マルトリートメントと私11.孤独な私の話し相手 | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。


※自分の記憶に基づいて書いているため、
事実と違っている可能性があります。
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父、母、兄、私という4人家族でありながら、
父と兄から要らないと言われた私は、
家族の中での居場所がありませんでした。

また、かなりの田舎で、
近所に歳の近い子供も住んでいなかったため、
私には小学校に上がるまで、
兄以外の遊び相手はいませんでした。

だから小学校に上がる前の、
幼い私の話し相手は、
家の外では草や木といった植物や、
風や太陽といった自然のものになり、
家の中での私の一番の話し相手は、
仏壇の隣にかけられていた、

「おばあちゃんの遺影」

でした。

私は何かあるとおばあちゃんの遺影に話しかけて、
その表情の変化で、怒られたと感じたり、
一緒に喜んでくれたと感じて、
嬉しくなったりしていました。
(幼い私には、おばあちゃんの遺影の表情が、
自分の話に合わせて変化していたように感じられていました)

仏壇にはおじいちゃんとおばあちゃんと、
お父さんのお兄ちゃんの遺影がかけられていましたが、
幼い私には、おばあちゃんが一番私の話を聞いてくれているように感じて、
私はおばあちゃんが生きていた頃にお話したことはなかったけれど、
私は遺影のおばあちゃんのことが大好きで、
遺影のおばあちゃんも、私のことを好きでいてくれると思っていました。

だから、家族の中に自分の居場所はなかったけれど、
居間から離れて仏壇のある部屋に行ったら、
私は寂しくなくて、自分を迎え入れてくれているように感じて、
私は遺影のおばあちゃんに甘えるように、
いっぱい心の中で話しかけました。

お母さんのことも大好きでしたが、
父の嘘を信じていた私は、
自分のせいで体を悪くしてしまった母に、
甘えることが出来なくなっていました。

それでも、誰かに甘えたくて。

そんな幼かった私が愛着を結んだ相手が、
遺影のおばあちゃんだったのでした。