NO.2962 黒・青・赤と3つ帯がある松浦鉄道西九州線主力車です、MR-600形気動車全21両 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 松浦鉄道(MR)西九州線と言いますと、有田駅から、伊万里駅・松浦駅・たびら平戸口駅・佐々駅を経まして佐世保駅へ至る路線である事はご存知の事と思います。

 

 近年では、令和2年にこれまで使用されておりましたICカード長崎スマートカードに変わりまして、西鉄グループなどで使用されておりますnimocaが導入されておりまして、それとともに国内主要ICカードとも相互利用ができるようにもなっております。

 

 画像がICカード読み取り機であります。先述のように、これまでは「長崎スマートカード」であった訳ですが、画像のように「nimoca」など交通系ICカードの読み取り機が設けられていると言うのも、正直ここまで変わった事を伺わせております。ちなみに、相互利用もできますNタスTカードを導入しております長崎バスグループを除きます長崎県内のバス事業者も導入されている事もありますので、より利用しやすくなっているのではないかとも思います。

 

 また、MRの車両では読み取り機付き運賃箱が設けられております。しかも、「長崎スマートカード」から設けられておりました千円を入れますセルフ式チャージ機能がこの「nimoca」になりましても設けられておりまして、その下の画像にもあります読み取り機の横にチャージを行うためのボタンも設けられております。

 

 (読み取り機の横にチャージ「積増」ボタンが設けられております)

 

 

 そんな動きも見られております松浦鉄道の西九州線の主力車両と言いますと、MR-600形気動車でありまして、21両が在籍しておりまして、これら駅間を結ぶ路線におきまして運行されている姿を見る事ができております。

 

 では、ここからはその主力車両でありますMR-600形気動車全21両を現在まで収めてもいますので、その解説も含めまして皆様にご紹介してまいります。

 

 

 このMR-600形気動車は、MRの第3セクター転換時からの旧型車でありまして、第1世代でもあります貫通型のMR-100形、非貫通型のMR-200形・MR-300形各気動車を置き換えるために平成18年から平成23年にかけまして5年かけまして導入されました車両でもありまして、名称は肥前ウエストライナーと言います。

 

 そんなMR-600形気動車のこの名称であります「肥前ウエストライナー」の由来は、「肥前」は、佐賀・長崎県が以前は肥前国と言われていた事、「ウエストライナー」は、「松浦鉄道西九州線」と言われている事で「西」を取っている事から、「肥前ウエストライナー」と言われるようになっております。また、車体側面にはMRのキャラクターでもありますマックスくんの姿も見る事ができておりまして、キャラクターの存在が大きい事が伺わせております。
 
 
 車内(画像は609~)は、車内が広い事もありまして、何ともシンプルな感じにも見えます。また、ボックスシートも4人がけが2つしかない事、また、片側が1人がけでもあるのがよくわかります。ちなみに、画像のように1人がけシートは転換式にもなっているのが特徴でもありまして広々している感が伺わせております。

 

 ちなみに、601~608は以下のような車内になっておりまして、この場合は優先席だけは色が赤色になっているのが特徴でもありまして、609~との違いを見せております。

 

 

 運転席も、画像にもありますようにワンハンドルマスコンとなっておりまして、今までの2ハンドルに比べますと、運転はしやすいのではないかと思います。また、ワンマン列車としてもっぱら運行されておりますので、ワンマンとしての機能も設置しているのがまさにワンマン専用車らしい所がよく見られているのではないかと思います。

 

 また、運賃表は現在青地の液晶運賃表に交換されておりますが、それ以前は第1世代から見られておりますデジタル式運賃表でありました。この運賃表では、駅数が多い事もありまして、デジタルでは60コマまでありまして、その分表自体も大きかった事がよくわかります。

 

 (デジタル時代)

 

 

 

 

 そして、駅名対照表です。こうして見ますと、同じ駅が複数あるのがわかりますし、番号も飛び飛びになっているのもわかります。ですから、おそらくは発駅と着駅のいわゆる系統別で表しているのではないかと思われるようではあります。それにしても、このコマの中には、ビール列車」・「クイズ列車」・「ワイワイ列車など、ユニークな行先まで入っておりまして、イベントに合わせた形となっているのが何とも印象的でもありましょうか。

 

 

 さて、ここからはMR-600形気動車の全21両をご紹介してまいりますが、このMR-600形気動車の車体は、全長約18メートル、全幅約3メートルと、これまでの第1世代の車両に比べますと、一回り大きな車体でもあります。また、車体の色も導入年によりまして変化がありまして、後述のように平成18年・平成19年導入のMR-601~608が前面・側面の窓周りの帯が黒、平成20年・平成21年導入のMR-609~MR616が窓周りの帯が青、平成22年・平成23年導入のMR-617~MR-621が窓周りの帯が赤となっているのが特徴であります。

