中村うさぎさんと佐藤優さんの対談シリーズ。今回は『死』。

原因不明の心肺停止を経て、息を吹き返したうさぎさん。肉体的な死、精神的な死、社会的な死について、豊富な体験と知識から語りまくる。

佐藤さんや、近しい人たちによると、うさぎさんが一旦死ぬ2週間くらい前から、全然怒らないし、まるで別人格のようになったという。そして本人にそんな自覚はなかったという話、興味深い。たしかに、死期が近い人ってなんか…ここにいるけどいない、みたいな感じがする。そしてうさぎさんが意識が戻って、チューブが外れた瞬間に激怒。それを見た夫は、「妻が戻ってきた!」と思ったそうな(笑)。

話は知り合いの死、著名人の死、文学と死、宗教と死、と続いて、中村さんのあとがきがほんとに素晴らしい。

死んでみての、中村さんの感想は、「死は救済だった」。死んだとき、そこには絶対的な無しかなく、やっと、長年悩まされてきたやっかいな自我から開放されることができたのだと。

私は、死んだあとも続く部分があるような気がするんだけど、でもラクになるんだろうなー、とは何となく感じていた。私も死んだら生き返って、そのことを書き留めてみたいなぁ。

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●中村うさぎさんの本(隠居の本棚より)