車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

JR西日本では、近年長距離を走る観光列車の登場が相次いでいます。「Twilight Express 瑞風」はどこまでも高級路線、「WEST EXPRESS 銀河」は電車であり走行線区に制限があるという中で、2024年に気動車方式による観光列車が登場しました。
 

“はなあかり”、「地域に光を当て、地域が華やぐイメージ」「西日本の様々な地域のとっておきに「あかりを灯す」列車であること、地域を明るくする列車であることを表現」したとのこと。
 
種車に選ばれたのは、定期列車では兵庫県用特急の「はまかぜ」のほぼ専任となっているキハ189系で、箱は大変貌しても足回りはそのまま、このように通常仕様車と併結しての運用も可能です。おかげで、2025年現在ではJR九州787系「36+3」と並び、非定期で運転される完全な観光列車としては国内現存最速のタイトルホルダーでもあります。気動車では文句無しの最速列車ですね。
 
H5編成を充てており、全車グリーン車となったためキハ189系としては初めて「キロ」の車両記号が与えられています。また番台区分も観光列車向けの7000番台となっています。
 
グリーンマークなどのピクトグラムは円形の中に描かれています。最近JR西日本とズブズブなイチバンセンのデザインですね。気動車である特性を活かし、京都丹後鉄道経由敦賀⇔城崎温泉で運転を開始し、直通可能な私鉄線を巻き込んで各地で運転されています。ええ、運転日限定でも結構なので、芸備線だの木次線などへ行ってみてはいかがですかね?あそここそ花明かりを当ててあげる必要があると思いますが。
 
今回は冬季に運転される臨時特急、「かにカニはまかぜ」に増結された時の様子をご紹介。「はなあかり」にしてしまって「かにカニはまかぜ」の増結大丈夫かと思いましたが、そもそもこれを「かにカニはまかぜ」に連結してしまえばいいということですね(笑) ちなみに、土日休日の浜坂駅は3番のりばに到着、この通り屋根がかかるのはまさかの普通車部分のみ…しかもこの日は時折雨霰降る天候で、いくら浜坂まで乗る客が少ないからってたっかい料金払ってるのにこの仕打ちはひでぇ(苦笑)
 
さて気を取り直して…まずはデッキから、ドアです。周囲の化粧板は黒系のものに貼り替え、窓には植物のツルの装飾がなされています。またドア上には開閉ランプが一灯増設されています。
 
開閉ボタンはそのまま残されています。使っている場面に一度も遭遇したことが無いのですが‥。
 
くず物入れです。飲料系とその他で分別されており、投入後もしっかり仕分けされます。
 
トイレです。2号車には男女共用のものが設置されています。
 
男性小用トイレです。折戸式で、面積は広くありません。
 
バリアフリー対応トイレです。構造自体はそのままですが、車内の化粧板は「はなあかり」をイメージしたものに貼り替えられています。また温便座化もされており、冬季も快適に利用が出来ます。
 
洗面台です。この区画への設置は初めてですかね。円形の鏡に間接照明を仕込んでいます。陶器もJR西日本ではあまり見かけない陶磁器を使っています。
 

左側には化粧用の鏡もあります。ローカル軌条や単線の行き違いのポイント通過など、車内でのお化粧はだいぶ難しいとは思いますが‥。
 

バリアフリー対応車両の洗面台です。冬季は蛇口からお湯が出ます。
 
多目的室です。観光列車ではあまり見かけませんが、種車から設備を変更する必要もないということなんでしょうね。
 
車内に貼られた編成図です。1号車、8000番台のスーペリアグリーン車については、別項に譲りましょう。
 
いよいよ車内です。リクライニングシートが並んでいた座席配置から一転、非常に開放的な配置になっています。おかげで座席数はかなり少なく、後述の理由もあって中々予約が取りにくい列車でございます。


こちらは2号車です。フリースペースを有しております。
 
 デッキとの仕切りです。こちらはバリアフリー対応区画で、仕切り扉は大きくなっています。非常通話装置は後付けなようで、出っ張った形になっています。
 
フリースペース区画のデッキとの仕切りです。こちらは非常通話装置はそのままで、スッキリしていますね。防犯カメラは普通車が右側へ増設したスタイルでしたが、この車両ではLED表示機の下に埋め込んで設置しています。
 

最前面です。仕切りの両側にはどういう訳か飾り照明が仕込まれています。

 

連結面です。こちらの化粧板もしっかり貼り替えられております。

 

なお、「かにカニはまかぜ」は普通車指定席と併結して運転しますが、普通車指定席から「はなあかり」編成へ往来してはいけません。車掌さんによっては、両側の仕切り扉にロックをすることもあります。

 
天井です。間接照明は変わらずですが、灯具がLED灯に変わっています。調光機能があるようで、昼間はこの通り蛍光色ですが、夜間は暖色系になります。
 
窓です。元々2席に1枚という配置だったこともあり、ゆとりのある座席配置になったことでその大きさがより強調されています。
 
座席です。まずは1人から使える解放席からまいりましょう。各車両8席が配置されています。回転式の座席で、デフォルトでは4名分で向かい合わせになるようにこの状態で固定されています。回転させてこの配置になりますよーな座席はよく見ますが、これがデフォルトというのは珍しいですね。
 

カチッと固定出来るのはデフォルト設定の一ヶ所のみで、奥の座席のようにクロスシート方向まで回転させないとこのデフォルト位置に戻るようになっています。クロスシート方向より窓側を向けると戻らなくなりますが、固定機構が無いため慣性の法則や遠心力ですぐ動いてしまいます。これねぇ、多段階でもいいので、ロック機構増設してやった方がいいと思うんですよね。


さて座席単体を見ると、横幅はかなりゆとりを持っておりゆったりしています。リクライニング機構は無いものの、背ズリはやや角度を付けたものになっています。その背ズリ、下部の形状にやや違和感があり、奥深く腰掛けると少し仰け反るような姿勢になります。あまりキッチリ座るような座席でもないですが…。あと座席の回転は座面下の木製のレバーを引き上げてロックを外す必要がありますが、これがまたレバーに見えない(苦笑) 回転の仕方の掲示も無いので、初めてこれに座る方々、どうやって回転していいのかみんなオロオロしてはりましたよー
 
 ヘッドレスト部分にはビニル製のカバーが付いています。
 

足元には…これは荷物置き場でしょうか、荷棚に上げる程でもないような小さな荷物を置くことが出来ます。
 
テーブルの真中には飾り照明とコンセント・USBポートのユニットがあります。壁には高岡銅器の一輪挿しが取り付けられており、「はなあかり」の雰囲気を盛り上げます。飾り照明は眩しい時には消灯も可能です。
 
日除けは横引き式、カーテン止めには京組紐タッセルを使用しています。赤・黄の2色を使用しています。
 

一部にはこの通り造花を入れるスタンドがあります。こちらもさすが「はなあかり」、これだけで雰囲気が違うってものです。

 

 
続いてセミコンパートメントです。座席自体は完全にボックスシートですが、セミコンパートメントとして売り出されています。この関係でマルス上では開放席とは別口扱いとなります。
 
照明ユニットや工芸品を取り付けたかった意図を感じますが、柱が挟まるためこれが視界を遮ります。普通、ボックス席にしてこういう窓割りでは配置しないんですけどね…。
 
続いて向かい側の4人掛けボックス席です。ちなみにですが、「はまかぜ」は姫路でスイッチバックをする関係から、海側は常に解放席はA席、コンパートメント席は奇数席となります。向かい側は…姫路城、竹田城址くらいしか見るものは無いかもですね。
 
開放区画と同様に硬めのクッション、かつ背ズリは下部がやや切り立った形状をしているため、こちらもしっかり座るよりは崩した体勢で座った方がよろしいかと思います。通路側席を傾けているのは、視線を少しでも窓側の人や車窓に向けようとしたのでしょうか。テーブルと座面先端のカーブがパズルのように一致しているの、デザイナーの仕事でしょうね。
 
2号車のフリースペースです。ここでは地元特産品などを販売しています。
 

「はまかぜ」では海側を向いて座れるスペースです。湾曲した形状に飾り照明やドリンクスタンド、あぁイチバンセンクオリティ全開だなぁ、と(笑)