 

 【平成18年導入車】~窓周りの帯は黒

 (MR-601)

 

 (MR-602)

 

 (MR-603)

 

 (MR-604)

 

 この4両が、平成18年に導入されましたMR-600形気動車の最初の4両であります。この4両が、この翌年の平成19年のダイヤ改正より運行を開始する事になりますが、この改正では佐世保~佐々間の快速列車が増発されておりまして、このMR-600形気動車もこの快速列車にも充当されておりました。

 

 【平成19年導入車】~窓周りの帯は黒

 (MR-605)

 

 (MR-606)

 

 (MR-607)~親和銀行「arecore nimoca」ラッピング

 

 (MR-607、側面デザイン)

 

 (MR-608)

 

 この4両が、平成19年に導入されました4両でありまして、これによりまして第1世代の非貫通車でありましたMR-200形・MR-300形各気動車は全廃となりました。また、以下画像はMR-607号でありますが、一時期は「親和銀行」のラッピングも施しておりまして、側面にはーンのことならとユニークな姿も見られておりましたが、令和2年に再び「arecore nimoca」ラッピングとして施されております。

 

 

 【平成20年導入車】~窓周りの帯は青

 (MR-609)~「ハッピートレイン」

 

 (MR-610)

 

 (MR-611)

 

 (MR-612)~「COOL&CHOICE」ラッピング

 

 平成20年導入車より、窓周りの帯は青色に変わっておりまして、それによりまして見た目も変わっております。それでも、MR-609号では「ハッピートレイン」となっている事からラッピングとなっておりまして、青帯の姿はしばらく見る事ができなくなっております。また、MR-612号では「COOL&CHOICE」ラッピングとなっておりますし、以下画像のMR-611号では伊万里自動車学校「いまりん号」として車内にも広告を出していたほどでもありました。

 

 (「いまりん号」時代)~ヘッドマークも掲出

 

 (平成30年撮影)~契約解除後

 

 

 【平成21年導入車】~窓周りの帯は青

 (MR-613)~JR佐世保線早岐駅にて

 

 (MR-614)

 

 (MR-615)

 

 (MR-616)

 

 平成21年導入車では、平成20年導入車に続きまして窓周りが青帯となっておりまして、これによりまして16両にまで増えております。また、この年3月のダイヤ改正ではJR佐世保線との直通運転も再開されまして、ハウステンボスまで乗り入れておりましたが、平成23年のダイヤ改正によりまして上の画像のMR-613号にありますように、早岐駅までに短縮されまして運行されております。尚、この導入によりましてMR-100形気動車のMR-101号が廃車となりまして、トップナンバーの車両がMRから姿を消しております。

 

 

 【平成22年導入車】~窓周りの帯は赤

 (MR-617)

 

 (MR-618)

 

 (MR-619)

 

 平成22年導入車からは、窓周りの帯は赤色に変わりまして、黒→そしてと変化に至りました。やはり帯が変わりますと見た目からも違った印象でもありましょうか。また、この導入ではこれまでは4両ずつの導入ではありましたが、3両での導入となっておりました。これは本数の減便によります車両の減車化に伴うものでありまして、この後ご紹介しますように翌平成23年導入車では2両の導入にとどまる事にもなります。

 

 

 【平成23年導入車】~窓周りの帯は赤

 (MR-620)

 

 (MR-621)

 

 この平成23年導入車によりまして、MR-600形気動車の導入は最後になりました。これによりまして、MR-100形気動車は3両を残しまして(これらは)廃車(と言いましてもミャンマーに譲渡)となりまして、MR-600形気動車の置き換えはほぼ完了と言う事にもなりました。

 

 

 そんなMR-600形気動車の赤帯の車両の甲種輸送時の姿を収めておりました。先述のように平成22年導入時が3両、平成23年導入時が2両であった訳ではありましたが、これまでの16両と同様、JR貨物のDE10形ディーゼル機関車によりまして佐世保駅2番ホームより西九州線に入りまして、佐々駅へ向けて甲種輸送が行われておりました。

 

 (平成22年甲種輸送時撮影)

 

 (平成23年甲種輸送時撮影)

 

 

 今回は、MR-600形気動車全21両をご紹介しましたが、このMR-600形気動車も、今や主力車両として存在しておりますが、導入自体も6年にわたり導入されていた訳ですし、その導入によりまして帯の変化さえもみられていましたので、そう言った所が変化を感じさせられる所でもあります。本当に、第1世代が存在していた頃よりは両数も減ってしまっておりますし、本数も最盛期よりは減っている区間さえもありますのでそれに関しましては仕方はありませんが、それでも主力車両として他のMR-400形気動車・MR-500形気動車とともに西九州線全線を支えていただきたいものであります。