【夕顔208-3】古文単語「声作る」
古文単語は、単語帳に載ってるものだけ覚えればいいってもんじゃないです。古文読解のなかで、出てきたものから随時覚えていきましょう。
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
召せば、御答へして起きたれば、
「紙燭さして参れ。『随身も、弦打して、絶えず声づくれ』と仰せよ。…」
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今回出てきた古文単語
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■【召せ】…サ行四段動詞「召す」已然形
※【召(め)す】…「呼ぶ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【御―】…尊敬の接頭語
■【答(いら)へ】…返事
■【し】…サ変動詞「す」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【起き】…カ行上二段動詞「起く」連用形
■【たれ】…完了の助動詞「たり」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【紙燭(しそく)】…室内用の照明具
■【さし】…サ行四段動詞「さす」連用形
※【さ(点)す】…(灯火などを)つける
■【て】…単純接続の接続助詞
■【参れ】…ラ行四段動詞「参る」命令形
※【参(まゐ)る】…「来」の謙譲(光源氏⇒光源氏)
■【随身(ずいじん)】…供の者
■【も】…強意の係助詞
■【弦打(つるうち)】…魔よけのまじないとして弓の弦(つる)をはじき鳴らすこと
■【し】…サ変動詞「す」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【絶えず】…常に。絶えることなく
■【声づくれ】…ラ行四段動詞「声作る」命令形
※【声作る】…ことさらに声をたてる
■【と】…引用の格助詞
■【仰せよ】…サ行下二段動詞「仰す」命令形
※【仰(おほ)す】…「言ふ」の尊敬(光源氏⇒預かりの子)
◇ 今回は謙譲語にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「声作る」 ☆
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召せば、御答へして起きたれば、
「紙燭さして参れ。『随身も、弦打して、絶えず声づくれ』と仰せよ。…」
問)傍線部の意味として、最も適当なものはどれか。
1.常に琵琶を弾いておけ。
2.絶えず声をかけてあげなさい。
3.聞くに堪えない声をあげよ。
4.絶え間なく声高に歌っていろ。
5.音を絶やすことなく警戒の声をあげよ。
古文単語は、現代にないものだけでなく、
現代では用いない言葉の組み合わせのものもあります。
「声」「作る」…それぞれ単独では用いますが、
「声作る」という言葉の組み合わせは
現代、あんまり用いませんよね。
【声作る(こゑづくる)】
【自動詞:ラ行四段活用】
①改まった声を出す。作り声
②(相手の注意を促すために)声や咳(せき)で合図をする
③(警戒や魔よけなどのために)声をあげる。ことさらに声をたてる
※Weblio古語辞典より
今回は、「弦打ち」の「声(=音)」を「作る」ということなので、
③の魔除けの意味でしょう。
随身はそばにいなかったのか、
預かりの者に弦打ち、声作りの伝令を出したようですね。
(灬ºωº灬)
【正解】 5
召せば、御答へして起きたれば、
「紙燭さして参れ。『随身も、弦打して、絶えず声づくれ』と仰せよ。…」
● 過去記事リンク
■も
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