 
ここの窓のみ簾のフリーストップ式ロールカーテンが備わります。メンテ、頑張ってください。
 
飾り照明の横には工芸品が展示されています。ちなみにここの飾り照明は消灯出来ません。
 
車内販売のディスプレイです。この列車のグッズのほか、アルコールを含むドリンク、おつまみを購入出来ます。
 
「かにカニはまかぜ」運用時はこのような乗車記念ボードがあります。
 
さて、それでは乗車時の模様を少しだけ。車内販売は明石-香住間で実施されています。ちなみに先述の事情から「はなあかり」車両利用客のみが購入可能です。電子決済も可能ですが、山間走行中は決済が出来ないこともあるので、その際はしばらく向かい側の椅子で待つことになります。
 
行きでは日本酒の「但馬」、そしてのどぐろの缶詰、缶バッジを購入いたしました。「失敗した!」と思ったのはこの缶詰、生姜醤油味の出汁に浸かった状態で詰められておりまして、これ絶対米に合うんですよね。これを購入される際は、駅やコンビニでおにぎりなどの米を買うことをオススメいたします。持ち帰って家などでいただくのもよいかもしれません。
 

 

 

 

 


 
 

東急の車両…7000系や8500系、1000系など、地方に譲渡されて活躍中の車両が多いイメージです。そんな中、あまり譲渡例が多くないのがこの元8090系です

 

富山地鉄ではその中でも後期に製造された8590系を譲受しており、4編成が活躍中です。富山地鉄での形式名は17480形、帯の色は田園都市線や大井町線時代のままで走っています。そう言えば、富山地鉄初のステンレスカーですね。

 

列車によっては行き先が設定されていないようで、その場合は白幕になります。上の画像でも、ボードで対応していますね。

 

車内です。東急時代と大きく変わらない姿で活躍しています。現在富山地鉄の鉄道線では唯一のオールロングシート、上市や寺田、岩峅寺までなどの短区間列車に入っていることを願いたいのですが、立山や宇奈月温泉まで走破する列車にも無遠慮に入ったりするので、大幅なバリューダウン感は否めません。

 

ドアです。ワンマン運転に対応するために整理券発行機が設置されています。地元ICカードにも対応したものになっております。全国交通系ICカードは路面電車では使えるようにはなりましたが、地鉄電車では未だに使えません。観光利用も多いため、もうちょっと頑張って欲しいですね。

 

最前面のドアです。出口に利用されるケースが多いですね。ステンレス仕上げの両開き式、そう言えば、ステッカー類は全て無くなっていますね。

 

車端部です。両開き式の仕切り扉は開いたまま固定されています。2両編成でワンマン運転ということもありますので、特に問題はないでしょう。

 

車両によっては優先座席時代のままの携帯電話・スマートフォンの電源オフのステッカーが貼られています。また、吊革も別のものになっています。後から優先座席に指定された上のと比べて、少しデザインが異なります。

 

最前面です。構造はほぼそのままに、運賃表示機や運賃箱を増設しています。そう言えば、最近の譲渡にも関わらず、運賃表示機はLCDタイプにはなってないですね。

 

天井です。分散冷房に扇風機、昭和後期の増備ながらラインデリアにもなっていないのは正直意外です。富山地鉄でも、お久しぶりの扇風機なのではないでしょうか。

 

照明はカバー無しの蛍光灯ですね。吊革は首都圏で走っていた時のまま、枕木方向にも渡されています。

 

窓です。ドア間は下降窓を2枚配置しています。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。日除けを装備した車両自体は富山ではゴロゴロ見られますが、こと出身の首都圏となると、トータル半数くらいは姿を消したイメージがあります。

 

座席です。茶色とキャラメル色のモケットは東急時代と変わらず、富山の美しい景色や非日常を求めてやって来た首都圏民を幻滅させます(^^;; ドア間は7人掛け、バケット化されておらず、3+4で区切るように肘掛けが入っています。ドア横の袖仕切りが監獄のような縦方向の袖仕切りなので、仕切るだけでなく、空いている時に「肘掛け」としてしっかり使えるのがいいですね。上部に肘当てを取り付けて冷たくならないようにしているのもマルです。

 

車端部の3人掛けです。妻面にモケットを貼っているのが気配り、今の車両ではとんと見かけなくなりました。座り心地は見た目によらず硬めで、8000系から全然変わりません。ねぇ、本気でこれで富山から立山・宇奈月向かわせるの、やめてください!

 

もう一度ドア・・じゃないんです、車椅子スペースです。4扉車ですがワンマン運転時は有人駅を除くと両端のドアしか開かないため、開かない部分を車椅子スペースに充てています。こうすることで、新しく車椅子スペースを設ける工事を省略することに成功しています。ただ、車両中央付近にあるため、混んでいると使いにくいと思います。

 

さて、富山地鉄での活躍も板に付いてきた今日この頃。トップナンバーの17481Fではある変化が起きているようです。前面は方向幕をしっかり使っていること以外に特に変化はありませんが…。
 
側面が見えるアングルで撮ると、何やら真ん中あたりがとんでもないことになっていそうです。
 
てことで2枚目。なんと前後以外の中間部の2枚のドアが、一枚の鉄板に置き換わっています。
 

車内です。やはり中間が物々しい雰囲気になっています。
 

近寄ってみました。元々ドアだった部分がこんな形で埋められた訳ですから、その衝撃度たるや…。
 

鉄板で埋めた部分には、「宇奈月温泉開湯100周年記念」ラッピングが実施されています。

 

4扉車を2扉化することと、ラッピングをするという2つの目的を果たした稲荷町テクニカルセンターの匠、恐るべし…。なおこのラッピング前までは、本当に鉄板のままで運用に入っていたそうです。
 

座席に座ると、その横が鉄板というのもインパクト抜群ですね…。そういう意味では、PRは成功してるかもしれません。

 

かぼちゃ塗装の中に、ぎんぎらぎんのステンレスカー。完全に馴染むのにはもう少し時間がかかるかもですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

長崎市内の足、長崎電気軌道。地元の方や観光客で終日混雑しており、市内で無くてはならない存在です。そんな長崎電気軌道の平成の主力の一角が、この1500形です。現在方向幕がフルカラーLED表示機に換装されつつあり、その内全てこれになるのだと思います。なお、この1507号車は制御方式を変更したことから、書類上は1500A形と形式が変更されています。

 

こちらは一部設計変更をした1700形で、画像はトップナンバーです。いずれの形式も廃車車両からの機器流用車で、平成時代の生まれながら床下から聞こえるのは昔ながらの「うおーん」、このぎゃっぷタルや…(笑) 車内は1500形とほぼ同一なので、ひとまずこちらでも紹介しておきましょう。

 

車内です。平成初期の路面電車はまだまだ高床式の時代、従来車より車体は新しくなれど、基本は元々の設計のままと言えます。

 

ドアです。こちらは入口のものになります。折り戸式で、窓は2枚合わせて1枚に見えるようなデザインとなっています。足元にはステップがありますが、折り戸によるドアの通過面積を稼ぐためでしょうか、ステップは平行では無くやや斜めに切り欠かれています。その先には緑の矢印、この付近に立つのではなく両先頭方向へ詰めい、というメッセージですね。

 

出口のドアです。こちらも折り戸式ですね。窓のみならず窓下にも広告ステッカー、収入獲得に余念がありません。

 

運転台です。仕切りは右側の視界となる部分を切り欠いた壁で、運転士さんは運賃箱をスライドさせて運転席に座ります。スライドする部分は黄色い線で囲われています。

 

天井です。少し前に登場した1200形ではスポットタイプの冷房吹き出し口でしたが、中央に整風板を配した形状になりスッキリしました。また吊革が枕木方向にも設置され、レール方向の吊革については半数ほどがバンドを延長して、掴まれる人を増やしています。

 

こちらは別バージョン、バンド延長された吊革は持ち手が円形になっています。この差は一体…。

 

窓です。1200形よりも窓が大型化されています。二段式で、下段は横幅の広い固定窓、上段は横引式で開閉可能です。窓枠はブロンズ塗装仕上げ、少し高級感が出ています。

 

