マルトリートメントと私40.私のせいにされた父の夢 | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

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25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。


私がなぜ、自分の生育歴を振り返るようになったのかは、

マルトリートメントと私1.私の1番古い記憶

をご覧ください。

 
幼少期のまでの記事はこちら。

マルトリートメントと私20.貯まらないお金

マルトリートメントと私21.父親を迎えにいく小学生

マルトリートメントと私22.問題児認定

マルトリートメントと私23.先生からの無視

・ マルトリートメントと私24.破かれた日記

マルトリートメントと私25.失った味方

マルトリートメントと私26.記憶の奥底の恩人

マルトリートメントと私27.ポケットの中のお守り

マルトリートメントと私28."穴熊ちゃん"

マルトリートメントと私29.子供の限界

マルトリートメントと私30."弟か妹が欲しいか?"

マルトリートメントと私31.普通を教わる小学生

マルトリートメントと私32.変わってきた父の態度

マルトリートメントと私33.父とお風呂でしていたこと

マルトリートメントと私34.父に触られた体

マルトリートメントと私35.ゾッとした父の発言

マルトリートメントと私36.父から毎晩行われていた行為

マルトリートメントと私37.汚れてしまった私

マルトリートメントと私38.死ぬという希望

マルトリートメントと私39.現れた救い


※自分の記憶に基づいて書いているため、

事実と違っている可能性があります。
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私が幼い頃に住んでいた家は借家で、
家の土台が傷んで傾いており、
台風が来る時にはロープなどを結んで、
壁の補強をして回らないと、
飛ばされてしまうような家でした。

それでも父の母が住んでいた、
思い出ある実家ということで、
住み続けていたものの、
家を建てて、
この借家を出ることになりました。

家を建てることになった時、
動物が好きだと、
常日頃から言っていた父は、
自分の家を持つ時に、
やりたいと思っていた夢を、
私と兄に熱心に語りました。

「家の裏にな、網を張ってリスを飼いたいんだ」

そう言いながら父は、
手元にあった小さなメモ帳に鉛筆で、
家の裏手の壁の絵を描くと、
その壁にくっつけて、
動物園で猿が飼育されているような、
大きなケージを描きました。

「ここにリスを放し飼いにして、
家の裏の壁に出入りするドアをつけるんだ」

熱く自分の夢を語る父の姿を、
私は、

(また、父の思いつきが始まった)

という、冷めた目で見ていました。

なぜなら、その頃の私の家には、
父が"兄のもの"といって、
私が小学校1年生の時に貰ってきた犬がいて、
子犬の頃は可愛がられていたものの、

「柴犬だから大きくならない」

と父が豪語し、
飼うのに反対した母を説得したはずのその犬は、
2年経ってどんどん成長し、
私が小学校3年生に上がった時には、
私の両肩に、
両前脚をかけられる程大きくなってしまっており、
父以外にその力の強い犬を御せる人間は居なかったのですが、
父は自分が気が向いた時に構うばかりで、
結局、一番飼うのに反対してた母が、
食事や排泄物の面倒などを見ていました。

そんな経緯があったため、
父に生き物の面倒が見られる訳がないと、
今度のリスの話も、
誰かが止めるだろうと私は思っていました。

しかし、家を建てる話が具体的に進み、
土地も見つかり、
いざ、家の間取りを決める段階になっても、
父はその"リスを飼う夢"の話を、
引っ込めようとはしませんでした。

幼い頃から父に要らないと言われており、

「お前のせいで母さんは死にかけた」

家族、特に父の前では、
自分の気持ちを発言することが出来ず
物置きに引きこもるような子供だったため、
そんな父に意見することは出来ませんでした。

そのため私は、
父に可愛がられていて父に自分の意見が言える兄と、

「お前達(自分の子供)と母さんが溺れていたら、
俺はお前達よりも先に母さんを助ける

と父に言われていた母が、
父にリスを飼うことを諦めさせようとするのを、
ずっと待っていました。

兄と母も、父に生き物の面倒が見られるとは、
もちろん思っていなかったため、
何度か父にリスを飼うのを諦めるよう、
説得していたのですが、
そんな2人に対して父は、
ある時、驚くべき発言をしました。

「これはじゅんが言い出したから、叶えてやろうとしてるんだ!!」

私は父のこの、
完全な責任転嫁の発言に驚きましたが、
さらに驚いたのは、
父のこの発言を聞いた後の、
兄の私に対する言葉でした。

兄は父のこの発言の後、
私と2人になった時に、こう凄みました。

「お父さんがあんなことを言い出したのは、お前のせいだぞ!
お前がちゃんと責任を取って止めさせろ!!」

私は、兄が何を言っているのか分かりませんでした。

なぜなら、兄は一番最初に、
父がリスを飼う夢を語っていた時に、
私と一緒に聴いていたはずだからです。

なぜ父の夢が私のせいになるのか、
私には分かりませんでした。

自分の夢を、
父が怖くて意見が出来ない、
私の望みのように語って、
私のせいにして叶えようとしている父も。

父の夢だと知っているはずなのに、
父が私に責任を押し付けると、
その発言に乗っかって、
私に責任を取らせようとする兄も。

皆んな卑怯だ、と思いました。

悔しくてたまりませんでしたが、
兄に毎日のように責められ続けた上に、
このまま本当にリスを飼ったら、

「リスを飼うのは私の望み」

だと言い出した父に、
リスの面倒を見る責任を押し付けられると考えた私は、
自分の命さえ持て余しているのに、
動物の面倒など見ることは出来ないと考え、
恐怖で体も声も震えながら、
父の目の前に立って、必死にこう伝えました。

「私はリスを飼いたいと言っていない」

この発言を聞いた父は私に激怒しました。

「お前が言うから俺は考えてやったのに!!」

そう怒鳴られた時には、そのあまりの理不尽さに、
顔を真っ赤にして口汚く罵る父の態度に身を竦ませながら、

(あなたが私の意見を聞いてくれたことがありましたか?)

と心の中で反論することしか出来ませんでした。

「もう、お前の言うことなど聞いてやらん!!」

私が父からそう言い渡されることで、
父のリスを飼うという夢は、
阻止されました。

けれど私はこのことで。

なぜか父からも兄からも、

「嘘つきな人間」

という、レッテルを貼られたのでした、、、