源氏イラスト訳【夕顔210】この、かう申す
この、かう申す者は、滝口なりければ、弓弦いとつきづきしくうち鳴らして、「火あやふし」と言ふ言ふ、預りが曹司の方に去ぬなり。
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【源氏物語イラスト訳】
この、かう申す者は、滝口なりければ、
訳)この、こう申し上げる者は「滝口の陣」の武士であったので、
弓弦いとつきづきしくうち鳴らして、
訳)弓の弦をたいそう手慣れた様子に打ち鳴らして、
「火あやふし」と言ふ言ふ、
訳)「火の用心」と言いながら、
預りが曹司の方に去ぬなり。
訳)管理人の部屋の方向へ行ったようだ。
【古文】
この、かう申す者は、滝口なりければ、弓弦いとつきづきしくうち鳴らして、「火あやふし」と言ふ言ふ、預りが曹司の方に去ぬなり。
【訳】
この、こう申し上げる者は「滝口の陣」の武士であったので、弓の弦をたいそう手慣れた様子に打ち鳴らして、「火の用心」と言いながら、管理人の部屋の方向へ行ったようだ。
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■【この】
■【かう】
■【申す】
■【は】
■【滝口(たきぐち)】
■【なり】
■【けれ】
■【ば】
■【弓弦(ゆづる)】
■【いと】
■【つきづきしく】
※【つきづきし】
■【打ち鳴らし】
■【て】
■【火あやふし】
■【と】
■【言ふ言ふ】
■【預かり】
■【が】
■【曹司(ざうし)】
■【の】
■【方(かた)】
■【に】
■【去(い)ぬ】
■【なり】
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☆本日の『源氏物語』☆
この…「惟光朝臣は帰りましたよ」と言った男は、
「預かり(管理人)の曹司(部屋)」の方に行ったことから、
おそらく、預かりの息子のことでしょう。
滝口の武士だったんだ、へぇ~!
文脈からも、いろいろ分かるんだね。