先頭の窓は運転台にもかかっています。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプとなっていますが、ここの日除けは降ろせるのでしょうか…。

 

そうそう、柱に設置された降車ボタンですが、広告枠を兼ねた珍しいタイプになっています。ただこの枠に収めるのが難しいのか、空いてる枠もチラホラ…。

 

座席です。赤いモケットで、ブロンズの窓とマッチしていますね。袖仕切りはパイプ構成、肘を掛ける部分や立ち客が握る縦方向にはラバーが巻かれており、冷たさを軽減させています。

 

この車両のポイントは、窓枠下にもボタンが付いたことですね。窓が大きくなったことからここに付けたんでしょうね。もちろん、座ってると押しにくい訳ですが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
近年非電化区間で躍進著しい、ハイブリッド車両や電気式気動車。JR各社では2024年時点で四国を除いて既に量産車両として増備が続く一方、JR西日本では試験車両を1両作成して試運転などを行っています。
 
それがDEC700形です。「DEC」は“デック”と読むようで、ディーゼルエレクトリックカー、要は電気式ディーゼルカーということだそうな。
 

700という形式について、百の位の7は電気式ディーゼルカーを、十の位の0は通勤・近郊型を表しているそうな。

 

 

前面は125系電車のような切妻タイプながらライト形状がJR西日本で急速拡大しているタイプになってまして、何やら521系後期車以降車両の出来損ないのようなデザインになっています。このライト配置は、やはり半流線形の造形あってこそだと思うんですよね。
 
側面に目をやると、トランペット奏者から奏でられた音が風に載って駆け抜けるという、最近のJR西日本にしては中々オシャレなデザインがあしらわれています。音符に「DEC700」の文字が仕込まれているのも手が込んでいます。「乗客や沿線住民の日常を明るく快適にすること」を表現したそうな。それにしても、こちら側は窓が非常に少ないですね。
 
岡山地区の115系と並びました。中国統括部の末期色や警戒色で、帯色に黄色を配置したそうです。
 
この車両は試験車両として1両のみが製造されていますが、2024年にはなんと営業運用にぶち込むという荒業に出ています。岡山県各地で実施された芸術祭、「ハレのモリ 岡山」開催に伴い各線区で臨時列車が運転されましたが、その中の姫新線、津山-新見間で運転された臨時快速「ハレのモリ」に、このDEC700形が充当されました。
 
前面にはこの運用のためにヘッドマークも作られております。ちなみに、種別は「臨時快速」で途中停車駅は中国勝山のみですが、行き違いや棒線駅での謎の運転停車を行いながら終着を目指すため、所要時間は普通列車とそんなに変わりません(むしろ遅いケースも)。
 
側面、戸袋部分にもステッカーが貼られておりました。
 
車内です。構造的には試験車両ですがハコは普通の旅客車両、2ドア転換クロスシートというJR西日本らしいパッケージです。ちなみに現在はオールクロスシートですが、ロングシートにも改造出来るそうな。
 
ドアです。片開き式で、戸袋側の端にはイエローラインを入れています。そして、構造的には電車と同じで床が高いのか、地方交通線の低床ホームに対応すべくステップがあります。足元にもイエローラインがありますね。また左側には整理券発行機と消火器が設置されています。
 

ドア上をクローズアップ。LED表示機と開閉ランプが設置されています。開閉ランプは中央に一灯のみの設置、両開き式は二灯設置なので、この辺はしっかり分けているということですね。広告枠には、臨時快速「ハレのモリ」の停車駅と到着時間が書かれた専用のものが入っていました。

 

 
運転台です。ええ、これまでのJR西日本の車両と比べるとやたら窓が多いですね。で、外観は貫通構造ですが、ここから見ると通り抜けを考慮して併結が出来なさそうではあります。そして前面展望など全くもって考慮されていない仕切り窓の縦幅、仕切り扉の窓は特に酷い小ささです。いくら試験車両だからってここまでせんでも…。
 
天井です。中々スッキリした見た目、送風補助はありませんが何となく準備工事的な蓋はあります。照明は反射式のLED灯、反射部分に凹凸を付けて無遠慮に光が散らないようにしています。
 
窓です。一部は固定式、その他は二段式で、上段が内折れ式で開閉可能です。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプのものが備えられています。
 
座席です。前述の通りオールクロスシートで、基本的に1+2配置となっています。
 
まずは2人掛けから。姫新線ベースで新見方にはドア横に固定クロスシートも備えられています。225系100番台と同様の座席で、肘掛けのカバー面積が大きく、転換機構で手を挟まないように配慮したタイプです。窓の柱が存外太いのとシートピッチと窓割りが必ずしも一致している訳ではないので、柱がガッツリ被る区画もあります。
 
続いて1人掛けです。「試験車両だから」という割り切りはあるにせよ、座席数が少ないという点でこの手の車両で1+2は愚作でしかないので、実用化される日が来るときには是非2+2で座席を配置してほしいものです。座席自体も「転換すること」以外に良い点が見つからない、形状に工夫の無いコスト削減の成れの果てみたいなモノです。
 
優先座席は3席設定されてまして、当該区画は1人掛けとなっています。トイレにかかる区画だからということもありますが、この方が席を譲りやすくはありますね。
 
で、先程は見て見ぬフリをいたしましたが、試験車両故か座席配置に迷ポイントが二ヶ所…。まずは先程の優先座席の区画で、優先座席は2人掛け側の3脚を1人掛けに変更しています。その煽りで、2人掛けと1人掛けの境目の区画は、2人掛け席の通路側が晒し者となるハズレ区画です。オマケに窓側も地味に柱が視界真横に来る、窓枠に肘を置けないハズレ席とも言えましょう。もたれて寝たい方にはアタリでしょうが…。
 
で、最大の迷ポイントはここ、1人掛けの固定クロスシートの区画なんですが…なんと窓がありません。新造車両にして窓無し、関西以西では南海12000系や泉北12000系以来でしょうか。特に姫新線ベースで津山行きに乗りますと、前の座席が壁のようになるために真の引きこもり席になります。ただでさえ座席数が少ない中で、ここまでしないと座席数を稼げないと悩んだ挙げ句生まれてしまった、ため息と妥協の1席ですね。実用化の後の量産車両の増備がありましたら、こんな区画が出ないことを祈るばかりです。
 
フリースペースです。戸袋と窓1枚分という中々の面積を割いて設定されています。窓下にのみヒーターが設置されてまして、これがまた壁と同じレベルで張り出しはほぼゼロ、金属仕上げなのは温風が出る場所なので仕方ないにして、スッキリしていて良いと思います。その他は非常通話装置、握り棒、整理券発行機が備えられています。
 
ディーゼルエンジンで駆動した電力を走行系やサービス電源などの電力に変換するための主変換装置です。床下に全ての機器を収めるのはどう考えても無理な話で、客室の一部を割いて設置しています。
 
トイレです。バリアフリー対応ということもありますが、これまた中々の面積を割いて設置しています。
 
新見駅にはチョークアートが描かれています。銀河の山陰コースに乗車した際にも生山駅に描いてあったので、職人さんがいるんでしょうね。

 

 

列車はワンマン運転ですが、車内では社員さんが乗務してまして、乗車記念ボードを持ち込んで記念撮影に回っておられました。
 
国鉄型や発足初期に投入された気動車を延命しすぎて非電化区間の動力改革が遅れたJR西日本、今後の展開はあるのか楽しみです。が、前面のスッパリ切妻や座席配置の迷区画はもうちょっと何とかしてフィードバックしてほしいものです。

 

 

 

 

2003年に名車、6300系を置き換えるために登場した京都線用車両です。クロスシートを装備していますが、3扉になり河原町方車端部がロングシートになったりと、特急用車としてはどうでしょうか。どちらかといえば当時走っていた快速急行などに運用されている方がお似合いだと思っているかつての京都線ユーザーです(^^;; こちらは試作車的位置づけのトップナンバー9300Fで、前照灯が分離しているのが特徴です。

 

