NOTE・・・宗田好史著「中心市街地の創造力」(16・都心再生が必要な理由)一部修正版 | ゆるポタで心リセット“おれ野_お散歩日記”by_✡CAMMIYA…ちょいマニアックで開運

NOTE・・・宗田好史著「中心市街地の創造力」(16・都心再生が必要な理由)一部修正版

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結城既存 ↑老舗「紬」店の様子①…茨城県結城市

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結城051113012 結城051113010 ↑茨城県結城市における老舗「紬」店の様子②






【38】都心商業を再生する方策

(pp..227-230)

中心市街地の衰退に悩む小さな市町村では、すでに都心商業再生を絶望視して、居住を中心に考えるところも出ている。

また、都心の土地を所有する地主も、衰退する一方の商業に絶望し、店舗の立地を見限り、(たとえ、新幹線の停まる駅前でありながらも)収入の確実な駐車場を経営し、賑い喪失に拍車をかけている。

もっと悪いのは、風俗店に土地建物を貸し、市民の期待を裏切り、駅前を荒廃させてしまう人々である。

このような行政施策と民間の取り組みが矛盾する事例ばかり目に付いてしまう。。。。。


【上記現状に対し、、、】

行政の方策には、1990年代の

大規模小売店舗立地法中心市街地活性化法

そして都市計画法が改正された

まちづくり3法改正』による施策がある。

「まちづくり3法」以外の施策として・・・・

・観光政策

・商業政策

・文化政策

総合的視点に立った「まちづくり交付金事業」

さらに、

交通政策からコンパクトシティを目指す取り組みとして・・・・・

・公共交通優先への転換(都市の交通体系の見直し)

・都心部における街路のモール化

・歩いて暮らせるまちづくり事業

(*福島県会津若松市・郡山市における交通社会実験から得られたもの・ ・・・・参照)

他にも、

都市計画行政を通じた施策として・・・・・・・・・

・都心居住の促進や都心への公共施設の適正配置(↓「シビックコア」参照)

・お洒落な街並みづくり(景観法、街並環境整備事業)

・シビックコア(*福島県田村郡三春町における近似事例 の紹介記事)

   ↓

「シビックコア地区整備制度」

魅力と賑わいのある都市の拠点地区を形成する為に、関連する都市整備事業との整合を図り、官公庁施設と民間建築物等との整備を総合的、一体的に実施する地区を整備する国土交通省の事業。

病院や学校などが郊外に移転したことに対し、市街地に広く分散している官公庁施設を段階的に都心に集める目的がある

国などの官公庁施設と民間建築物等との連携により利用者の利便が向上し、利用者を集中させることで、中心市街地への集客性を高めることが期待されている

また、関連する市街地整備事業とあわせ、魅力的な都心を形成出来ることが見込まれている。。。

しかし、、、

最終的に、街を元気にするのは・・・・・

やる気ある事業者、多くの若手、そして流通構造のニッチを見つけ出せる人

個性的なビジネスができる才能ある事業者は少ないし、それを学ぶ力を持った人も多くはいないが、

日本は消費者に恵まれている。

・世界各地で観光消費を続ける日本人が多い

・世界各地に日本人を惹き付ける街は多い

・全国各地にも観光客を惹き付ける街がある

身近な成功事例から創造的な解決方法を見つければ良い???





【39】都市経営・都市計画の目的は?

(pp..230-233)

その街の民間事業者(住人)が元気でなければ、

その街、つまり自治体は経営できないし、

その街の民間事業者(住人)を元気にすることが都市経営の目的

すなわち、都市計画の目的・・・・・・

この点を語らない都市計画・都市経営の専門家・研究者・先生を、

本ブログ管理者は、全く信用しませんww(本ブログ内過去記事参照






【40】なぜ都心再生が必要なのか?

(pp..233-239)

本来、中心市街地とは、都市の地理的な中心であるだけでなく、「経済活力の中枢」として、都市全体の経済活動の牽引力を発揮する場所でなければならない。

都市経済を成長させる為には、その拡大再生産を推進する場所として、新規投資・再投資が活発に起こる場所が必要になる。

投資が活発に起こることで、新たな雇用機会が生まれ、より高額な所得が得られ、消費も活発になる

「地域経済が持続的に発展するということは、毎年、その地域で纏まった投資がなされることを意味する。

投資というのは、資金を投下し、商品と労働力を調達し、それらを結合して、新たな商品とサービスを作り出し、それを販売することによって、利益を伴った売上を回収する経済活動である

↑岡田知弘「地域づくりの経済学入門」自治体研究社2006年など・・・

(地方の中心市街地では、その地域の企業が投資する力を失い、地域独自の新たな商品とサービスを生み出す力も、そして利益を回収する仕組みも失ってしまった)

だから・・・・・

地域経済の持続的な発展を実現しようとするならば、その地域において、地域内で繰り返し再投資する力(=地域内再投資力)をいかに作り出すかが決定的に重要である。

特に、中心市街地が再投資を引き付ける役割を果たさなければならない

(多様な経済主体が継続的に投資活動できる環境の整備が必要)

つまり、中心市街地とは・・・・・

その都市と周辺地域の経済が発展する機会を提供する場である

市民は、都心・郊外・周辺など都市の何処に住んでいようとも、都心の経済活動の影響を受けている

(直接、都心の富を手にすることは無くても、都市の生活の豊かさを実感する場として、消費を通じて都心の華やぎ、副産物である文化的価値を享受する)

