NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(1・業種別編①)
地方の中小都市に残る老舗紬問屋の店蔵
- 商業立地のチェックポイント120 (1981年)/山下 勇吉
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
【書誌情報】
山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」誠文堂新光社1981年
(ISBN4-416-78100-8/NDC671)278頁
*
本ブログ内関連記事
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(1・業種別編①)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(2・業種別編②)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(3・業種別編③)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(4・業種別編④)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(5・業種別編⑤)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(6・業種別編⑥)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(7・業種別編⑦)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(8・立地別編①)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(9・立地別編②)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(10・立地別編③)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(11・立地別編④)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(12・立地別編⑤)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(13・環境別編①)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(14・環境別編②)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(15・環境別編③)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(16・環境別編④)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(17・環境別編⑤)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(18・環境別編⑥)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(19・環境別編⑦)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(20・環境別編⑧)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(21・環境別編⑨)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(22・補論編①)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(23・補論編②)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(24・補論編③)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(25・補論編④)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(26・補論編⑤)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(27・補論編⑥)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(28・補論編⑦)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(29・補論編⑧)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(30・補論編⑨)
(p.212)
呉服店の商業立地
・背景人口3319人/最寄店購入比率約50%
・近隣型の商品構成比/高級呉服75%、実用呉服15%、和装小物10%
・売上坪効率/317万円
・購買理由/豊富さと品質、柄、織り
・客層は高齢化/高額所得層
・大都市より中都市・小都市での消費が多い
(「家」制度が残っているところが生活慣習の上で呉服利用度が高い?)
・東北、北陸、中国地方の高利用度/太平洋ベルト地帯は非常に低い
・都市型ではなく、衛星都市や町村型
・大都市の呉服店は高額所得者の中高年層の楽しみ
(所得が高く中高年層が多い立地に出店するのが成功のカギ?)
・ウインドウショッピングが効く業種
↓
・商店街の中で宝石店や婦人服店の並びが最適
(隣が魚屋、肉屋はNG!)
・デパートや量販店などの大型店に接近していると、差別化ができて良い
(商店街から離れたり、国道筋にあるのはNG!)
・訪問販売や展示会→外販化が必要な業種
一度買うと数年は使用し、綿打ち直しして使うので購入機会は少ない寝具
(p.214)
寝装店の商業立地
・背景人口5571人/最寄店購入比率約50~70%
・近隣型の商品構成比/寝具40%、寝装品45%、インテリア15%
・購買理由/豊富な品揃え
