NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(2・業種別編②)
朝霞市役所近くに出店している大きなスポーツ洋品店は、区画整理で造られた広幅員道路が十字交差する場所の近くに立地。。。
(埼玉県朝霞市溝沼にて本ブログ管理者2009.12.06撮影)
【書誌情報】
山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」誠文堂新光社1981年
(ISBN4-416-78100-8/NDC671)278頁
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■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(30・補論編⑨)
(p.226)
スポーツ用品店の商業立地
・背景人口5500人/最寄店購入比率約30%
・購買理由/ブランド、品質
(固定客が8割…地元客から指名されてはじめて繁盛店に育っていく)
・近隣型の商品構成比/野球50%、テニス10%、シューズ・ウエア40%
(店主は地域の中のスポーツクラブと仲良しになったり、自分の専門分野で技術指導や、教育委員会のスポーツ指導員を兼ねたりしている例が散見される)
・近隣型のスポーツ用品店は苦戦
・売上坪効率/298万円
(努力の割には粗利益率が低い…近隣型では投資を控える)
・農村の多いところは卓球洋品、スポーツウエア(作業衣を兼ねている)が主力
・新興住宅地の中では少年野球洋品とママさんテニス用品
・中年層の多い立地ではジョギング用品が売れ筋
・高校のある立地は有望
(できるだけ高校生の通る道筋に立地)
・客層が若いので新道や国道沿いか、それと町の中の道路とが接続する場所が良い
(必ずしも商店街の真ん中にある必要はない)
・子育て中の主婦の多い地区は不利
(子育ての終わった主婦はテニスなどを始めるようになるので、そのような主婦の多い経年団地が後背地にある駅前などは、努力は必要だが繁盛しやすい)
・中小商店ではその専門領域の濃さを追求
(スポーツクラブやスポーツセンター等のあるところは安定した売上)
↓
・最も良い立地は地域中心型
(大型専門店化/テニスの専門店、野球シューズの専門店など店を分割して、テニスの客と野球の客が店内でぶつからないように工夫する必要がある…客層、感覚が全く違う)
・広域型は専門店化/野球専門、テニス専門、スポーツシューズ、あるいは武道専門などに分化
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(p.228)
CD・楽器店の商業立地
・背景人口13929人/最寄店購入比率約30%
・購買理由/品揃え豊富、接客
・固定客比率50%
・売上坪効率/519万円
・近隣型の商品構成/CD・DVD80%、楽器・楽譜20%
(店主の感覚が品揃えに影響し、自分の好みを入れて若い客層を逃してしまっている例を散見する)
・地区中心型の駅前…通勤通学の集結地点立地が良い
(売り場面積4坪でも成立)
・地域中心型は大型総合化/1階にCD/DVD、2階に音楽教室等
・広域型/音楽科目のある大学の近くであれば、楽譜の売り場を広く取る。男性の多い大学の近くでは管楽器、弦楽器、打楽器等を多くし、シンセサイザーも取り扱う等
↓
・地下街は流動客が多い/ヒット曲中心
・スーパーの中ではニューファミリー、主婦層が多いので子供向け中心
・国道筋は男性好み
・大きな商圏人口が必要な業種なので、近くに競合店がある立地はNG!
