中村うさぎさんの文春エッセイ、ショッピングの女王シリーズ最終巻。


買い物依存症にはじまり、ホスト依存症ときて、最後は整形依存症。今より整形が一般的ではなかった時代の整形手術突入レポ、むちゃくちゃおもしろかった!!


フェイスリフトで耳のまわりの皮を切る、という手術にカメラマンを入れた中村さん。手術中は部分麻酔で記憶は残らないものの、意識はあり、このときは「自白剤」を飲まされてるような状態で、何でもしゃべるのだという。


それをよほど楽しみにしていた中村さん、皮を切り刻まれながら、さっそく喋り始める。一言目に、

「私にご質問は?」

「一番食べたい物は何ですか?」「何も食べたくありませんね!」

「一番やりたいことは何ですか?」「おしっこ!」

「○○くん(中村さんの元カレ)とのセックス、どうだったの?」「ヘタでした!」

で、編集担当に「私、何か面白いこと言いましたかっ!?」「べつに何も言ってませんよ」

そしたら「あなたたちが面白い質問をしないからです!」と逆ギレ。ここ読んで爆笑。


話はこれで終わらなくて、編集担当に自分の顔の皮を見せられて中村さんが一言、「食べたい……」ここ読んで絶句。しかしこれには驚くべきオチがあったのです!それは読んでのお楽しみ〜。


こうして顔面工事を終えた中村さんは、顔につられて起こった自意識の変化を目の当たりにして思う。

「『整形』とは女王様にとって『欲しい顔を手に入れる』試みではなく、『自分の顔を手放す』行為だったのだ」

「多くの人を苦しめているのは、『顔の美醜』そのものではなく、『自分の顔』と『自意識』と『他者の視線』との間のこの三角関係の距離感がうまく掴めない、という点にこそ集約されるのではないか」


うーん、やっぱり面白いな〜この人…。このあと、「さすらいの女王」という新シリーズに突入!こちらも楽しみ! 


 

 






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