阪急の車両を製造していたアルナ車両が路面電車をメインとした製造にシフトした関係で、この系列から製造がHITACHIに変わりました。A-Trainベースの車両だけに、車内を見てもどことなくその片鱗が・・。車内も試作車らしく相違が存在しますのでまたそれは後ほど。京都市内地下線開業50周年のヘッドマークを取り付けていました。


こちらは二次車の9301Fと9302Fの前面です。

 


前照灯が一体化されました。この時点ではまだ行先・種別表示は幕式のままですね。


続いて9303F以降に投入された三次車です。9303F以降は9000系が登場してから製造されたので、各部の仕様が統一されています。

 

クロスシート車ということもあってか、9000系とは異なり側窓がドアと同じ縦幅の窓となっています。

 

前面の特徴は行先・種別表示がLEDになったことでしょうか。


2010年代半ばより、9308Fが上部の前照灯をLEDに交換されて登場しました。登場当初は試験的なものかと思われましたが・・

車内観察日記
後に9307FもLEDに交換され、以降全編成がLED灯への交換が完了しています。

 

2024年より座席指定車両「PRiVACE」サービスのスタートし、9300系の一部にも2350形の連結がスタートしています。「PRiVACE」連結編成にはヘッドマークが取り付けられています。新2300系は屋根上のカバーが無くなったため、格上のはずの座席指定車が格下に見えてしまいますね‥。


このように、大きく3つに分類できるので、それぞれ紹介していきます。かつては早朝は快速・普通運用、朝夕ラッシュ時は通勤特急快速急行、昼は特急、夜は準急などと、時間や曜日によってそれぞれ顔を変えて活躍していましたが、座席指定車両を組み込んでからは特急系統専属の運用に特化するようになり、折り返し便が一般車に差し替えとなる運用も存在します。


車内全景、まずはトップナンバーの車内です。A-Trainのプラットフォーム車体を利用しながらも阪急の独自性が強い雰囲気に仕上がっている3扉セミクロス車です。


お次は9302Fまでの車内。ある場所が少しだけ変わっています。


こちらは三次車以降の車内です。さて、3枚で間違い探しができそうな感じですが如何でしょうか(^^;;


ドアです。5000系リニューアル車から導入されている窓が大きなもので、お子様でも比較的気軽に外を見ることができるようになっています。ドア横の握り棒は「の」の字型のA-Train共通のものになっています。「握りづらい」のですが、東京メトロ10000系など、他会社がここを銀色の素材そのままとしているところを阪急ではブロンズ色で塗装しています。標準部品を使用しながらも安っぽく見せない工夫がされています。

 

なおこちらが旅客案内表示機を有するドアです。


二次車まではドア上の案内がLED式になっています。8000系列最終増備車ではなかなか見やすい大きなものでしたが、こちらはえらく小さいものとなっています。恐らくこの表示機上部がすぐに天井に向けて曲がっていて、大きくすると出っ張ってしまいデザイン性を損ねてしまうということなのでしょう。しかし小さいなぁ・・


三次車からは9000系同様にLCDディスプレイが設置されました。他社のような画一的なデザインではなく、外面の方向・種別表示に合わせたものになっています。こちらもこだわりですね。右側で運行案内、左側で沿線情報などを流しています。

 

2020年代に入り、ドア横の持ち手が9000系の最後期増備グループに採用されていた持ち手に交換されています。やはり、握りにくかったですもんね‥。

 

向かい側のLED表示機を省略したドアです。持ち手が無塗装になったため、モノトーンさが増えたように思います。

9300
車端部です。まずはクロスシートを有する区画から参りましょう。中間車の梅田寄りに設定されており、補助椅子付きのボックスシートが配置されています。仕切り扉左側には非常通話装置が備わります。

9301
続いてロングシートを有する区画です。両先頭車車端部と中間車の河原町寄りがこのスタイルとなっています。京阪間直通輸送から沿線中間輸送へと主体が切り替わったことによる詰め込みを重視した設計となった結果なのでしょうね(その後後継系列では全車端部がロングシート化しましたが‥)。賛否両論ありますが、ラッシュ時には威力を発揮しているようです。

 

2020年ころより、フリーWi-Fiのサービスが提供されています。


仕切り扉です。こちらはトップナンバーのもので、窓がギリギリまで引き下げられており、見通しは大変良好です。


そしてこちらが二次車以降の仕切り扉です。こちらも化粧板の色合いが違ってしまってますが実際は全く一緒です。一次車とは違い元の形に先祖がえりしてしまいました。いや、それでも十分視界は確保されていますが(^^;; 従来幌の中には蛍光灯が設置されていましたが、9300系では廃止されてしまいました。


さてこの仕切り扉、通勤電車では北大阪急行8000形以来の自動開閉装置がついています。もうなんというか、すごいよね、これで料金不要ですよ! ハンドルを軽く握るとドアが開きますと書いてますが、その実左側に赤外線のセンサーがあり、それで開くようになっています。要するに、その赤外線を遮るだけでもしっかりドアは開きます。

 

2024年に出現した、「PRiVACE」連結編成のお隣の車両の車端部です。5号車は乗車位置の関係もあってステッカーがやたら多くなっています。

 

3号車、優先座席区画の車端部です。こちらにもステッカーが貼られています。そうそう、自動開閉装置のセンサーに関するステッカーが貼り替えられています。



順番が逆ですが、三次車の天井です。吊革の支持棒の真上に冷房吹き出し口があります。荷棚は角型の棒を枕木方向に並べたものです。ラインデリアはドア横の握り棒同様にブロンズ色に塗られた高級仕様ですが、実際に風が来るのは車端部のドア付近だけで、あとはダミー同然ですね・・。照明は料金不要の車両にして間接照明です。新幹線などで使われている照明方法が阪急でも使われています。以前のカバーが難燃性基準により使えなくなったために出した阪急の答えの一つですね。さすがです。


ただし詰めが甘いぞ阪急。外から見てみると蛍光灯が丸見えです。もう少し覆いが足りないのが残念です。LED灯に交換され、灯具が比較的見えなくなりましたが…。


こちらはトップナンバーの荷棚です。すりガラス状の樹脂板の上に小判型の穴の開いた板を乗せることにより、荷物に耐えられるだけの強度と下からの視界を確保しています。ですが埃が溜まってしまいそうで心配になってしまいます(^^;; そのために三次車ではあの形になったのでしょうね。ちなみに、この荷棚は現存しません。


現在の1次車と2次車の天井はこのようになっています。1次車の荷棚は先端が下方向へ傾斜したものから、2次車と同様のものになりました。

 

2023年より、ドア上に防犯カメラが増設されています。

座席です。まずは転換クロスシートから。以前のようにとにかく柔らかいアンゴラ山羊の毛を使った座席ではなく、成形ウレタンで作られた座席となっております。割と硬め基調ではありますが、1時間に満たない乗車時間なのでまぁちょうど良い具合でしょう。

一本足での支えになっており、ここもHITACHIが作る転換クロスシート車と同様の部品を使用しています。ヘッドレストカバーは8000系までのようなビニールではなく、触り心地のよいツルツルしていないレザーとなりました。そして肘掛は木製です。


窓側には肘掛がなく、窓の桟がその代用になるのですが、肘掛として使うには妙に狭く、物を置いたときに滑り落ちないようにでっぱりがあるためにそれが刺さります。更にアルミ地そのままなので、日が当たると熱く、冬は冷たくなります。そして極めつけはカーテンがしっかりついているものの、カーテンを下ろすとこの窓の桟、使えなくなります。色々とポカをやってのけてくれました。窓が大きくなっていることは評価できますが、もう少し桟を大きくするなど、ここは要改善です。

ドア横は固定クロスシートです。ヘッドレストが垂直に向けられているため自然な姿勢で座れます。どうも阪急は知ってか知らずか、固定クロスシートに力を入れる傾向があるようです。しかし窓側は戸袋のせいで先ほど散々文句をつけた窓枠すら使用できません(^^;;

個人的にこの固定クロスシートは戸袋の壁にもたれて寝るために座るのが最善だと思っています。転換クロスシートよりよく寝れますよ、これ。先述した一本足ですが、この固定クロスシートにも採用されています。故に真冬の運用ではドアが開くたびに寒風が足元を吹き抜けます。ヒーターの効きも弱いのでものすごく寒いです。ここはフルカバーにしておくべきだったのではないでしょうか・・。