郊外の広大な土地(旧国鉄貨物操車場跡)に出店したIKEA新三郷
:
埼玉県三郷市新三郷ららシティ2丁目にて本ブログ管理者2008.11.22撮影
(p.230)
インテリア家具店の商業立地
・背景人口4606人/最寄店購入比率約20%
(坪効率の悪い業種)
・地区中心型の商品構成比/カーペット50%、カーテン40%、小物10%
・購買理由/品揃え豊富、品質、値段
・売上坪効率/92万円
・近隣型家具店の売上構成比/収納家具等スキ間家具80%、カーテン・カーペット20%…従業員1人でやっと成立する規模
(畳店・建具店・荒物店が商売の延長で家具を扱って不振の例を散見する)
・住宅地の近隣商業地における成功例/カーペット、カーテンの工事専門店
(店売りというよりは商品展示兼事務所)
・近隣型商店街では、店売り部門を独立させて、売り場を広くしてカーペットの展示と施工、カーテンの展示と施工技術を持っており、加工注文のニーズにもこたえている店の業績が良い
↓
・地区中心型も近隣型と同様だが、カーペット・カーテン部門はビルの2階でも採算が取れる…1階は学童机や台所用品の品揃えを充実
・木造家屋の小さな密集住宅の多いところは、大型家具やカーペットは不振で、小物の収納家具が売れる
・マンションができると、カーテンとカーペットの工事付き需要や、センスの良い木製家具が求められる
・賃貸団地では小物中心
・1戸建て分譲地では高級なものが求められる
(所得の高さにも大きく左右される)
・地域中心型が成長立地…郊外に大型専門店をつくって車客を吸収/ベット・応接セットなどを中心に最高級の商品コーナーを作って最高のムードで生活提案
・新世帯、新興住宅地などの地域中心型では、結婚家具の需要が多い
・広域型のデパート等では高級化、高額化をいっそう強め、高所得者に対象を絞って坪効率を高める
・ジュニアデパート等は北欧輸入家具を取り扱い、資産家のヤングミセスに焦点を合わせる
(一般の家具店が広域型で存在する道は狭くなる一方→郊外の新天地を求めることを筆者は推奨)
- ミニ洗濯機 「たまごランドリー」 TU-450/スリーアップ
- ¥10,500
- Amazon.co.jp
(p.232)
家電店の商業立地
・背景人口1664人/最寄店購入比率約70%
・近隣型の商品構成比/TV・音響40%、電動器具35%、電気器具25%
・固定客比率/50~80%
・売上坪効率/369万円
・購買理由/機能性、品質、アフターサービス、値段
・新興住宅地の近隣型では新規需要が多い
・旧住宅地立地では買い替え需要…テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機
(アフターサービスに熱意を持たないと食い込めない業種)
・アパートや賃貸団地の多い立地は地元歩留まり率が悪い
・1戸建ての立地は特定家電店を決めて信頼した関係を築け易い
↓
・地域中心型はショッピングセンターのテナントとして、また、その近くで大型家電専門チェーンとして支店政策を展開
・広域型家電店は、電気街などに集結した立地が集客力で相乗効果を上げている/また独立店として大型家電総合デパートをつくり、その豊富さで成功
(大型化、総合化、専門化…狭い売り場、孤立した立地での売上UPは困難)
↑
大人も買う玩具(「ホビー」と称するジャンルに属す)・・・
(p.234)
玩具店の商業立地
・背景人口7142人/最寄店購入比率約60%
・近隣型の商品構成比/子供玩具70%(うち男児60%、女児10%、教育玩具10%、マスコミ玩具20%)、ホビー20%、人形10%
・購買理由/品揃え豊富、接客
・売上坪効率/197万円
・住宅地で商店数が20店以下の商店街や、商店が分散している立地はNG!
(敢えて出店する場合は、文房具を一緒に取り扱うなどして売上の不足分をカバーすることが必要)
・近隣型はニューファミリーの多い住宅地を背景に、30店以上の近隣商店街が形成されている立地が良い
(近隣型玩具店の成立には80人~100人/日の買上客が必要)
・地区中心型は教育玩具の取り扱いが多い、またはプラモデルの専門店で男児の客を中心に商圏拡大
(地区中心型の場合は、スーパーがマスコミ玩具やプラモデル玩具を取り扱っているので差別化が必要)
・地域中心型では特化した専門店化…プラモデル、模型の専門店は男子が90%でほとんどが固定客
(模型も鉄道、帆船、飛行機と分化され、ラジコン付きとなり、商品もパーツを含めて輸入品を取り扱う→部品の豊富さは、さながら小工場、小修理工場ショールームといった趣で、大人の客が多くなるので店内は閉鎖的にするなど特別な工夫が必要)
(女性のドライバー客も増えている…女性向け模型の取り扱い/車の停められる商店街がベストな立地)
・駅前や大型店前立地でニューファミリーが多いところでは、子供中心の玩具…子供の教材としての玩具を店の特徴とする
(店舗から奥に向かって低いほうから年齢順でレイアウト)
・広域型では小さな子供たちが少なく、子供向けはお土産品的に買われる程度…若者に合わせて手づくり玩具、模型、理科教材玩具、高級人形、大人のゲーム用品などで専門化を図り坪効率を上げる