中村うさぎさんのエッセイ。

 雑誌にテーマフリーで連載していたものをまとめているから、その時々で中村さんの気になることを読みやすい長さで縦横無尽に切りまくっている。

自己愛をこじらせた男たち、過食症の女たち、整形にハマる女たち、天然ボケの女たちなどなどの、内側に入り込んで冷徹に洞察&分析しながら、モテないモテないと嘆いておられるが、もしほんとにモテないんだとしたら、この洞察力の鋭さがモテない理由ではないかと思う。

中村さんは、ご自身のことを馬鹿だ馬鹿だとおっしゃるが、ただの馬鹿なら他人が用意した表面的な自己愛の鎧だけを見て満足する。みんな、自分がプロデュースしたよそ行きの自分だけを見てもらえればそれでいいのだから。なのに、その奥にある心の澱まで一瞬で見抜いてくる中村さんは、彼らにとっては驚異でしかないんじゃないかなー。ほんと紙一重。きっと、するどいペン先で内側から皮膚を破かれるような気がすると思う。私だったらストレスで耐えられん!(笑)

でも読んじゃう、だって他人事って面白いんだもん〜(←立派なうさぎ中毒)。