9306
梅田寄り車端部のボックスシートです。座り心地自体はドア横の固定クロスシートと同一です。


また補助椅子も設置されており、平日朝ラッシュ時、梅田方面行きの一部通勤特急準特急ではロックされており、取っ手右上の表示が「×」に光ります。そしてここにも一本足の弊害が。寒風が吹き抜けるのは勿論のこと、補助椅子を開いて座るときの振動がモロにボックスシートに響きます。やはり一本足の分、二本足の構造に比べると脆いのは目に見えています。


この補助椅子、座面を降ろすと背もたれが出てくるのですが、あと一歩足りなくて結局座ると木の縁が当たって痛い目に遭う飛んだ寝ぼすけさんです。設計段階でのボンミス級の作りになっているのが残念でなりません。このような構造なのであれば、せめて上部にモケットを貼る、といった配慮が欲しいところです。


続いて河原町寄り車端部のロングシートです。優先座席が復活した際、原則神宝京方に設けるとされたのはこの9300系のせいではないかと思っています。画像はトップナンバーのロングシートです。窓が大きくなったしわ寄せとして、背もたれが極端に低くなっています。横揺れに対して体を支えることが難しく、姿勢を崩して座るとずるずる前へ滑っていきます。間違いなく、阪急の座席の中では一番の駄席です。


向かい側の収納座席を有するロングシートです。座席収納の代償として座面が極端に薄く作られており、肘掛もご覧の通りです。真冬などなかなか寒くなる時期にこれはごめん被りたい。


で、収納状態。車椅子などここを必要としている方にはこうして譲ってくださいませ、と。


そしてこちらは二次車のロングシートです。やはりトップナンバー車のロングシートは不評だったのか、肘掛が袖仕切りとなり、幾分進歩しましたがやはり背ズリが低いままで死んでいます。

車内観察日記
袖仕切りを内側から。モケットとゴツゴツした樹脂性のあわせ技とした大型の仕切りとなっています。これで外気を幾分遮断できますし、立ち席との分離も図れますね。1000系1300系もこんなのにしてほしかったなぁ、とポツリ・・。この仕切りの欠点としては、肘掛部分が向かいの折り畳み座席のロック解除ボタン付の仕切りと合わせたものとしてしまっているため、座ってて肘掛上部の角が思いっきり刺さることでしょうか(^^;; ここは縦部分の面積を狭くして、背ズリに隠れるようにすればいい様に思います。

そして三次車にてようやくこの9300系のロングシート問題はほぼ解決することになります。二次車でそれなりに改善されはしましたがやはり背ズリに問題があったようで、9303Fからは窓にスペーサーを入れることにより以前の阪急と同等のロングシートのレベルにまで戻りました。そして手前の座席は「収納式のロングシートとしては」全国屈指のレベルにまで成長したといっても過言ではありません。悪くないです。

車内観察日記
こちらが座席を上げた状態です。どこも同じだとは思うのですが、こうやって実際に座面を上げて使用しているところを見たことがありません。車椅子スペースを有する他系列がすべて立ち席スペース兼用としている中、やはり6300系の後継車として、特急用車両としてなるべく座席数を確保したかったという事情があったのでしょうか。

 


優先座席部分の日除けです。指定位置変更以降、ロールカーテンについては全系列がこのタイプに置き換えられています。これで日除けを降ろした状態でも優先座席であることが認識できるようになっています。

 

優先座席のモケット変更が進行して久しいですが、他の系列が変更されていく中しばらくは同じモケットを維持していた9300系にも、ついにモケット変更車が登場しました。
 


こちらは9303F以降の後期車のものです。

9308
そして向かい側の収納座席も。

 

その収納状態。花火等による臨時ラッシュ時には跳ね上げた状態で車庫より出て参ります。そう言えば、最近フリースペースのステッカーも追加されましたね。

 

2010年代後半頃より、その収納座席に大きな変化が生じています。

 

それがこちら。なんと収納座席が座面と背ズリを一体化させて座席として使用できないように封印されてしまいました。やはりデフォルトが座席状態であったため、使いたい人が来ても譲ってもらえないということが多かったんでしょうね。

 

時期を前後して、優先座席区画についてはご丁寧にモケットをワインレッド色に変更しています。

 

9303F以降の編成は座面より背ズリが長くなったことから、封印の仕方が通路側へ傾斜するような方法になっています。まぁ、腰くらいは載せられますかね‥。

 

そして時期の前後はあるものの、モケット色の変更も行われています。



壁際のどアップ。戸袋になっていようがなっていまいが肘を逃がす余裕がありません。せめて戸袋になっていないこの場所くらい内側の窓取っ払ってくれてもよかったのではないかと感じる今日この頃です。

 

新2300系登場以降、優先座席にまた変化が生じています。

 

吊革が座席と同じ、ワインレッド色のバンドに交換されています。

 

向かい側のフリースペースとセットになった区画です。もうここが収納式座席だったことを覚えている人もめっきり減ったか、ステッカーが省略されています。

 

続いて、京都河原町方先頭車の車端部です。

 

収納座席を封印したフリースペースの上のみ、吊革がワインレッド色になっています。一般座席はともかく、フリースペースは譲り合って使って下され、ということですね。


最前部のロングシートです。6300系に見られた「袖仕切りをクロスシートに近づけてなるべく格差を埋めるサービス」はこの系列には受け継がれませんでした。画像は二次車までのものです。相変わらず背ズリが低い・・。そしてパイプが他の車両と比べると妙な伸び方をしています。


こちら三次車以降のロングシート。背ズリがかさ上げされました。こちらの袖仕切りは前面展望を優先したか、車端部の豪華なものではなく、阪急でよく見ることができる一般的なものになっています。

2020年代に入り阪急では自動放送の導入が行われましたが、導入に際して最前面にも変化が生じています。

 

車掌台側に自動放送装置の端末が設置されたため、仕切り窓の下部に黒い板が挟まっています。

 

大阪梅田方、一般座席もこの通りです。前面展望の邪魔になる位置ながら、極力邪魔をしないように頑張った痕跡は見られます。

 

そして、新2300系登場以降の変化を。

 

京都河原町方先頭、最前面の優先座席の吊革のバンドがワインレッド色に変化しています。


~おまけ~

 


カラオケオール後に眠い眼をこすりながら河原町駅に降り立つと、快速の梅田行きが出発を待っていました。・・画像では丁度種別表示のLEDだけが白飛びしてしまって快速かどうかわかりませんが(^^;;


この画像でわかりますね(^^;; ですがこの緑の快速表示も青色へ変更されたため見られなくなり、その後快速という種別自体も西京極に追加で停車するようになった急行に置き換えられ、京都線では消滅することとなりました。


西山天王山駅開業時はこんなラッピングが施されていました。緑が特に濃いですね・・。


何はともあれ、祝、新駅開業。お懐かしい話でございました。

 

2023年、早いもので9300系のトップナンバーは竣工から20年が経過し、記念のヘッドマークが取り付けられました。快速急行を置き換えた準特急幕とのコラボも見られましたね。

 

車内にもヘッドマークを模したステッカーが貼られていました。しかしこの後トップナンバー9300Fは正雀工場へ入場し、特急用車両としての役割を終えています。今後も新2300系増備に伴い、9300系は順次特急車から一般車へ格下げがなされる見込みです。

 

 

 

 

 

 

今も昔も私鉄とバッチバチな京阪神をゆくJR線、そんな歴史の生き証人のひとつが、ここJR東海が運営するリニア・鉄道館に保存されています。52系電車で、流線型の前面が特徴です。

 

茶色とアイボリーの塗装は、117系を経て今の223系や225系にも帯色として引き継がれています。今の新快速の源流とも言える急行電車に投入されていたため、前面窓には「急行」の文字が入れられています。なおそんな車両がここに入っている理由ですが、晩年飯田線で活躍していた縁でかつて佐久間に保存されていたからなんだそうな。

 

