街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・・・9/更新版
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福島県田村郡三春町字大町・・・・・本ブログ管理者2009.01.14撮影
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写真(左)(下):「ホテル八文字屋」「お食事処ほうろく亭」現況
本ブログ管理者自ら現地へ出向き2007.10.13撮影
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写真(右):「宇野澤酒店」現況
本ブログ管理者自ら現地へ出向き2007.10.13撮影
(本ブログ内「三春」関連記事↓)
■街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・1
■街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・2
■街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・3/南町高齢者住宅
■街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・4/みはる壱番館
■街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・5/三春交流館「まほら」
■街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・6
■街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・7/蔵のカフェ
■街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・8/職人横丁
■街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・9
■街並み修景+公共施設の集中配置で既成市街地を再整備【福島県三春町】・・・10/ヨークベニマル(新)三春店
さて、
前回までお伝えしてきました部分と若干内容が重複いたしますが・・・・・・・・
福島県田村郡三春町大町地区は、
国道288号及び県道飯野三春石川線に接する三春の中心商店街でありますが、、
三春町では、
国土交通省の事業であるHOPE計画「地域住宅計画」を昭和58年(1983年)全国に先駆けて受け、
それ以来様々なまちづくりを行ってくる中で、
逸早く「景観」について取り組むようになりました。
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平成2年(1990年)には色々と検討を重ね、
「美しい町をつくる三春町景観条例」を施行し、同時に「景観審査会」、
”これは
施主、設計者または施工者と景観審査委員(専門家、町民代表数名)が
同じテーブルについて、その計画について話し合う場”
をその都度開いて建物を建てる。
つまり町民も参加しての地域景観を考えたまちづくりを実践してきました。
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その結果として、現在のまちなみが形成されております。
ここに至るまでに約25年の歳月が経過いたしました。
(参考資料↓)
―まとめ―
(本ブログ内先行記事において)ゼンリン住宅地図の年次(経年)比較考察により、得られた知見の「まとめ」は以下の通りであります。
【1】
福島県田村郡三春町大町地区における「修景まちづくり事業」は、
周辺一帯における「小城下町」的な歴史的要素を強調し、
都市観光の舞台としての街並み景観・街路整備事業を進めてきたが、
それと同時並行で、
定住機能(中心市街地居住機能)強化政策
(例・「みはる壱番館」住居棟、南町高齢者住宅)
および
公共施設の中心街集中配置を実施することで、
単なる観光商店街には立地する機会の乏しい
「美容(ファッション)」系業種の新規参入をも促した。
(例・「みはる壱番館」商業施設棟、南町高齢者住宅右隣)
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しかしながら、
中心市街地内における居住機能強化政策の「目玉」となっている、
「みはる壱番館(住居棟)」については、
家賃等の問題から(高所得の単身者居住が目立つ状況?であり)、
実際の「生活感に乏しい(街の賑わいに寄与しているとは思えない)」
という厳しい指摘も地元住民・商業者の間から沸きあがっているのも事実である。
↑クリックすると画像が拡大!☆
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図:三春町中心部における公共施設の集積(1996年)
出典:
山川 充男
「大型店立地と商店街再構築:地方都市中心市街地の再生に向けて」
2004年 八朔社 p.210
ISBN:4-86014-024-9
【2】
ご当地では、
とくに、表通りに関しては、
三春町景観条例により景観誘導し
魅力ある個店が連なる商店街として整備が進んでおり、
(例えば)
歩道の御影石仕上げや電線地中化等の景観整備がされている。
(また)
屋根を街路に面して平入りに揃えることにより、
家並みの連担牲を強調し商店街の統一を図っている。
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さらに、
「表通り」の整備と同時並行で、
住宅や蔵が面する
裏道(路地・横丁軸)も整備し、
これに小公園等を
有機的にむすびつけて回遊性を高める政策を実施してきた。
(例・・・「磐州通り」「職人横丁」)
【3】
もちろん、
ご当地オリジナルの特産品(地場産品・土産品・名物)等を売り込む努力
および「おもてなし」の心=人材の育成、
すなわちソフト面の強化も、ハード面の整備と同時並行で実施している。
(例・・・「三春壱番館」商業施設棟、
ホテル八文字屋・お食事処ほうろく亭、宇野澤酒店)
*本記事冒頭写真参照↑
↑クリックすると画像が拡大!☆
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ゼンリン住宅地図(2006年福島県三春町)1:1500×45%・・・・
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福島県田村郡三春町「名物」の、三角油揚げを、
自宅にて調理し、ご飯の「おかず」として、食卓に乗せたイメージ。。。。。。
(本ブログ管理者自ら調理・撮影・実食)
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1988年以降、以上のような経過で、
福島県田村郡三春町大町地区の「修景まちづくり」は、
単なる「商業振興」という観点からではなく、
もっと大きな視点・・・・・「市街地整備(既成市街地における再整備)」という観点から街づくりに取り組んできました。
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三春町における街づくり事業の特徴は、
市街地を単に商業集積として位置づけるのではなく、
生活のあらゆる面で町民が豊かさを感じられることを目標としつつ、
商業施設を「(町民が豊かさを感じる)要素の1つとして位置づけていることです。
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具体的には、
景観づくりや交流拠点づくりを全面(前面?)に出し、
中心部に公共施設を集積させる取り組みを行っています。
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町の中心部集積させられた公共施設の内容を見ると、
町内の児童から高齢者までが町中(街なか)で居住しながら集うことができ、
しかも、
町外からの訪問者を町中に導入することを考慮した設計を試みています。
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もちろん、
既に沿道建築物が密集・連担している中心(既成)市街地内において、
広範囲な用地買収を伴う道路拡幅・新設整備を兼ねた再開発は、
何も無い土地に道路や公共施設をつくるのとは違って、
格段に厳しい条件や問題を抱えています。
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しかしながら、
(このような悪条件の中で)
三春町において市街地再開発型で
(町内居住者・町外来訪者双方にとって)
魅力的な市街地形成を中心市街地内に実現できれば、
同種取り組みを模索する他地域における良き参考事例になるものと思われます。
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