・売上坪効率/230万円
・商圏人口の少ないところは苦戦
(商品の豊富さがなければ客は流出)
(孤立した場所…商店街の場末、住宅街の中、裏通り立地はNG!)
・新興住宅地で、結婚、出産、育児という機会を持つ後背地人口を持つ店ほど有力
(都心の老夫婦だけ残っているような立地はNG)
・ニューファミリーの集客力があるところで地区中心型、地域中心型商業地が良い
(売り場面積を拡大し、立体化して売り場のコーナー化とキャンペーン展開)
・商圏人口の少ないところでは布団の寸法直し、綿打ち直しなどのサービス、医療性の寝具を外科医とタイアップして顧客の交換をしながら売る
↓
・商店街の真ん中、スーパーの近く、駅通りで付近に商店が100店以上ある立地が最適
(主婦が多く集まってくる立地がベスト)
(付近に商店が50店前後であれば外販を主体に考える必要あり)
・午後の日差しが差し込まない地点
(商品の日焼け損失が大きい)
(p.216)
婦人服店の商業立地
・背景人口2324人/最寄店購入比率約30%
・近隣型の商品構成比/アウトウエア70%、ファンデーション20%、服飾品10%
・購買理由/流行品、豊富
・売上坪効率/240万円
・近隣型商店街では婦人服専門店の経営は苦しい
(近隣型ではカジュアル性のものを多く、かつ子供服との併売が良い)
・大都市ほど購入金額が多い
(東日本より西日本のほうにその傾向が強い)
↓
・スーパーや大型店からの帰りの路線に入っている立地が良い
(旧商店街、下町、ブルーカラー層が多い街はNG)
・住んでいる人が都会の人でセンスがよく、持ち家で所得もある。子供の手もやっと離れたという主婦の年齢層の多いところこそ、最も有望な立地
- 【JUNKO SHIMADA】コンフォータブルカット 2ボタンスーツ(グレー)
- ¥34,500
- 楽天
(p.218)
紳士服店の商業立地
・背景人口5430人/最寄店購入比率20%
・地域中心型の商品構成比/ニットウエア35%、アウトウエア25%、スラックス20%、シャツ20%
・購買理由/デザイン、柄、センス
・売上坪効率/311万円
・近隣型では「婦人子供紳士用洋品」というジャンルで作業衣料、実用衣料を充実させた品揃え
・地区中心型ではカジュアルウエア、スポーツウエア、ニットウエア等を加えてメンズショップ化
↓
・地域中心型以上になると大型量販店やデパートが強い
(個店はセーター、スポーツウエア等で独身男性向けに特化、22~33歳向けのアメリカンカジュアルに特化)
脇道出店のイメージ図
(山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」p.211より引用)
(p.220)
ジーンズショップの商業立地
・坪効率の良い業種
(売り場面積は狭く…6坪くらいでちょうど良い)
・売上坪効率/400万円
・地域中心型の商品構成比/ジーンズ50%、ニット・トップ40%、身回品10%
・近隣型では子供やニューファミリーの主婦のジーンズを取り扱って、婦人子供服と併売していくほうが安全
(ヤングのジーンズはあまり期待できない)
(個性のない実用的デザインは主婦から嫌われるのでアクセントポイントになる簡単なデザインのものを付け加えたほうが良い)
・地区中心型では表通りより脇道の、ちょっと隠れた場所が良い
(対象年齢…地区内学校の生徒数を見て出店・品揃えを決める)
(いつまでも同じブランドを置いていると飽きられる)
・地域中心型は最も最適な立地で、メーカーブランド系列別に、一定の距離を置いて並存
(差別化が難しいので、近接して立地するのはマイナス効果)
(普通の若者が安心して通れる健康的な通りの立地が良い)
(飲食歓楽街の出店はNG!)
・広域型では若者の街、大学や高校のある街が最高の立地だが競争も激しい
(学生下宿・アパートのあるところ、文化的施設のあるところ、若者好みの大型店のあるところ、若者が良く利用するコーヒー店、CD・DVD・書籍店の近くが良い)
・ショッピングセンター内では子供服と主婦のジーンズが良く売れる
↓
要は、対象客が通りを歩いているか?
(独立開業やチェーン展開しやすい業種)
(品揃えと客層を設定し、共通の商業立地に出店することがベスト)
- 桃色書店へようこそ
- ¥490
- 楽天
- 盛岡さわや書店奮戦記
- ¥1,680
- 楽天
(p.222)
書籍店の商業立地
・背景人口4609人/最寄店購入比率約30%
・近隣型の商品構成比/雑誌50%、一般書籍30%、児童図書20%
・売上坪効率/318万円
・近隣型では雑誌、文庫などに絞り、文具等を併売するほうが良い
(近隣の書籍店では欲しい本が手に入らないため大型店に流出する傾向が強い)
・地区中心型は人通りの多い駅前で、かつ駅から200m以内で、児童書、学習書、婦人雑誌、家庭書籍、小説、文庫ものなどファミリー向けが良い
(集客力の悪いショッピングセンターの2~3階が経営不振に陥りやすい)
・広域型は大型専門店化
(地域中心型は、居住者の客層を見て不要なカテゴリーは縮小)
・書籍店の特化型/医大近くの医学書専門店、辞書専門店、政府刊行物センター等
・古本店は広域型のサブストリートや、昔の中心商業地の脇道に出店
(p.224)
文房具店の商業立地
・背景人口3769人/最寄店購入比率60~70%
・近隣型の商品構成/学童文具40%、事務用品40%、事務機20%
・購買理由/品揃えが豊富、サービスが良い
・売上坪効率/326万円
・ビジネスマン、大学生・高校生の多い立地は繁盛
(ビジネス街立地は中年男性客を狙って趣味的部分を加える品揃え)
・近隣型の文具店は学童用文具、家庭用文具が中心で玩具、プラモデル、雑誌、漫画などを取り扱ってカバー
(子供が買える単価でなければ成立しない→値引き、サービス券)
・地区中心型は駅前立地で、事務機、事務用品、コピー印刷、印章、はがき印刷等、地区内の需要を総合的に取り揃える文房具店が成功
・広域型は総合化、大型専門化、特化したファッション化
(2階に印刷部門、画材部門、ファンシー部門等を配置)
・地域中心型では知名度・信用度の高い文房具店が官公庁や学校、職域売店へ納入や出店している例を散見する
・ファンシー文具は女学生の多い立地を選定し、誕生カードや小部屋の小インテリア等に品揃えを拡大
↓
地区中心型立地を筆者は勧める