車内です。トップナンバーが吹田に保存されており、そちらは京阪神で活躍していた当時の姿に極力戻していますが、こちらは飯田線で終焉を迎えた当時の姿で保存されています。

 

ドアです。片開き式の引き戸で、当時は大きな窓が作れなかったためか二段式になっています。手前には握り棒、掴める部分を増やすためだとは思うのですが、今では急停止時を考慮すると、こういう作りにはしないと思います。

 

車端部です。妻窓は二段窓ですが、仕切り扉の窓は一枚物となっています。大きさは同じくらいですが、この差はどこから来るのでしょうか…。木を多用した室内作りで、客車も含めてこの時代ではごくごく普通のデザインです。

 

最前面です。登場当初は半室構造で、吹田に保存されたトップナンバーはその状態に復元されていますが、この車両に関しては全室構造に改造された状態で残されています。両側に座席もあり仕切り窓も大きいので、渡らずの橋も圧巻の眺望だったのでしょう。

 

天井です。戦前製らしく非冷房、吊革がロングシート上にしか無いので非常にスッキリしています。中央には通風口を兼ねた照明が並び、全てにカバーがかかっています。この辺りから、関西では照明にカバーをかけるという文化が根付いていたのでしょうか。

 

窓です。二段窓で、戸袋窓も同じデザインで揃えられています。その上には網棚、文字通り編み込んで作ったものになっています。

 

座席です。ドア間はドア付近がロングシート、それ以外がクロスシートのセミクロス配置となっています。まずはクロスシートからです。

 

ボックスシートで、背ズリはそそり立つような直角、高さも低く、オマケにシートピッチも中々狭いです。当時の日本人の体格が現在よりも小さいとはいえかなり窮屈です。窓下には灰皿、今では考えられない設備ですね。

 

ドア横の3人掛けロングシートです。背ズリが見てからにモケット貼っただけくらいの絶望的なクッション性なのが予想出来ます。一方で、クロスシート背面、座った際に腕が当たりそうな部分にモケットが貼られており、冷たさを和らげています。なんだか、当時の鉄道省でもこんなことやってたんだ、とちょっとびっくり。もしかすると、後年の設置かもしれませんが…。

 

車端部のロングシートです。座席下のヒーターカバーのメッシュが、先程のドア横と模様が異なります。この差は一体…。

 

最前面の3人掛けです。加減速がどの程度か存じ上げませんが、一番端の吊革、下手すると仕切り窓に当たってそうですね…(苦笑)

 

 

 

 

 


JR北海道の特急用車両と言えば、左のキハ283系のように、高運転台の直下に貫通路であったり、業務用スペースを持つ弾丸スタイルが特徴でありお馴染みになっているように思います。しかし、一部には例外も存在します。それが今回紹介する785系です。


JR北海道初の特急型電車です。ご覧の通り確かに高運転台ではあるものの、弾丸スタイルではありません。札幌と旭川を結ぶ「スーパーホワイトアロー」として登場し、後輩の789系が登場してからは名称を「スーパーカムイ」と変え長きに渡り活躍してきましたが、789系0番台の投入によりこの系統からは2017年3月以降姿を消しました。


前面のLED表示です。画像は懐かしの「スーパーカムイエアポート」。1時間に1本ではあるものの、快速列車として自由席でもリクライニングシートに座ることが出来たこの運用、札幌発着の快速エアポートのuシートの存在意義って一体・・。しかし、5両編成で全車リクライニングシート装備の2ドア特急形車両が需要の旺盛な快速列車(しかも同じく需要が旺盛な札幌-旭川間の特急からの直通)にぶち込むというのはかなり無理があり、混雑から来る遅延が絶えず、この直通運用は消滅しました。

こちらは特急「すずらん」に運用中の785系です。

 

東室蘭-室蘭間はかつて普通列車として運用されていましたが、現在は「すずらん」が全車指定席化した関係で全区画特急列車になっています(乗車券のみで空席の利用可)。



さて、785系は登場当初4連であり、6連への増結用として2両編成が5本存在していました。その後指定席Uシート車である500番台を組み込み5連となった関係で6連への増結が行われなくなり、これら2連は順次2本増結の上500番台を組み込み5連を組成しました。その際、中間に入る運転台は不要となるため、画像のような中間車化が実施されています。車番や形式は一切改番されていませんが、画像のようにスカートや運転機器、ライトなどが全て取り払われています。


更に寄ってみました。立体的な先頭部をそのままに灯具類を撤去しただけなのでかなりグロいですね(^^;;  都合、この編成は指定席を除いた4両全てに乗務員室が存在するわけで・・。ちなみに、5本のうち4本はこのように再活用されましたが、余剰となった1本は苗穂に8年もの間放置された後・・(略)。


号車案内は時代でしょうか、プレート式です。基本的に全運用が4号車の指定席車「uシート」以外は全席自由席として運用されて来ましたが、全車指定席化に伴いこのプレートも見られません。


それではデッキから参りましょう、ドアです。北海道ではお馴染み、ステップが存在しています。足元にご注意ください。


ゴミ箱もしっかりスタンバイ。飲料系とそれ以外で分離されています。


トイレです。男子小用と多目的トイレが存在します。地味にドアの高さが異なっていますね(笑)


向かいには洗面所があります。

 

蛇口はセンサーによる自動式、温度調節も出来るようです。


自動販売機も設置されていましたが、2017年3月以降は撤去されるとのこと。

 

携帯電話の通話スペースです。元々公衆電話が設置されていたのでしょう、撤去跡が残っています。



多目的スペースです。普段は施錠されていますので、利用する際は車掌さんにお声掛けすることになります。


最前面にあるデッキから。近年弾丸スタイルの先頭部を持つ車両のいわゆる「展望スペース」が立ち入り禁止となった今、デッキに立ちながら前面展望が出来る特急型車両としては貴重な存在となりました。


増結車を組み合わせた編成の運転台部分です。仕切り扉や貫通扉などで両側は閉鎖されています。デッキを移設するのにも手間と費用がかかるので、無くすに無くせないスペースなんでしょうね。


かつて自由席となっていた車両の車内です。座席が登場当初から交換されており、モケットの色調もあいまってちょっとした高級感を出しています。


デッキ仕切りです。化粧板は木目調となっています。仕切り扉の両側の淵が上部へ行くにつれて外側に広がっています。あまり見ないデザインですが、なかなかカッコいいです。ドア上にはLED表示機が設置されていますが、これまた面積が小さく、近くの席からしか視認できません。


天井です。暖色系の蛍光灯を使用した半間接照明を中央に配置しています。


この照明、通路側から見る分にはしっかりと間接照明になっていますが、座席に座るとこの通り、蛍光灯丸見えです。あまりいい気はしません。


窓です。2席に1枚が充てられています。日除けは横引き式のカーテンを採用しています。


座席です。789系と同様の回転リクライニングシートに改座されています。両側に張り出したヘッドレストがプライバシー性を図っています。


ヘッドレスト部分は柔らかい素材で出来ており、事実上のヘッドレストピローとして機能しています。モケットが少々滑りやすい素材だったのが気になりますね・・。


個人的に「おおっ!」と思ったのがこのセンターアームレスト。通常、センターアームレストと言えば窓側の座席と通路側の座席の間に設ける関係からグリーン車やこれ のような一部の普通席の座席を除いて狭いことが多く、アームレストというよりは両席との仕切りと言う方が良いように思います。しかし、こちらのセンターアームレストは取り付け部分こそ細いものの、背ズリに干渉しない部分からは幅が広くなっています。しっかり肘掛としての機能が生きています。感動。


車椅子対応座席直後はシートバックテーブルが物理的に使えないため、インアームテーブルが設置されています。画像のように札幌方を向いた時は、テーブルが2枚使えるというアタリ席となります。座り心地はリクライニング角度は抑え目な点はあるものの、普通車自由席としてこれと言ったダメな点が無い上々なものです。


珍しく座席脚台をクローズアップ。789系とは違い脚が「エ」の字をしており、下部は微妙に山なりとなっています。改座前の自由席にはバーレストがあったこともあり、お世辞程度ながらその無くなった付帯設備をカバーしようとした結果なのでしょう。


