられることで、さらに思い描く世界の清雅な趣は深まります。







「美の祝典 やまと絵の四季」

2016年春、出光美術館は開館50周年を迎えます。その記念企画として所蔵の絵画作品から、国宝・重要文化財を中心とした屈指の優品を厳選して三部構成により一挙大公開いたします。

第一部のテーマは、「やまと絵」。日本の伝統美を象徴する鮮やかな色彩と、やわらかな造形が織りなす「やまと絵」は、古来、宮廷文化に導かれながら発展してきました。とくに四季折々に移ろう山景や樹木の装い、そして野に会する花鳥たちの表情は、いつの世の人々にも愛され、絵に描かれることで独自の情緒や典雅な美意識を伝え遺してきました。優れた画家たちの手によって制作された、時代を代表する数々の名品を特集展示する本展では、重要文化財の「絵因果経」(奈良時代)や「真言八祖行状図」(平安時代)、「四季花木図屏風」(室町時代)をはじめとし、出光コレクションが誇る「やまと絵」の華麗なる展開をご紹介します。なおこの期間、国宝「伴大納言絵巻」上巻を10年ぶりに特別展示します。どうぞご期待ください。


「出光美術館」ホームページ

binosyu1 「美の祝典」

図録

平成28年4月9日発行

編集・発行:

公益財団法人出光美術館








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