中村うさぎさんと豪華ゲスト陣の対談集。
買い物依存症のうさぎさんが指名したのは、精神科医や、社会学者や、同じく心の病・依存症のサバイバーたち。
どの人もそれぞれに変でおもしろいんだけど、私がいちばん共感したのは原田宗典さん。原田さんは躁鬱病の経験者で、「全身がだるくて、ここに存在していること自体が嫌」「鬱になると、とにかく何も選べない」「大切なのは〝温かい無関心〟」め、めっちゃわかる…。そして極めつけがこれ。「鬱病を治そうなんて、もう思わない。これは、俺が生きてる間、ずっと抱えて歩く鞄なんだと思うことにしたよ。その鞄が、時々、重くなったり軽くなったりする、それだけなんだ……そう思ったら少し気が楽になったね」私は軽度の鬱、って感じなんだけど、原田さんの言葉にいちいちガクガクうなずいた。
きっとみんな、それぞれ別の名前がついた、面倒くさい鞄を、何の因果か持たせられて生きているのだ。そしてその鞄のバラエティ豊かなこと(笑)。
そうして対談を終え、中村さんがたどり着いた結論は、「私は破滅を選ぶ」。このとき私は思いました、中村さん本人は自覚はないだろうけど、この人は他人の破滅願望まで背負い込んで突っ走る、ある意味キリストのような人じゃないのかと。心の中にある破滅願望を、中村さんに託してる読者って多いのじゃないだろうか。
・『愛と資本主義 』
・『オヤジどもよ!』
・『九頭龍神社殺人事件』
・『女という病』
・『私という病』
・『ゴクドーくん漫遊記』
・『ゴクドーくん漫遊記2』
・『ゴクドーくん漫遊記3』
・『ゴクドーくん漫遊記4〜6』
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