中村うさぎさんの文春無駄遣いエッセイシリーズ第一弾。

角川文庫の浪費シリーズと違って、数千円程度の無駄遣いから紹介してるので、おっ、けっこう庶民的〜とか思ってたら、そうはうさぎ問屋が卸さなかった…。

話はオカルトグッズ(←人口精霊を操り税務署を撃退するため。笑)やシモネタグッズ(←自分自身の張り型でバイブを作れるやつ。笑)を経て、ついにブランドグッズが登場し、筆が荒れに荒れる!!

でも中村さんがブランドについて書く時、ひれ伏してるように見えて必ず後ろの方から馬鹿にしてる…いや厳しい批評眼を向けている。

いわく、「フランス製だから」とかいうよくわかんない理由により雨漏りするので雨の日にさしてはいけないという謎のシャネルの傘、ペンホルダーが細すぎて専用の使いにくいペン以外入らないというケチ臭いヴィトンのシステム手帳、エルメスのケリーバッグに純正の付属品であるグローブホルダーをつけたら洗濯ばさみにしか見えない件、しかもそのグローブホルダーのせいで肝心のバッグ本体が傷だらけになる、純正の付属品なのに…。

もはやブランド側も無理して作ってるんじゃ、と思わずにはいられないアホくさい茶番劇…。ある一部の人たちに神格化されてしまったブランドにとっては、きっと中村さんのような、アホらしいことをアホらしいと言ってくれる客をありがたいと思う日が……いや来ないか(笑)。

最高に気に入った一節をメモ。主婦からの怒りのお手紙に対して、「誰がそんな大衆の優越感にご奉仕するよーな美談を書くかっつーの。あたしゃねぇ、破滅の道をまっしぐらに突っ走る浪費の女王様なんだよ。シャネルとエルメスに埋もれて餓死するバカ女、いわば美談の対極に位置する人間なんだよ。正しい貧乏なんかクソくらえってんだ!」カッコイイ!!

あと中村さんの執筆ペースは、小説の場合、一週間に原稿用紙50枚くらい。多いのか少ないのかはわからん。今後の比較のためにメモ。