NOTE<気になった本>・・・宗田好史著「中心市街地の創造力」(11・文化産業を生む小都市) | ゆるポタで心リセット“おれ野_お散歩日記”by_✡CAMMIYA…ちょいマニアックで開運

NOTE<気になった本>・・・宗田好史著「中心市街地の創造力」(11・文化産業を生む小都市)

山形041118058 ←古いことが「お洒落?」
                              (旧県庁で結婚式★♪)

*                              山形県山形市の事例

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【27】「ハコモノ」「受身」からの脱却

(pp..159-163)

市民の音楽文化を涵養するために、

公立のコンサートホールが必要だという「ハコモノ整備」には限界があることは、今となっては皆知っている。。。。

(なぜなら・・・・・)

そのホールは立派過ぎて、かなり集客できるコンサートでなければ採算が取れず、地元ピアノ教室やバレエ教室における発表会の会場としては使えない

(1年に1回の発表会の費用としては、生徒の親から総額ウン百万円ものお金を集金するのは至難の業・・・・・)

「ハコ」が大きすぎて使えない。。。。

(立派なホールほどローカルなフアンにも音楽教師にも手が届き難い)



文化的積層性」とは・・・・・

1人のピアノ教師が生活するためには最低25人の生徒が必要らしい。。。

(生徒は入れ替わるので、100世帯以上のピアノ普及が必要)

1人のバイオリン教師が生存する為には、

        1万人以上のクラッシク音楽フアンがいても不十分?

・子供の上昇志向が失せた現在、地方都市のプロ音楽家の生存が危機?

・音大卒が多過ぎ、僅かな生徒を奪い合い、1人も生活できない?

  ↓

ましてや、プロのオーケストラを養うことの出来る都市に成長するためには、

                        どれだけの人口が必要か????



本当に必要な公立の文化ホール」とは・・・・・

地方都市が海外や東京の優れた芸術家を受け入れるだけでなく、

独自の文化を発信する為には

東京並みに整った受け入れ装置としての立派なコンサートホールは不要であり、

むしろ、(大きなホールではなく)

小さなホールが必要ではないのか?

安い会場使用料で、安いチケットの文化的イベントが必要

マクドナルドのハンバーガーの価格が、都市と地方で違うように、

地方では芸術家もそのフアンも少ないのだから

小さな会場が必要ではないか?

(何も、必ずしもコンサートホールである必要は無く、

                    余っている「空き町家」で良い?)

    ↓

<例・・・京都市>

・「楽町楽家」という町家を活用したコンサートや展覧会を毎年2~3月開催

(ジェーン・ジェイコブスの名言「新しいアイディアには古い建物が必要だ」を実践)

・社寺を活用したイベントなど・・・・・

(↓京都・仁和寺の事例)

↑どんな楽器でも、

  その建物の音響効果に合わせて演奏家が工夫してくれる?



日本の地方都市全体として言えること・・・・

形から入る日本人の悪癖(?)で、

先にホールを造ってしまい、コンサートが開き難くなっているのでは?

地方では、

その街の規模に合わない文化施設が街の文化活動を阻害してる?

(その街の規模に合わない広大な規模の中心市街地と

                        再開発ビルが商業活動を阻害?)

人口も経済も縮小に向かう中、ダウンサイジングが必要では?

文化は「人(=人間の精神活動)」に宿る・・・モノには宿らない

=人口が少なければ、その街の文化は小さい

(無理に大きくする必要は無い!)

文化は大きな器に掬い取るものではなく

小さな蕾から大きく育てていくもの・・・・・・





【28】文化産業を生む小都市

(pp..163-167)

欧米の多くの地方都市は・・・・

1980~1990年代にかけて「文化的創造性」で再生。。。。

(それに引き換え・・・・)

日本の地方都市の状況は悪化するばかり・・・・

権威主義的で時代遅れ?な一部の文化人のアドバイスを受けることで

創造的な若いエネルギーを育てず。。。。

(結果として、、、)

若者も、その文化的エネルギーも街から流出。。。

文化的には「植民地状態」

東京の有名オーケストラの演奏会や著名アーチストの展覧会を開くのに相応しい殿堂を建ててありがたがっている?

「支配されている」自覚も無く、

その街における文化的消費は流出する一方。。。

地域の自立ある発展は、「文化の自立」なくしては成立しない

 :

現在の世界都市の繁栄から取り残されている

その街の住民・市民に蓄えられた

膨大なクリエイティブなエネルギーを活用・・・・・

ローカルな価値」を持つ人を発掘し、その価値を高める

(脱・グローバススタンダード)(脱・東京スタイル)


京都や金沢のような洗練された「文化的優位」な街でなくとも、、、

「田舎臭さ」の中に輝く個性を探し

その意味を深めることから魅力が生まれてくる(?)

