マルトリートメントと私44.私が見つけたお母さんの代わり | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

私がなぜ、自分の生育歴を振り返るようになったのかは、

マルトリートメントと私1.私の1番古い記憶

をご覧ください。

 
幼少期のまでの記事はこちら。

マルトリートメントと私20.貯まらないお金

マルトリートメントと私21.父親を迎えにいく小学生

マルトリートメントと私22.問題児認定

マルトリートメントと私23.先生からの無視

・ マルトリートメントと私24.破かれた日記

マルトリートメントと私25.失った味方

マルトリートメントと私26.記憶の奥底の恩人

マルトリートメントと私20.貯まらないお金

マルトリートメントと私21.父親を迎えにいく小学生

マルトリートメントと私22.問題児認定

マルトリートメントと私23.先生からの無視

・ マルトリートメントと私24.破かれた日記

マルトリートメントと私25.失った味方

マルトリートメントと私26.記憶の奥底の恩人

マルトリートメントと私27.ポケットの中のお守り

マルトリートメントと私28."穴熊ちゃん"

マルトリートメントと私29.子供の限界

マルトリートメントと私30."弟か妹が欲しいか?"

マルトリートメントと私31.普通を教わる小学生

マルトリートメントと私32.変わってきた父の態度

マルトリートメントと私33.父とお風呂でしていたこと

マルトリートメントと私34.父に触られた体

マルトリートメントと私35.ゾッとした父の発言

マルトリートメントと私36.父から毎晩行われていた行為

マルトリートメントと私37.汚れてしまった私

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「たった1人でいいから誰かに愛されたい」

という渇望を抱えていた私でしたが、
本当は自分のいう"誰か"が、
誰でも良い訳ではないことに、
気付いていました。

私は自分が小学校に上がる前の、
本当に自分を可愛がってくれて、
もう一度、
愛してもらいたかったのでした。

けれど、


と言う母に、
もうそのような期待を持つことは、
出来ませんでした。

私は自分の求めるお母さんは、
どのような存在だろうと考えました。

自分のことを否定せず、
受け入れてくれる安心出来る存在。

それが、私が求める理想のお母さん像でした。

そのような存在がどこにいるだろうかと、
一生懸命に考えてみました。

けれど、ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性から、
小学校から問題児として扱われ、
担任の先生から無視される子供だった私に、
そんな存在は思い当たりませんでした。

それでも、きっと、
私の心は限界に達していたのだと思います。

幼い頃、誰も話す相手がいなくて、
に話しかけていたように、
私は人ではなくモノにまで、
母親の代わりになるものを求めました。

私は何と一緒にいたら、
安心していられるだろうか?

何かあったらすぐ家を出ていけるように、
愛着を持つようなモノを、
持たないようにしていた私にとって、
一緒にいたら安心出来る、
ライナスの毛布のようなものはありませんでした。

けれど、ただ単純に。

私は1人で、
自分の部屋で眠る時だけは、
ホッとして安心することが出来ました。

布団の中にいる時だけが、
私が生活している中で、
唯一心が休まる時でした。

そのため、私は自分のお母さんを、
"布団"に設定することに決めました。

布団の中の暖かさを、
お母さんが抱きしめてくれた手の、
温もりの中の暖かさだと、
頭の中でイメージしながら、
私は布団の中に潜りこんで、

「お母さん、あのね、、、」

と、
その日あった色んなことを、
布団の中で話すようになりました。

お母さんに見立てた布団は優しくて、
私はいっぱいお喋りしました。

その時の私の心は、
幻影のおばあちゃんに会えた時のように、
幸せな気持ちに包まれていました。

でも、この幸せな気持ちは、
長くは続きませんでした。

布団の中で、
どんなに優しいお母さんをイメージしても、
現実の私の目の前には、

「お前はいずれ出て行く人間」

というお母さんがいて、
私はお母さんのこの言葉から刷り込まれた、
自分はこの家族に間借りしている人間だという気持ちを、
消すことは出来ませんでした。

私は自分が誰とも繋がっていない、
根無し草のような存在であることに、
とても心細さを感じていました。

この心細さは、
布団をお母さんに見立てて、
自分の心を慰めているだけでは、
解消することは出来ませんでした。

早く出ていく場所を見つけるしかないんだ。

お母さんから"出ていく人間"と言われることが、
悲しいと感じるのなら、
言われないように早くこの家を出て行こう。

元々、出て行こうと思っていた家なのだから。

私は優しく幸せな想像の世界を出て、
現実の居場所を探すことにしたのでした。