車椅子対応の1人掛けです。指定席に存在することが多いですが、785系では自由席にも対応席が存在します。


全展開してみました。この脚台などのフレームは全国様々なところで見ることが出来ます。


デッキとの仕切り部分は固定式のテーブルが設置されています。シートバックテーブルに比べて明らかにキャパが小さ過ぎます。ペットボトルを置くのが精一杯じゃないでしょうか。駅弁とかは置けないですねぇ。


続いて5両編成のうち4号車に連結された指定席、「uシート」です。まずはドアから。こちらも車椅子対応となっているため、ドア幅が急行型車両並に広げられています。ドアチャイムですが、なぜだかこの車両だけ700系新幹線と同じチャイムが鳴ります。なぜ統一しなかったのでしょうか…。


トイレです。車椅子対応の大型トイレとなっています。


仕切りをデッキ側より。窓が左側に寄せられており、さながら「u」の字に見えるように作られています。


車内です。指定席と言えどもこれでも普通車、かつての自由席車よりも明らかに雰囲気は違います。何となく普通車とグリーン車の中間を狙ったような意図を感じます。しかし、今や全車指定席になった訳ですが、この車両とその他の車両では設備格差も甚だしいですよね。


デッキ仕切りを今度は車内側から。製造年度が元自由席車である0番台よりも遅いためか、デザインが多少異なっています。色調も明るいものになっています。


窓です。1席に1枚の割り当てで、もうちょっとしたグリーン車のようです。日除けはフリーストップ式のロールカーテンです。機能的には優れていますが、エクストラチャージがかかる車両としては疑問符が付きます。


それでは座席です。大きく張り出したヨーロピアンスタイルのヘッドレストがプライバシー性の向上を助けています。


大型で横幅も十分な広さを確保しており、座り心地も指定席車としては十分すぎるものです。札幌-旭川間のみでは少し物足りなさを感じる、「もう少し乗っていたい」と思えるような座席でした。


そして自由席車同様、車椅子対応の1人掛け席直後の座席はインアームテーブル付きとなっています。

 

シートバックテーブルは木目調の化粧板を使用しています。


インアームテーブル付きの座席に関しては、シートバックテーブルの背面色が異なっています。後述の1人掛けが関係しているのでしょうか?


座席背面にはコンセントが設置されています。シートバックテーブルのフレームと網ポケットとの間の狭い空間に見事に収まっていますが、これ、プラグの形状によっては使いづらい(下手すりゃ使えない)ことが想定されます。コンセントの設置位置というのはどこの鉄道会社でも苦慮するところではあります。窓側に設置すれば通路側の人が使いづらいですし、このように前列背面に設置すると窓側席の出入りを妨げてしまい、アームレスト部分は特に欠点は無いものの十分な幅を持っていないと設置できないという悩ましい案件ですね。


車椅子対応の1人掛けです。固定用のベルトが設置されています。この辺りの装備は自由席と変わりません。


全展開の図。基本的に発券ブロックがかかっており、とあるタイミングでブロック解除となるそうな・・。


デッキ仕切り際のテーブルは固定式、面積も狭く自由席と同等のもの、むしろ自由席のテーブルは木目の化粧板を貼っている分多少の高級感があります。こちらはえらくアッサリしていますねぇ・・。


荷物スペースです。指定席にのみ設置されているアイテムで、新千歳空港直通のエアポートスーパーカムイ充当にも対応した備えといえます。


自身登場時から活躍していた旭川系統からの撤退は残念ですが、「すずらん」として活躍する編成の一日でも長い活躍を祈りましょう。

オマケ

先述の余った増結編成ですが、なんと789系基本番台で運用される「スーパー白鳥」の増結用車両として改造されました。「編成美」という言葉を木っ端微塵に粉砕する程のキワモノ編成、先頭に立つ車両は萌黄色に塗装され完璧に「バッタ」状態、もう片方の制御電動車は前面窓も閉鎖の上スカートも撤去されておりなまらグロい状態、あのインパクトは忘れられません。結局函館運転所で待機している状態しか見る事が出来ず、未乗車に終わってしまいましたが・・。


 

 

 

 

 

 

 

 

2200系、阪急で初めてのワンハンドルマスコン、自動式方向幕、現在まで続く前面ライト配置を採用した系列で、百の位が2という試験的な存在だったため1本のみの存在でした。しかしながら大地震で被災し一部廃車や編成解体の上で6000系に編入、また両先頭車は中間に7000系を組み込んだ編成で実質7000系相当の性能だったため、二度目の系列編入で7000系になった過去があります。
 

そんな2250&2251→6050&6150改め7090&7190ですが、本線から撤退し4両編成に短縮、増結2両編成と組んで今津北線で運用されていました。そんな7090F、2024年になんとリニューアルが実施され、運用に復帰しています。

 

リニューアルメニューは先に伊丹線系統で実施された6000系への工事内容に準じており、各幕や灯具類のLED化、側面では種別幕が埋められ、種別と行き先を交互に表示するスタイルとなりました。9000系まで続いた方向幕と種別幕を分離するスタイルはこの車両から始まったのですが、その車両自体が一体化させられてしまいましたね。
 

リニューアル前は中間車の出自であった7005Fと組んでいましたが、その前に相方を増結編成のトップナンバー、7030Fに交換し、そのまま運用復帰しています。一緒に正雀に行った割に、そっちは未更新で出てきました。そうそう、コーポレートマークの窓下への移設は行われておらず、元の位置で据え置かれています。
 

運用復帰後は、今津北線の各駅停車で宝塚方に連結されています。この編成、かつて5100系が担ってきた伊丹線予備編成の役割を受け継いでおりまして、ワンマン対応編成が不足した際には伊丹線でも運用されます。ちなみに、このリニューアルの前に前照灯をLED化しようと画策したところ、回路の関係でそれが出来ないことが判明し、リニューアルで徹底的に作り替えたんだとか…(!)
 

車内です。こちらは元2200系の先頭車、登場から50年が経過してのまさかのリニューアル、ワンハンドルマスコン編成でものせでん譲渡が進む中、特異なこの車両が生き延びたことにビックリしてしまいました(それより古いツーハンドル車もまだゴロゴロしてますが…)。
 

そしてこちらが生まれながらに7000系の中間車です。全車両とも、6000系伊丹線仕様車に準じたリニューアルが実施されています。
 

ドアです。化粧板が交換された以外、本体に大きな変化は見られません。開閉時にたてるガチャガチャという大きな騒音もそのまんま(笑)  付帯設備の変更点としては、ドア上には開閉ランプと防犯カメラが設置されています。

 

 

1車両中2箇所にはLCDディスプレイがあります。伊丹線仕様車でもそうでしたが、ただでさえ千鳥配置でも少ないくらいの本線系統よりも一基減らした仕様なところに、支線区の置かれた現状を感じざるを得ません。ドアエンジンを変更していないため、2000年代前半のリニューアルで見られたようなドアの斜め上に箱を設置するスタイルで、小型のものが取り付けられています。やはり1000系列以降の大型LCDに慣れると、視認性には難アリですね。
 

車端部です。両側に座席を有する車端部は生まれながらに7000系だった中間車のみに存在します。妻面の化粧板が側ドアと同じく焦げ茶色になり、元々ドア間の窓の横にあった非常通話装置が、仕切り扉の横へ移っています。

 

こちらは西宮北口方先頭車の7190号車にのみ存在する、一般座席でフリースペースを有する区画です。非常通話装置がフリースペースに移っています。使う方の導線を考えた配置ですね。
 

優先座席を有する区画です。モケットをワインレッド色にして区別しています。これはリニューアル前には完了しておりました。
 

最前面です。いつもとは逆で、宝塚方から見ていきます。ワンマン仕様ではあるのですが、通常はツーマン運転を実施しているため、車掌台側には自動放送装置が取り付けられています。前面の展望がやや阻害されましたが、極力展望を確保しようとした苦労の跡が見えます。
 
続いて西宮北口方ですが、増結編成を連結しているため通常は車端部扱いとなります。そのためか、車掌台側の自動放送装置の取り付けは省略されています。また貫通編成が常になるため、車掌台側に入れないように仕切り扉が追加されています。これ、宝塚方先頭車には存在していないんですよね。
 

