⛩【菊と稲荷】留守神様・1:誰も映らない鏡 | 神仏広告代理店

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【菊と稲荷】

【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』

 
 

<あらすじ>

 

『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』 

 

その言葉と共に、六甲山の高取神社で

 

「神様」という存在に、接続してもらった私。

 

 

前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さま

 

子狐眷属の姿も確認できるようになり、

 

奇妙な共同生活(?)が始まっていた。

 

 

 

***

 

 
 
10月14日。
 
三輪惠比須神社の秋季大祭に参列で、三輪に到着した私。
 
 
菊「おー! かっこいい鳥居ができてる!!」
 
 
 
 
この1週間前の10月7日に奉納されたばかりの注連縄鳥居。
 
 
 
 
三輪駅に近い入り口に寄贈された。
 
 
 
菊「……すごいね。八重さま、良かったですね。。」
 
子狐1「柱がツルツル!✨」
 
子狐2「すべっすべ!✨」
 
一同「気持ちいいねーーー✨」
 
 
 
正面に回ると、参列者の受付が進んでいた。
 
祭事のときに飾られる、八重事代主命の神幕。
 
 
 
「奉納」と染め抜かれた大きな三つ葉柏紋。
 
その紫色の神幕がぐるっと拝殿の突き出た部分を包むのが、私は好き。
 
 
 
菊「奉納っていいね……感謝の気持ちが形になったもの。
 
私も神様の御神威が見えるような、立派な奉納できるようにがんばろー♪」
 
 
 
拝殿は大祭モードで、いつもは閉じられている戸が外され、
 
通る風が祭の場を清めていた。
 
 
 
 
向かって右側が氏子・崇敬者の参列席。
 
台風も過ぎて二日目で。
 
連休最後の祝日に、無事にここに立てた事に感謝していた。
 
 
 
「拝殿にお上り下さい」と促され、ときめきながら昇殿。
 
 
 
 
西宮の家を出たらすぐに雨が降ってきて。
 
 
長田神社や美保神社もそうだけど、
 
コトシロヌシ神様のお祭りは、やっぱり雨なんだなあと……思うと笑えてしまった。
 
 
 
三輪に着く頃には雨も止み、曇り空。
 
 
でも宮司さまと神職さまが昇殿されると、外には光が溢れた。
 
 
 
 
たくさんの鳥の声に太鼓が響き、笛の音が重なる中、
 
三輪惠比須神社の秋季大祭が始められた。
 
 
 
 
菊「………」
 
 
 
光、急に溢れたな……
 
 
 
 
 
八重事代主命(以下:八)「光と水がその土地をつくる」
 
 
 
八重さま……来はった。
 
 
 
 
菊「八重さま……も、えびす神さまだから留守神様ですか?
 
留守神様は、寂しくないですか?」
 
 
 
 
留守神。ルスガミ。
 
それは私も去年知ったばかりの言葉。
 
 
 
 
11月は神無月で、日本の神々は出雲に集まる。
 
でも出雲に行かない神もいる。
 
 
 
 
それが ”留守神” ……
 
 
 
 
調べてみると、一般的にえびす神や金毘羅さんが ”留守神” とされている。
 
 
三輪惠比須神社には琴比羅神社もある。
 
 
 
だから、三輪惠比須神社の福神コンビ神様は、揃って ”留守神” なのだなと思った。
 
 
 
 
八「寂しい? 寂しかったらこんなに笑顔じゃないよね(笑)」
 
菊「あ。そうですね」
 
 
 
八「私だけじゃなくて、えびす神はみんな笑顔。
 
ここにいる事が好きだし、楽しい。だから笑顔になる」
 
 
菊「良かった。そうですよね。
 
八重さま、大切にされていらっしゃるから
 
 
 
八重事代主命はにっこりした。
 
 
 
 
八「神というものはね、その土地の "親" のようなものでもあると思うんだ」
 
菊「親? ですか?」
 
 
 
八「そう。親子の親。だから氏子には "子" という字がつくでしょう?」
 
菊「ハイ。あー。親子……」
 
 
 
八「人の世でも親が笑っていると、子たちは安心するよね。
 
逆に、子たちが笑う事が親の喜びでもある。
 
えびす神はずっと動かずにそこに居続けるからこそ、笑っていたいんだ」
 
 
 
 
ジーンとしていると、名前が呼ばれて玉串奉納に。
 
 
実は初めて参列した春の大祭では、呼ばれることを知らされていなかったので💧
 
せっかく本殿の御扉が開いているのに、御神体を拝見する余裕がなくて……💧💧
 
 
 
 
今回はちらっとだけど、御神体の鏡を改めて拝見させて頂いた。
 
 
 
 
そこには普段は外に出されていない三柱の御神体が並んでいて、
 
この三輪の地を、いつもお守り下さっているんだなあ……と感動した。
 
 
 
玉串奉納が終わり、神楽の奉納。
 
舞う二人の巫女の鈴の音が一つに重なり、澄んだ響きが拝殿を包む。
 
 
 