市町村など地方自治体は、税収額全体の4割を占める個人住民(市町村民)税・法人住民税と、同じく47%を占める固定資産税に依存している。

現在の税制では、これらは住民の所得、企業の利益、そして地価に比例して増大・減少する。

だから・・・・

(相対的に地価の高い)中心市街地の経済活動が活発化し、経済活力の中枢として都市全体の経済活動を牽引し、拡大再生産が推進されれば、自治体の税収は増加する。

そこから、新規投資・再投資が活発に起こる中心市街地を整備する公共事業費が生まれる。

公共事業によって、投資が活発になれば・・・・・

新たな雇用機会が生まれ、所得が上がり、消費が拡大する。

(この行政と民間の連携が都市を造るエネルギー)

都心の経済活動のレベルは、その都市の文化水準に比例???

なぜならば・・・・・・・・

どんな小さな町にも、

古い造酒屋や醤油屋、和菓子屋、呉服屋などの「老舗」がある

花や香、茶・茶器、古美術、和洋楽器店があって、

その店でしか商っていない商品が揃っている(本記事冒頭写真参照)。

これらの店は伝統的な町家やその街並み以上に、市民の暮らしに近いところで地域の伝統文化を支えている

(街の個性は、暮らしの中の伝統文化と無関係ではない)

もちろん、都市の文化を支えるのは老舗だけではないが、

欧米化でもなければ東京化でもないその街独自の都市文化を育てようと考えた場合、

中心市街地にも老舗という固有の独自文化があることを忘れてはならない。

(それを支えるのは市民である)

現在の市民にとって、街は単に飲食・買物するだけの場ではない!

自らの生活の質を向上させる都市空間を好み、そこに時間と消費を集中

「モノ」から「ココロ」へと消費者の関心が移る中、

都心再生は

消費者の心を如何に捉えるかに日々苦心、専心する元気な事業者を如何に伸ばすかによって決まるのではないか???


だが、、、

実際、多くの地方都市では、都心の空洞化にもかかわらず、未だに郊外開発を進めている

(郊外道路整備のための沿道区画整理事業も継続・・・)

製造業が撤退し、住宅需要も落ち込んでいる中で郊外を開発すれば、そこには大型小売店舗とロードサイド店だけが出店する。

農地だった場所の地価は確実に上がるが、しかし都心の地価はますます下がってしまう。

「地価の総和」は、もともと都心の方が圧倒的に大きい為、郊外で多少地価が上がっても、都心で下がった分を補填しきれないから、自治体の固定資産税収は減少していく

なので・・・・・・・・

中心市街地の地価が高ければ、その周辺の地価も引き上げられる。。。。

逆に、郊外化=都市周辺部に地価の高いところが数箇所でき、その影響が中心市街地の地価を下げると、都市全体では小さな円錐形がいくつも並ぶ形となり、結果的に円錐の体積の和、つまり「地価の総和」を小さくさせる

まず、こうして固定資産税が減少していく。

次に、償却資産である建物は、都市を経るごとに減額(経年減額率による減価償却)されるため、新規建築投資が起こらないまま放置すると、その減少は止まらない。。。。

また、郊外店舗で事業収入が上がり、雇用が増えたとしても、それは僅か。。

大型店・大手小売業は生産効率性が非常に高く、雇用は最小限・・・・・・・

都心衰退で喪失する法人・個人住民税の減少額を補填しきれない?

でも・・・・

郊外の地権者は土地売上代金が入るので、地方財政と都市経済の衰退に悪影響を与えることなど知らずに、目先の利益に飛びつく。

自宅近傍における開発により、地価が僅かでも上がれば納税負担額が増えるので、その補填の為にはどんな土地利用でも飛びつかざるを得ない苦しい現実

一方、都心の地権者の納税額は(郊外化に伴う都心の地価下落により)減るが、

それ以前に、都心に持っている自分の土地からの収益も目減りしている為、駅前だろうとも都心だろうとも構わずに「安全な経営」を目指し、駐車場であっても風俗店であっても、当面(目先)の収益を図ろうとする

誰もが、「自分は損をしない」ので、『負のスパイラル』を止めようとしない

(結果、みんなが不利益を被る???)

こうして、地域経済の持続的発展は大きく損なわれ、自治体財政は悪化

その都市と周辺地域の経済が発展する機会を奪い、自治体財政を圧迫

なお悪いことに、地方都市の郊外や都心の地主が得た利益は、地元では運用できない(投資に見合う運用先が無い)為に、その投資先を東京に移している。。。

(東京都心の再開発ビルや高層マンションに地方資産家の資金が流入?)

なるほど。。。。地方が衰退するわけだ・・・・・・・・







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■■宗田好史著

「中心市街地の創造力 暮らしの変化をとらえた再生への道」
(学芸出版社)
【体裁】A5判・296頁
【価格】定価3360円(本体3200円)
【発行】2007.12.30発行
【内容】-------------------------
中心市街地はなぜ衰退したのか。都心が硬直し、消費者の変化に敏感な新しい
起業者の参入を許さなかったからではないか。本書はまず市民の変化を消費、
家族、労働の面から捉え、次に都心再生への端緒を掴んだ京都を事例に、街が
どう呼応したかを見た。商店街救済や再開発ではなく、市民の創造性を活かす
都心への大転換を提言。
【情報提供者】学芸出版社