天井です。こちらは元2200系です。6000系の一部編成と同じく、90年代に冷房吹き出し口はラインフロー式に、送風補助は連続調のスイープファン式に変更されています。6000系と異なり、無塗装仕上げなのが相違点ですね。荷棚はバータイプのまま、やはり本線系統の7000系とは力の入り方が手ぬるい感じはします。一方で、ドア上には防犯カメラが追加されています。
 

そして元から7000系の中間車です。冷房吹き出し口はスポットタイプで、スイープファンも連続調ではありません。まぁ、連続調でも実際ダミーの羽もあるので、スイープファンとしての効果は大きく変わりません。照明は4両とも従来のカバータイプのまま、本線系統のように薄型化はされていません。灯具は恐らくLED灯になっていることでしょう。
 

窓です。これまで本線系統では簡易的な更新に留まっていた8000系でさえ日除けはフリーストップタイプのロールカーテンに交換されていましたが、アルミ鎧戸が何食わぬ顔して残っています。かつての阪急の伝統が今しばらくの活躍を見せるため趣味的には喜ばしいのですが、力の弱い方にはまだまだ支線で苦難を強いられるケースが出てきそうです。
 
座席です。リニューアル前から構造自体は変わっていません。そのため、ドア間の着席定員は8人なのですが、新型車両や7000系以降のリニューアルで採用されて来た着席定員用の仕切りが増設されておらず、場合によっては7人で座られることも多々です。袖仕切りも相変わらず簡素なパイプ式、今の阪急では一番機能性が低い袖仕切りです。一方で、脚台の木目調化粧板は1000系に倣ったか焦げ茶色になっています。
 
車端部の5人掛けです。ドア間の8人掛け同様、4人で座られることもしばしばです。この区画のドア横のみ少し広く取られており、ほんの少し立席スペースを稼いでいます。
 
優先座席です。ワインレッド色のモケットと、窓及び妻面に貼り付けたステッカーで区別しています。仕切り扉の戸袋にならない区画には消化器が収納してあり、車外に張り出して設置しているためこちら側はスッキリしています。同グループの南を走ってる会社も見習うべきです。
 
フリースペースとセットになった区画です。ここは1000系までの車両よりも進化しており、握り棒が2本、更に非常通話装置が使いやすい位置に付けられました。お隣の座席は都合着席定員が3人減った2人掛け、座席短縮に当たってはわざわざ従来型の袖仕切りにデザインを合わせたか、もしくはパーツをそっくりそのまま移設しています。
 
そして優先座席の区画。フリースペースの区画にはヒーターはありませんが、座席脚台のヒーターからの温風を側面から出すことで、保温性を確保しているようです。ガッツリしたヒーターからすれば、その機能性は劣りそうには見えますが…。
 
最前面の2人掛けです。阪急では数少なくなった小窓無しの車両のひとつですが、今回のリニューアルでも小窓の設置は見送られています。現在は昼間消灯をやる機会が少なくなっていますが、恐らく消灯時もここだけ点灯する機能は残されているんでしょうね。そうこうしてる内に、別の理由で小窓が省略される新系列車両が出てくることになるとは…。
 
さて、リニューアル工事から帰ってきてそんなに経っていないのですが、早くも変化が起こっています。
 
それが優先座席。新2000系列登場に伴い、吊革のバンドがワインレッド色に変更されています。
 
フリースペースとセットになった区画です。短いバンドもしっかり交換されていますね。
 
そして宝塚方、7190号車の車端部です。
 
フリースペース上の短いバンドのみがワインレッドタイプに交換されています。芸が細かいですが、フリースペースは譲り合って利用して欲しいということなんでしょうね。
 

 

【2025年】



明けましておめでとうございます。

今年も車内観察日記をどうぞよろしくお願いいたします。











【2024年】










【2023年】








【2022年】








【2021年】


 

 

【2020年】

 

【2019年】

 

【2018年】

 

☆お願い☆
中部地方(富山・愛知)を含みます。
*印=引退した車両・リニューアル等により見られなくなった車両です。

▲=保存車・現在は保存車です。

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阪急電鉄
9300系
9000系
8300系/8315F/*「古都」仕様車/リニューアル車
8200系
阪急8000系 ロングシート車/セミクロスシート車/8040形/リニューアル車/8040形リニューアル車
7300系初期車/後期車/*7307F・7327F/7320F/リニューアル車

7000系 その1/7000系 その2/7006F「京とれいん 雅洛」仕様車(外観・サービス)/7006F「京とれいん 雅洛」仕様車(1・6号車)/7006F「京とれいん 雅洛」仕様車(3・4号車)/7006F「京とれいん 雅洛」仕様車(2・5号車)
*6300系 「京とれいん」仕様車/嵐山線リニューアル車
6000系/*6050F/リニューアル車/伊丹線仕様車/箕面線仕様車
5300系/リニューアル車
5100系/リニューアル車
5000系
*3300系/リニューアル車

*3000系・3100系

新2300系/2350形座席指定車「PRiVACE」
*2300系
*2071系
1300系
1000系

阪神電気鉄道
9300系
9000系
8000系 初期試作車/*後期車/リニューアル車
7890形・7990形
*7861形
5700系
5550系
*5500系/リノベーション車/武庫川線(甲子園号)仕様車/武庫川線(タイガース号)仕様車/武庫川線(トラッキー号)仕様車/武庫川線(TORACO号)仕様車

5000系
1000系

近畿日本鉄道

80000系(ひのとり)
50000系(しまかぜ)
30000系(ビスタカー)
26000系(さくらライナー)
23000系(伊勢志摩ライナー)
22600系(Ace)
*22000系(ACE)/リニューアル車
21020系(アーバンライナーnext)
21000系(アーバンライナーplus)

19200系(あをによし)

15400系(かぎろひ)

16400系

16200系(青の交響曲)
16010系
16000系
12600系
12410系
*12200系

9820系
9200系
9020系
9000系
8810系
8000系

7020系
7000系
6820系
6400系
6620系

6200系

6020系
5820系
5800系/*「海遊館号」仕様車
3220系
3200系
2800系/名古屋線L/Cカー仕様車

2680系
2610系/名古屋線L/Cカー仕様車

2444系
2410系・2430系
2050系
2000系
1620系/リニューアル車
1430系
1422系

1420系
1400系
1220系・1230系

1200系
1021・1026・1031系/1026系「ならしかトレイン」仕様車

8A系

JR西日本新快速の系譜番外編 近鉄5200系~敵に塩を送ってしまった電車~

 

西信貴ケーブル コ7形

京阪電気鉄道
13000系
10000系
9000系
8000系/8550形プレミアムカー/*8030番台(初代3000系)
7200系
7000系/リニューアル車
*6000系 /リニューアル車
*5000系
3000系/3850形「プレミアムカー」
2400系
2200系
1000系
800系

700形

600形

南海電気鉄道
50000系(ラピート)
31000系(こうや)
30000系(こうや)
12000系(サザンプレミアム)
11000系(泉北ライナー)
10000系(サザン)
9000系/「NANKAI マイトレイン」仕様車

8300系/6次車/マイトレイン仕様/
*8200系
8000系
7100系/「めでたいでんしゃ」仕様車/「めでたいでんしゃ かい」仕様車/「めでたいでんしゃ なな」仕様車/「めでたいでんしゃ かしら」仕様車
6300系
6200系/50番台
6000系
3000系
2300系
2200系・2230系/2208F「天空」仕様車
2000系/「めでたいでんしゃ かなた」仕様車
1000系
コ11形・コ21形

名古屋鉄道

9500系
6800系 クロスシート車
6500系
6000系
5300系・5700系
5000系

4000系
3700系
3500系
3150・3300系
2200系・2300系
2000系(ミュースカイ)

*1700系

1200系リニューアル車(パノラマスーパー)
*1000系(パノラマスーパー)
300系

100系

西日本鉄道

9000形

*8000形 「旅人」仕様車/*「水都」仕様車
7050形

6050形「RAIL KITCHIN CHIKUGO」仕様車

6000形

5000形
3000形/「旅人」仕様車

600形