源氏イラスト訳【夕顔209】人離れたる
「…人離れたる所に、心とけて寝ぬるものか。惟光朝臣の来たりつらむは」と、問はせたまへば、
「さぶらひつれど、仰せ言もなし。暁に御迎へに参るべきよし申してなむ、まかではべりぬる」と聞こゆ。
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【源氏物語イラスト訳】
「…人離れたる所に、心とけて寝ぬるものか。
訳)「…こんな人離れた所で、気を許して寝ることがあろうか。
惟光朝臣の来たりつらむは」と、問はせたまへば、
訳)惟光朝臣が来ていたようなのは(どうした)」と、尋ねなさると、
「さぶらひつれど、仰せ言もなし。
訳)「控えておりましたが、ご命令もない。
暁に御迎へに参るべきよし申してなむ、まかではべりぬる」と聞こゆ。
訳)夜明け前にお迎えに参上するつもりだということを申し上げて、退出してしまいました」と申し上げる。
【古文】
「…人離れたる所に、心とけて寝ぬるものか。惟光朝臣の来たりつらむは」と、問はせたまへば、
「さぶらひつれど、仰せ言もなし。暁に御迎へに参るべきよし申してなむ、まかではべりぬる」と聞こゆ。
【訳】
「…こんな人離れた所で、気を許して寝ることがあろうか。惟光朝臣が来ていたようなのは(どうした)」と、尋ねなさると、
「控えておりましたが、ご命令もない。夜明け前にお迎えに参上するつもりだということを申し上げて、退出してしまいました」と申し上げる。
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■【人離(ひとばな)る】
■【たる】
■【に】
■【心とけ】
※【心解く】
■【て】
■【寝ぬる】
※【寝(い)ぬ】
■【ものか】
■【惟光(これみつ)】
■【朝臣(あそん)】
■【の】
■【来】
■【たり】
■【つらむ】
※【つ】
※【らむ】
■【は】
■【と】
■【問は】
■【せ】
■【たまへ】
※【たまふ】
■【ば】
■【さぶらひ】
※【さぶらふ】
■【つれ】
■【ど】
■【仰せ言(おほせごと)】
■【も】
■【なし】
■【暁(あかつき)】
■【に】
■【参る】
■【べき】
■【よし】
■【申し】
※【申す】
■【て】
■【なむ】
■【まかで】
※【まかづ】
■【はべり】
※【はべり】
■【ぬる】
■【と】
■【聞こゆ】
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光源氏…怒ってますね~;
そりゃ、こんなに不安に苛まれているのに、
みんなグースカ寝てんだもん^^;;
…やっぱり、光源氏のいちばんのお供である
惟光(これみつ)が、最も頼りになるようですね。