【夕顔210-3】古文常識「火あやふし」
高校1年生では、
まずは古文単語と古典文法を確実に覚えましょう!
出てきたものから覚えていきましょう♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
この、かう申す者は、滝口なりければ、弓弦いとつきづきしくうち鳴らして、「火あやふし」と言ふ言ふ、預りが曹司の方に去ぬなり。
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今回出てきた古文単語
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■【この】…指示連体詞
■【かう】…このように(「かく」のウ音便)
■【申す】…「言ふ」の謙譲(作者⇒光源氏)
■【は】…提示の係助詞
■【滝口(たきぐち)】…蔵人所(くろうどどころ)に属し、「滝口の陣」に詰めて、宮中の警護に当たった武士。滝口の武士
■【なり】…断定の助動詞「なり」連用形
■【けれ】…過去の助動詞「けり」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【弓弦(ゆづる)】…弓の弦
■【いと】…たいそう
■【つきづきしく】…シク活用形容詞「つきづきし」連用形
※【つきづきし】…ふさわしい。しっくりしている
■【打ち鳴らし】…サ行四段動詞「打ち鳴らす」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【火あやふし】…火の用心。宮中などで、夜番の役人が見回りのときに呼びかける言葉
■【と】…引用の格助詞
■【言ふ言ふ】…言いながら
■【預かり】…(廃院の)管理人
■【が】…連体修飾格の格助詞
■【曹司(ざうし)】…部屋
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【方(かた)】…方向
■【に】…帰着点を表す格助詞
■【去(い)ぬ】…立ち去る。行ってしまう
■【なり】…推定の助動詞「なり」終止形
◇ 今回は「なり」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「火あやふし」 ☆
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この、かう申す者は、滝口なりければ、弓弦いとつきづきしくうち鳴らして、「火あやふし」と言ふ言ふ、預りが曹司の方に去ぬなり。
問)傍線部の説明として、最も適当なものはどれか。
1.この者は滝口に務めていたので、弓弦の使い方もうまく、「火を消せ」という声もよく通っていた。
2.武士は武士でも滝口の武士だったので、弓弦を下手にうち鳴らして「火よどこかへ行ってしまえ!と叫んでいる。
3.寝殿の庭にある滝口の方へ、「火よ避けよ」とまじないの声を上げながら、弓弦を鳴らして行ってしまった。
4.滝口の武士にふさわしく、弓弦を手慣れたふうに鳴らしながら、「火の用心」と警戒の声を上げている。
5.この者が暮らしていたのは滝の入口であったので、弓弦を仰々しくならし、「火が怖い」と言っていた。
「さようなら」――
「こんにちは」――
「ごきげんよう」――
…てか、なんでそんなふうに言うんですか?
分からないけど、なんとなく使ってる言葉。
――現代でも、たくさんありますよね。
古文の中でも、「こんな時にはこの言葉」と
決まって用いる言葉があります。
今回の「火あやふし」も、その1つ☆
【火危ふし(ひあやふし)】
【連語:名詞+形容詞】
…火の用心。宮中などで、夜番の役人が見回りのときに呼びかける言葉
※Weblio古語辞典より
覚えておくと、
解釈に下手に時間をかけず、便利ですね。
「もの申しさぶらはむ」=もしもし
「いざたまへ」=さあいらっしゃい
…なども、ついでに押さえておきましょう!
(o^-')b
【正解】 4
この、かう申す者は、滝口なりければ、弓弦いとつきづきしくうち鳴らして、「火あやふし」と言ふ言ふ、預りが曹司の方に去ぬなり。
● 過去記事リンク
■いと
■預かり
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