出光美術館で「日本絵画の魅力」(後期)を観た! | とんとん・にっき

出光美術館で「日本絵画の魅力」(後期)を観た!


出光美術館で「日本絵画の魅力」(後期)を観てきました。観に行ったのは5月22日のことでした。今回の展覧会は、出光美術館の総集編のような展覧会なので、前期、後期とも観ないわけにはいきません。出光美術館では珍しく、大勢の観客でにぎわっていました。 以下、朝日新聞の記事、「楽しい鑑賞のススメ」という、出光美術館の黒田泰三学芸部長へのインタビュー記事によります。


「日本絵画の魅惑」は、鎌倉時代から江戸時代にかけての日本絵画史をたどる構成になっています。テーマを設けず、時代を負う展示は出光美術館ではなんと31年ぶりだという。この30年間の美術展は、あるテーマに沿った企画展が主流でした。たしかに企画展は、分かり易いといえば分かり易いといえます。その方式に従わなかったのは、「素直に作品を見て楽しむことにこだわった」からだと、出光美術館の黒田泰三学芸部長はいう。


「だれが決めたんですか、正しい絵の見方なんて・・・」、こんな挑戦的な副題を企画段階で提案したという。長すぎて採用されなかったが、「日本絵画の面白さを自由に感じてもらいたい」と、黒田はいう。31年前の展示は、作家の紹介、日本絵画史上の作品の位置づけなど、教科書的な展示で「生真面目さが絵を見る楽しさを損なっていたのかもしれない」と反省します。


今回、作品によっては黒田独自の視点を盛り込んだ「鑑賞のツボ」というミニ解説を付け、一味変わった鑑賞方法も紹介しています。独自の視点を盛り込んだ解説を付けられるようになったのは、観客の変化も大きいという。この30年で美術館も増え、成熟した目で多角的に絵を見る人が増えたと感じている、という。何かと難しいといわれがちな日本絵画だが、「日本の美意識とは何なのか。美意識が連なって今の日本が出来ている。若い人たちが将来の日本を考えるうえで、よりどころになるでしょう」と、黒田は話します。


展覧会の構成は、以下の通りです。


第1章 絵巻―アニメ映画の源流

第2章 仏画―畏れと救いのかたち

第3章 室町時代水墨画―禅の精神の表現が芸術へ

第4章 室町時代やまと絵屏風―美麗なる屏風の世界

第5章 近世初期風俗画―日常に潜む人生の機微を描く

第6章 寛文美人図と初期浮世絵―洗練されゆく人間美

第7章 黄金期の浮世絵―妖艶な人間美

第8章 文人画―自娯という独特の美しさ

第9章 琳派―色とかたちの極致

第10章 狩野派と長谷川等伯―正統な美vs斬新な美

第11章 仙厓の画―未完了の表現

〈工芸〉


「色絵松竹梅鳥文輪花皿」解説

典型的な柿右衛門様式の花形皿。型打ち成形により花形に作り、口端は平らに切り口紅を施す。乳白色素地に、赤・緑・黄・金・黒線により、松竹梅に太湖石(たいこせき)と双鳥を描く。構図は右下の梅花に基点を置き、他の梅花や太湖石を結ぶ水平線と、それに対し、49度の線上に松・竹・鳥の重心となる文様を描く。この線間で白地の中に飛鳥を配す。裏面は無文で高台内にはハリ支え跡がある。


以下、各章毎に、代表的な画像を載せておきます。


第1章 絵巻―アニメ映画の源流



第2章 仏画―畏れと救いのかたち



第3章 室町時代水墨画―禅の精神の表現が芸術へ



第4章 室町時代やまと絵屏風―美麗なる屏風の世界



第5章 近世初期風俗画―日常に潜む人生の機微を描く



第6章 寛文美人図と初期浮世絵―洗練されゆく人間美



第7章 黄金期の浮世絵―妖艶な人間美



第8章 文人画―自娯という独特の美しさ



第9章 琳派―色とかたちの極致



第10章 狩野派と長谷川等伯―正統な美vs斬新な美



第11章 仙厓の画―未完了の表現


日本美・発見Ⅸ「日本絵画の魅惑」

当館では「日本の美・発見」というテーマで、館蔵品のうち日本美術を選び、従来には見られなかった新たな視座に立った切り口で紹介してきました。今回はそのシリーズの9回目にあたります。本展は、「日本絵画の魅惑」と題して、出光美術館の日本絵画コレクションの内、鎌倉時代の絵巻物、室町時代の水墨画とやまと絵屏風、近世初期風俗画、桃山時代の長谷川等伯、狩野光信、江戸時代の寛文美人図から肉筆浮世絵、琳派、浦上玉堂・田能村竹田・渡辺崋山などの文人画、そして仙厓など、代表的なジャンルおよび作家の作品を選りすぐり、展示しています。
その見どころは次の3点です。
1.「出光美術館日本絵画名品展」として、当館日本絵画コレクションの中でも、鎌倉時代から江戸時代までの最も充実したジャンルの名品を一堂に集めています。おなじみの名品や知られざる逸品を集めた豪華な内容です。
2.日本絵画史を作品史として理解するために、絵巻・仏画・室町水墨画・室町時代やまと絵屏風・近世初期風俗画・浮世絵・琳派・文人画・狩野派と等伯・仙厓とジャンルを分けて、それぞれの代表作品を紹介しています。時代を彩った作品をとおして、日本の美の力を伝えます。
3.各ジャンルから代表的な作品を選び、従来の正統的な絵画鑑賞をふまえた上で、担当学芸員がおすすめする鑑賞のツボを紹介します。従来気づかれてこなかった新たなおもしろさを伝えます。
以上のテーマを2部構成で83件の作品によって展観します。どうか、日本絵画を自由に楽しくご鑑賞ください。なお、各時代を彩った日本のやきものを随所に展示しています。あわせてお楽しみください。


「出光美術館」ホームページ


ide1 日本美・発見Ⅸ

「日本絵画の魅惑」

図録

平成26年4月5日発行

編集・発行:

公益財団法人出光美術館








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