『税務署の逆襲ババア・ウォーズ3』

大好きな中村うさぎさんの文春エッセイシリーズ。

買い物依存症や、ホスト依存症はすっかり鳴りをひそめ、今やネットで３０００円のワンピースとかを買うのがたのしいという中村さん。しかし依存症時代の膨大な借金と、税金の未払いに苦しむ日々は続く。あのハイになってるときの筆の乗った感じが読めないのさみしい。

…と思ったら、今回も筆が乗る瞬間が！それはタイトルにもあるとおり、税務署とのバトル（笑）。渋谷区役所の人をバカにしたような態度も腹が立つけど、だいたい説明がよくわからん。あと港区役所なんて、オークションにかけるためにブランド品の差し押さえに来るって言うんで、現場に週刊誌の記者を呼んだら、差し押さえせずにすぐ帰ったという（笑）。

マスコミを現場に呼んではいけない法律はないし、差し押さえオークションはあまり知られてないから宣伝になるし、１円でも高く売れたほうがいいとお互いの利害も一致してる。でも区役所は「対象者のプライバシー」の一点張りで拒否。「それは放棄します」といってもダメ。で、しつこく電話で聞いたら「おちょくられたような気がした」って、えー！？そこですか！？？

役所ってどういう原理で動いてんのか疑問なんだけど、ロボットのように融通きかないと思ったら急に人間味を出してくんの、何なんだろう。

だから私は思いました。中村さんの差し押さえ現場、区役所員もエッセイに書いてくんないかな（笑）。いったい役所内でどういう力学がはたらいてそうなったのか、突き合わせて読んだらおもしろそう。ま、対象者が放棄してるって言っても「プライバシーだから」つってやらなさそうだけど。