NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(8・立地別編①)
分散性近隣型商業立地というのは、
商店が分散している状態で最も多い立地であるが、その特性を商売の上で生かしきっていない店が多いそうだ。。。
(写真は埼玉県朝霞市の事例 ■本ブログ内関連記事参照 )
【書誌情報】
山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」誠文堂新光社1981年
(ISBN4-416-78100-8/NDC671)278頁
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■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(25・補論編④)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(26・補論編⑤)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(27・補論編⑥)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(28・補論編⑦)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(29・補論編⑧)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(30・補論編⑨)
(p.76)
分散性近隣型商業立地
・地方の町村、市の町丁目などに点在し、小商圏を経営の基盤として便宜的サービスを提供する商業立地形態
・店舗は住宅に近接して分散
(出店例/売場面積300㎡前後のストア)
:
【立地特性】
・商圏範囲/(都市)半径300~500m、(郊外)700~1000m、(農村)集落単位
・商圏人口/1万人以下
・来街手段/徒歩80~90%、農村部はバイクなど
・客層/近隣の主婦子供老人、地元客95%固定客80%
・通行量/平日2~3000人以下、底辺横ばい、日曜休業
・背景人口1000世帯(2000~3000人)
:
【購買特性】
・購買頻度/毎日~1・2日毎
・購買動機/近くて便利、親しいから(店主と知人)、信用がある、アフターサービス
・購買欲求/生活条件の欲求
・購入商品/実用品当用品、生活必需品
:
【商業地の商業機能】
・商業形態/ストア、生業的商店、分散的商店、小規模性
・業種構成/最寄品店30%、買回品店20%、飲食サービス店30%、他20%
・街区形成/商店が点で分散
・総店舗数/30店以下
・商業の雰囲気/商店と客との親近感、風通しの良い対話
・施設/街路灯、参道設置、のぼり
・イベント/子供中心の夜店、草花市など
:
【適応業態/併売店の品揃えが安定】
・小スーパー
・コンビニエンスストア
・精肉店
・鮮魚店
・青果店
・一般食料品店
・文具玩具店
・酒販店
・米店
・薬、化粧品店
・家電店
・実用衣料品店
・クリーニング店
・理美容店
・すし店
・そば、定食店
:
【適応商法/固定客との関係を緊密化】
・配達、御用聞き
・修理アフターサービス
・親近感、開放的な対話
集結性近隣型商業立地は、
近隣型商業が30店以上集結して商業地を形成するもので、近隣の主婦などを強力に集客する力を持っている。
そこには日商の大きな店があり、例えば青果中心の店で日商50万円とか100万円というのも珍しくなく、安さと高鮮度とを売る店が伸びているそうだ…
(写真は東京都板橋区の事例 ■本ブログ内関連記事参照 )
(p.78)
集結性近隣型商業立地
・居住人口の集積が大で、最寄品中心の商店街が集結して形成されており、最寄商品の比較選択(品種、値段、鮮度)が良くなる
・1次商圏の生鮮食品の集客力が高まり、他の業種に波及する
(出店例/売場面積1500㎡以下のスーパー)
:
【立地特性】
・商圏範囲/半径1000~1500m
・商圏人口/2~3万人以下
・来街手段/徒歩70~80%、自転車20%、自家用車バイク10%
・客層/30代中心の行動的主婦パート主婦、地元客90%固定客80%
・通行量/平日5000~8000人、ピーク時16~18時(日曜漸減)
:
【購買特性】
・購買頻度/週2~3回
・購買動機/近くて便利、親しい、安い、鮮度
・購買欲求/生活の合理化
・購入商品/実用品当用品、普及品徳用品、CM宣伝商品
:
【商業地の商業機能】
・商業形態/市場、寄合店舗、最寄品商店、中堅スーパー
・業種構成/最寄品店40%、買回品店20%、飲食サービス店30%、他10%
・街区形成/道路沿線に長く形成、T字型
・総店舗数/30~80店
・商業の雰囲気/活発な呼びかけ、賑やかさ、泥臭い人間性
・施設/街路灯、アーチ、自転車置場、アーケード、共同便所、案内板、放送
・イベント/主婦中心の朝市、産地直売など
:
【適応業態/食料品店の坪効率が高い】
・複数の食料品店(各店非競合で共存)
:
【適応商法/生活合理化欲求に対応】
・青果における「旬」のモノ大量仕入れ
・当日売り切りのディスカウント商法
町村(農村)型商業立地の特徴
人口1万人の町における業種構成比
:
・食料品店29.4%
・酒販店12.7%
・衣料品店7.9%
・家具店2.4%
・オートバイ自転車店3.2%
・畳店3.2%
・魚店10.3%
・ガソリンスタンド2.4%
・牛乳店2.4%
・石材店0.8%
・農機具店2.4%
・肥料店1.6%
・時計メガネ店1.6%
・薬店2.4%
・靴店1.6%
・電気店3.2%
・雑貨店4.8%
・新聞販売所0.8%
・米店1.6%
・喫茶店2.4%
・プロパンガス1.6%
・建材店1.6%
:
合計126店が典型的パターン?
↓
最寄品は同業過多、買回品は共存共栄?
ファーストフードの寿司や惣菜などの店が増加
婦人服、チェーン化粧品、特級洋酒、レストラン等の高級化路線が成長?
「消費傾向は都市化」
↓
その客の為に
最も素晴らしい商品だけを
大事そうに見せてくれる
厳選された良い品物だけを適宜売っていくことが必要
人口が少ないから安かろう悪かろうの商品を売るのではなく良い物を売る
(ちなみに写真地区と数値は不一致 ■本ブログ内関連記事参照 )
近隣商店街における業種の傾向
1、生活のコンビニエンス化に対応
(コインランドリー、1000円カット等)
(出来合い・半加工品、手作り→すぐ使える、すぐ食べられる)
2、身近な生活空間や自分自身の趣味などをエンジョイできる業種
3、カルチャー的臭いのする業種
(小家族・共働きを前提とした合理的・文化的日常生活の提案)
:
近隣型で成功しそう?な業種
1、飲食店
(コーヒーハウス、ファーストフード、ファミリーレストラン等)
2、惣菜店
(ご飯と一緒におかずとして食べる惣菜ではなく、パンにも合う惣菜)
3、ファッション店
(文化的生活、カジュアルな生活の提案)
・インストアベーカリー
・ジーンズショップ
・カジュアルショップ
・ブティック
・ファンデーション
・チャイルドショップ
・園芸店
・DIY
・ホビーショップ
・スポーツショップ(テニス、ジョギング等)
・高級既製服(プレタポルテ)
・手芸店
・熱帯魚店
・インテリア店
・フラワーショップ
・ファッション雑貨店
・CD,DVD店
・照明、家庭用電気店
・有名化粧品販売店
4、コンビニエンスストア
(ディスカウントのミニスーパーも含む)
↓
生活の簡便性、かつファッション性
付加価値路線か?
OR
ディスカウント路線か?
選択が求められている・・・・・