NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(9・立地別編②)
団地の商売は、客層が戦後生まれのニューファミリーが多く、購買態度は流動的で、団地人口も限られているので簡単ではないらしい、、、
(客層が固定化しているので、このニーズの特色をつかめば繁盛?)
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埼玉県朝霞市朝志ヶ丘にて本ブログ管理者2010.02.15撮影
【書誌情報】
山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」誠文堂新光社1981年
(ISBN4-416-78100-8/NDC671)278頁
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■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(25・補論編④)
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■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(28・補論編⑦)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(29・補論編⑧)
■「NOTE/山下勇吉著「商業立地のチェックポイント120」…(30・補論編⑨)
(p.92)
団地型商業立地
・客層は団地客が90%近く?(そのうち90%が顔なじみの固定客?)
・客の9割は女性?(30歳代が6割近く?)
・育ち盛りの子供を持ち、養育費は思い切ってかけ、月に1度はファミレス?
・しかし主人の給料は安く、買物は小単位、小単価
(マスコミ品、普及品→合理的、実用的な便宜的購入の需要が主体)
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1日の通行量特性
・11~12時に1回の小さな山
・次は午後4時から6時までがピーク(夕飯の買物をする子連れ主婦)
・日曜日は家族連れ(平日より賑わう?)
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業種特性
・500㎡くらいの安い食品スーパーが核店舗
・その両脇に酒販店、惣菜店、青果店、精肉店、鮮魚店、茶店、家庭用品店、薬・化粧品店、靴はきもの店、婦人子供服店、雑誌玩具文具店、寝装インテリア店、すし店、喫茶スナック店、クリーニング店、理容室など、、、
(専門店よりも総合的、多角的な品揃え)
(居住人口1万人以上だとショッピングセンター化)
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市場調査のポイント
・団地は一戸建てか?、マンション方式か?
・分譲か?、賃貸か?
・間取りと広さは?
・建設されてから何年経過しているか?
・出身県はどこが多いか?
・世帯人員はどのくらいか?
・主婦のパートや留守の割合は?
・自家用車の普及率は?
・所得水準は?
・通勤先は?
・ご主人の職業や地位は、どんなタイプが多いのか?
↓
(例)
・関西出身者が多く住む団地=良質の牛肉が売れる
・東北出身者が多く住む団地=漬物と塩干魚が売れる
・高級団地=果実やお茶、ステーキ用の肉、高級化粧品が売れる
・賃貸住宅の団地=1~2年で入居者入替→固定客にならず家電店が苦戦
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今後のニーズ→「(自分で)作る」?
・クラフト、人形、織物、パッチワーク、刺繍、彫金、造花、園芸、モザイク、DIY、縫いぐるみ、アクセサリー、編み物等?、、、
↑
20年以上経過した公営アパートや住宅のある商業立地は変革期
・住民は両親が中高老齢化
・子供は高学年かサラリーマン化
・付近の建物はスクラップアンドビルドでマンションへ建て替え
(旧の中に新が入りはじめる、、、)
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東京都板橋区赤塚新町にて本ブログ管理者2010.11.12撮影
(p.94)
公営アパートのある近隣型商業立地
・私鉄駅の後背地に多く、住宅が密集
・公営住宅団地=安価な家賃で、間取りは2DKが多い?
・入居者は自動車を持ち、別に土地家屋を持っている人も居るらしい
・平均世帯人員は2人台
・マンションが増え、結婚しない男女(同棲カップル)、子供を作らない夫婦(1人っ子でやめる夫婦)の世帯の増加
(決して中高年だけの街ではない)
:
人通りの特徴
・40歳代の主婦が多く、これに中学生、高校生、大学生の姿を散見
(持ち帰り寿司、持ち帰り盛り付け弁当、チキンデリカ=40歳代の共働き主婦、パートで働く主婦向けの商材…趣味やスポーツする余裕は無く子供の学費稼ぎ)
・赤ちゃんや子供は少ない=既存店のベビー用品売場は縮小(本ブログ管理者注:カテゴリーキラー系は除く)
・高額商品は売れない=小物中心、実用性と価格志向
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近年見られる業種変化/従来の最寄品商店街に異彩を放つ光景
・ハンバーガーチェーン店、大型書籍店、インストアベーカリー店、コーヒー専門店、CD・CVD店の出現
(高校生、大学生、OL、若いサラリーマン狙い)
↓
「若者」対「主婦」/客数比率7:3?
・従来の台所家庭用金物荒物店→「リビングショップ」化へ転換し小物の部屋飾りのファッションインテリアを陳列、食器もカラフル化し若者客対応
・家電店の店頭では小型冷蔵庫等
・コーヒー専門店のインテリアはブティック風、ヨーロッパ風
・酒販店の売れ筋棚には清酒ワンカップ、ミニ生ダル、ワインを並べる
・化粧品店は資生堂系の価格帯「中の上」クラスがメイン
・医薬品は漢方、家庭薬の一方で、マスコミ品が良く売れるそうだ
大都市の中では中小工場が集結しており、そのあたり一帯が中小工場関係者が居住しているとみられる立地がある。
労働者は近くの民間アパートに居住しているが、このような環境では人口が年間1%ぐらいずつ減少傾向なのだそうだ…
(東京都北区十条仲原にて本ブログ管理者2005年撮影)
(p.96)
中小工場のある近隣型商業立地
・通行客層は近くの主婦が中心…パート帰りなど35~50歳
(サンダル、エプロン、買物かご付き婦人用自転車)
+
・寮やアパート住まいの単身者の若い男女
・業種構成は最寄品中心…「安い」「豊富」「親しみやすい」「買いやすい」
(実用性重視…1円でも安ければそちらの店へ動く)
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【売り方の基本】
・ディスカウント(特売的)
・普及品の大量販売(ボリューム陳列)
・セルフ化(入りやすい)
・呼びかけ、対話、フレンドリー、グッドアドバイス
(気取らない、開放的、刺激的なPOP、客を楽しませる)
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・年輩者が知っている商品が良く売れる
(新しい商品は馴染まない=売れない)
↓
中高年主婦層の「口コミ」で強力に広めることを狙うと成功?
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・「当店は専門店でござい!」的な店は敬遠される
:
【例/インテリア店の販売アイテム】
・小さな家具(収納棚)
・3~4.5畳のカーペット(中の下の普及品)
・バス、トイレ、台所、小部屋のミニチュア家具
・しぶい色彩
↑
大都市の臨海工業地区からは新工業立地を求める企業が転出…
残ったのは工員、下請け関係の家族、職人などで住民も高齢化?
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住まい方は一戸建て半分、借家・アパートが40%
工場転出跡にマンションが建設されている事例が散見される・・・
(p.110)
下請工場のある商業立地
・客層はほとんど主婦
(35歳以下10%、36~45歳50%、46~55歳30%、55歳以上10%)
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【求められている売り方】
・先ず、値段の安さ
(食料品、下着など目に見えないものは非常に安い値段のバーゲン、ディスカウント、「出血!」特売商品を客は求めている)
↓
ディスカウント(目玉)で客を引っ張り自店の主力商品=利益商品を販売
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【成功している店の売り方】
・呉服、婦人服、子供服、電気製品は高級化
(見えない下着や食費は削るが、目に見える部分には金を使う)
・精肉店
(職人は食べ物に金をかける傾向)
・対面販売…夕方4~6時
(“いらっしゃい!”“安いよ!”)
・長時間営業のスーパー
(新興マンションに住む水商売の女性狙い)