 
菊「……………」
 
 
 
 
いい時間だなあ……
 
 
 
 
「浦安の舞」を見つめていると、
 
八重事代主命の言葉が届いた。
 
 
 
 
八「鏡は前に立つものをそこに映す」
 
 
 
 
八「鏡に映る姿があるとき、神もそこにある」
 
 
 
 
菊「………………」
 
 
 
 
八「そこに映る存在により、また神も存在する」
 
 
 
 
八「逆もまた然り。
 
 
そこに何者も映らなくなった時
 
神という存在も……」
 
 
 
 
 
 
菊「…………………」
 
 
 
 
 
 
御神体にも色々な姿がある。
 
その一つとされる代表的なものが「鏡」
 
 
 
 
鏡は何かを映すためのもの。
 
 
 
映すために「神」として存在している神社の鏡
 
 
 
 
 
菊「そこに何も映らなくなった時……」
 
 
 
 
 
たくさんの者の姿を映した、この大祭の日の
 
三輪惠比須神社の御神体。
 
 
 
 
注連縄鳥居という大きな奉納を受けた後の
 
八重事代主命の言葉だからこそ……
 
 
 
胸の中にそれは響き、何か悲しいものと
 
そしてそれを超えての光もまた……見えた気がした。
 
 

 

 

楽しい直会も終え、授与して頂いた鯛みくじ。

 

 

 

 

春風に 池の水もとけはてて

 

のどけき花の影ぞ うつれる

 

 

 

 

 うつれる。移れる。……映れる。

 

 

「うつれる」という言葉が「鏡」に繋がった。

 

 

 

 

 

氷の張った水面は白くて映らない。

 

 

でもその氷は溶け、そこに花の影が映る。

 

 

 

 

 

菊「花は神様か人なのか。でもなんか……

 

映らなかった鏡にも、花が咲くように映る日が来るから。

 

……だから信じて伝えてって」

 

 

 

 

秋の大祭の日。

 

 

 

 

八重事代主命がそう後押ししてくれた気がして、

 

私は新しい物語を書く事を決めた。

 

 

 

 

《続く》

 

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お知らせです*

 

三輪惠比須神社にて、古代史の鬼才

歴史作家・関裕二先生の講演会が開催されます。

 

★令和元年
11月5日(火)13時より
★御奉賛(参加費)
3,000円
 
 
昇殿参拝後、古代史の里…大和・三輪の地で
謎多き、美しき神の驚愕の真実についてお話し頂きます。
 
菊田も参加して、三輪惠比須神社さまの神様を学びます。
 
 
まだご登場頂いていない神様なので、ここでその御影が掴めたらいいなあ……✨と
楽しみにしています♡
 
 
お申し込み・お問い合わせは、三輪恵比須神社まで*
TEL/FAX  0744-42-6432
 
 
『三輪惠比須神社』さま☆公式フライヤー等、作成させて頂きました。
 
『御影カード』配布しています♪
 

 

女子神職さんのblogはコチラです♪→『三輪恵比須神社 ご神木に♥な女子神職』

 

 
 
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人気記事はコチラです♪
 
 

2018年冬の連載『コトシロヌシ』はコチラです。

 

【菊と稲荷】コトシロヌシ・1:届いたサイン

【菊と稲荷】コトシロヌシ・2:「えびす」という暗号。

【菊と稲荷】コトシロヌシ・3:境界線の神。

【菊と稲荷】コトシロヌシ・4:海底のご神体。

【菊と稲荷】コトシロヌシ・5:美保神社の響き。

【菊と稲荷】コトシロヌシ・6:反響する祈り。

【菊と稲荷】コトシロヌシ・7:大国主の御子神。

【菊と稲荷】コトシロヌシ・8:鶏。

【菊と稲荷】コトシロヌシ・9:神の魂を鎮める『えびす舞』

【菊と稲荷】コトシロヌシ・10:それは神の仕事だから。

【菊と稲荷】コトシロヌシ・11:ゆるぎなき御世の神。

 

 

2019年春の連載『ヒルコノミコト』はコチラです。

 

 
 
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『清高稲荷神社』さま☆『清高稲荷大明神・親善大使』にして頂きました☆
 

 

毎月8日に

清高稲荷社境内・参道のボランティア掃除を実施することになりました♪

 

11月は大祭があるので、次回は12月かな。またお知らせしますね。
お時間、ご予定の合います方は是非ご参加頂ければ幸いです。

集合場所:清高稲荷社境内
開始時間:13:00〜14:00の一時間程度

 

ご参加お待ちしておりますねー

 

 

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清高稲荷大明神blogはコチラです♪→【高野山】〜清高稲荷大明神〜

 
 
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『尼崎えびす神社』さま☆公式ポスター等、作成させて頂きました。
 
 
巫女さんのblogはコチラです♪→『幸せ 尼崎えびす 巫女さん日記』