また、街並みがあるからといって、

単にその形を再現すればよいというものでもない。。。

町並み保存を教育委員会(だけ)に任せてしまうと、

文化財専門家だけが好む、味気ない博物館のような街ができる

(結果として、街並みが保存されても過疎化が進行・・・・)

 ↓

そんな保存には、根本的に欠陥がある!

文化的価値は、街並みではなく、そこに暮らす人々にある


文化遺産は多くの場合、美術工芸品や建造物、街並み(町並み)など

「物的」なものが目に付きやすい。

(「新しい文化財」である景観についても、その「形」に特色を見ようとする)

だが・・・

文化は人に宿るものであって、モノには宿らない

その街の現代に暮らす人々が、

自らの「記憶」の中にその家族と地域社会の想い出を呼び覚まし、

その機会を重ねることで、モノが精神的意味を持ち始める。。。。


次世代による文化遺産の積極的な活用があって初めて、

                      都市は文化的に自立。。。

中心市街地はその街の文化遺産が集積した場

その街の「記憶」を持つ人々が集う場

 ↓

次世代の芽を摘む前に、適切な「世代交代」が必要では??



<商業者の役割>

単なるモノでしかない商品に文化的な価値を付ける街の「主人公」

美しいショウウインドーで飾る日々の作業から店づくりが始まる)

彼らの創造性があってはじめてその街の文化は現代的価値を持つ

<行政の役割>

商業者の創意工夫を活かす街並み、都市デザインを整備

商業者を活かす交通政策への投資

文化・景観・商業と観光、教育や福祉政策とも連携した総合的政策で支援

<市民の役割>

街に出掛け、イベントに参加し、応援

<マスコミの役割>

商業者を積極的に登場させ、商業者の個性を育てることに寄与

美しくショウウインドーを飾る努力を

都心全体に広げてゆくための

(大手小売商業チェーンに対抗した)創造性のチェーン」が必要。。。。

この支援策の1つとしての「街並み整備」

街並み整備は

経済効果を生まなければ

都市政策ではない!!

投資は事業を通じて確実に回収されなければならない・・・・・

(そこから再投資が生まれ、持続的経営が成立する)

★だから・・・

単なる「歴史的に厳密に再現する文化財としての街並み」であるだけでなく、

「古いことがお洒落に見えるような

    街並みと町家の再生」が必要!!

流通構造のニッチ狙いのために個別化した事業者が集まる街並みとは、

適度な個性を持った建物が、それぞれの個性を主張しながらも

 全体として調和を保ち、美しさが感じられる」ような街並み。。。。。

古い町並みや工場跡などの産業遺産を多く持つ街は創造都市になりやすい?



<地域資源を活かすということとは?・・・>

歴史的建造物や産業遺産は、

先ず、それに絶える事のない愛着を感じ続ける地元の市民が居る

その愛着に沿うように、そして・・・・

 人々に受け入れられる新しくお洒落なセンスで活用しつつ

 新たなビジネスをはじめる事業者が居る

②で、初めて本来の魅力を取り戻す

(この①+②の連続性を再生することこそ、地域資源を活かすこと)



人々に受け入れられるお洒落なセンスとは?・・>

社会の変化を十分に踏まえて、

「一歩だけ前に踏み出した」新しい暮らしの提案

サービス化・女性化に対応した都心の町並みとは、

1人暮らしの現代人や女性たちが想像する、

「近未来の都市型生活」を提案するものでなければならない。。。。。



<「お洒落な町並み(街並み)」とは?・・・・>

その価値が解る人がお洒落に見える背景。。。。

人々が憧れるお洒落な暮らしを実感させるために

「お洒落な街並み」が必要だ!






中心市街地の創造力/宗田 好史
¥3,360
Amazon.co.jp



■■宗田好史著

「中心市街地の創造力 暮らしの変化をとらえた再生への道」
(学芸出版社)
【体裁】A5判・296頁
【価格】定価3360円(本体3200円)
【発行】2007.12.30発行
【内容】-------------------------
中心市街地はなぜ衰退したのか。都心が硬直し、消費者の変化に敏感な新しい
起業者の参入を許さなかったからではないか。本書はまず市民の変化を消費、
家族、労働の面から捉え、次に都心再生への端緒を掴んだ京都を事例に、街が
どう呼応したかを見た。商店街救済や再開発ではなく、市民の創造性を活かす
都心への大転換を提言。
【情報提供者】学芸出版社







次回以降

に続く・・・・