【夕顔28-3】古文単語「もどかし」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔28-3】古文単語「もどかし」

源氏物語イラスト訳重要古語ですラブラブ 

 

古文単語でよく出題されるのは、


チェックボックス1.古典特有語

   …現代にない古語。


チェックボックス2.古今異義語

   …現代と意味の異なる古語。


チェックボックス3.死語的現代ワード

   …受験生世代はほぼほぼ使わない語。



…ですが、今回の古語は、

現代にもあるけれど、現代よりも幅広い古語☆

 

はい、ではいってみましょぉ~♪

٩(๑•̀∇•́๑)و

 

夕顔28のイラスト訳はこちら

 

【今回の源氏物語】

おし拭ひたまへるにほひいと所狭きまで薫り満ちたるげによに思へおしなべたら御宿世ぞかし尼君もどかしつる子ども、皆うちしほたれけり。

 

 

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今回出てきた古文単語
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■【おし拭(のご)ふ】…力をこめてふく。ぬぐう

■【たまへる】…~なさった作者⇒光源氏

※【たまへ】…ハ行四段「たまふ」の已然形尊敬の補助動詞

※【る】…完了の助動詞「り」の連体形

■【袖(そで)】…衣服の腕を覆う部分。たもと

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【にほひ】…香り。におい

■【も】…強意の係助詞

■【いと】…とても

■【所狭き】…ク活用形容詞「所狭し」の連体形

※【所狭し(ところせし)】…その場にいっぱいだ。余地がない

■【まで】…~まで範囲・限度

■【薫(かを)り】…よいにおい

■【満ち】…タ行四段動詞「満つ」の連用形

※【満(み)つ】…充満する。満ちる

■【たる】…存続の助動詞「たり」の連体形

■【に】…順接の接続助詞

■【げに】…なるほど。ほんとうに

■【よに】…まったく。いかにも

■【思へ】…ハ行四段動詞「思ふ」の已然形

■【ば】…順接の接続助詞

■【おしなべ】…バ行下二段動詞「おしなぶ」の連用形

※【おしなぶ】…並である。平凡である

■【たら】…存続の助動詞「たり」の未然形

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」の連体形

■【人】…。ここでは尼君をさす

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【御】…尊敬の接頭語

■【宿世(すくせ】…宿命。運命

■【ぞかし】…~だよ

※【ぞ】…強意の係助詞文末:強い断定

※【かし】…念押しの終助詞

■【と】…引用の格助詞

■【尼君(あまぎみ)】…大弐の乳母のこと

■【を】…対象の格助詞

■【もどかし】…非難したくなるようすである

■【と】…引用の格助詞

■【見】…マ行上一段動詞「見る」の連用形

■【つる】…完了の助動詞「つ」の連体形

■【子ども】…子どもたち

※【―ども】…複数の接尾語

■【うち―】…語調をととのえる接頭語

■【しほたれ】…ラ行下二段動詞「しほたる」の連用形

※【しほたる】…涙で袖が濡れる

■【けり】…過去の助動詞「けり」の終止形

   アップ

単語の意味文法的説明です。

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

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今回の古文単語 「もどかし」 ☆

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う~ん; もどかしい!

 ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿

 

 

 

…現代でもこの言葉、よく使います。

 

 

ちなみに、

古文の入試問題で語句の意味が出たら、

現代と異なる意味が問われてる

と思ったほうがbetterです!

─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ

 サゲサゲ↓  サゲサゲ↓

おし拭ひたまへる袖のにほひも、いと所狭きまで薫り満ちたるに、げに、よに思へば、おしなべたらぬ人の御宿世ぞかしと、尼君をもどかしと見つる子ども、皆うちしほたれけり。


問)傍線部の意味として最も適当なものを次の中から選べ。

1.尼君の対応が間接的でじれったい

2.尼君の対応が直接的で疎ましい

3.尼君の対応が俗的で気にくわない

4.尼君の対応が超然として現実味がない

5.尼君の対応が長すぎてまどろっこしい

  

 

うー;;ゲッソリ

 

「じれったい」にえんぴつが向いちぃますよね~;

( ;゚─゚)

 

 

【もどかし
【形容詞:シク活用】
①非難したくなるようすである。気にくわない
②じれったい。はがゆい

  *『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より

 

 

「もどかし」は、もともと

さからって非難する」という意味の

「擬(もど)く」の形容詞形といわれます。

 

なので、基本的には

の意味が原義とされます。

(o´・ω・`o)ノ

 

 

…こういう原義を知らなくても、

 

1.尼君の対応が間接的で(×)じれったい

2.尼君の対応が直接的で(△)疎ましい

3.尼君の対応が俗的で気にくわない

4.尼君の対応が超然として(×)現実味がない

5.尼君の対応が長すぎて(△)まどろっこしい

  

 

…文脈判断でも、イケそう…?

 

滝汗  滝汗  滝汗

 

 

 

解答……

 

 

【空蝉(第3章)】の一気読みはこちら⇒

【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

おし拭ひたまへるにほひいと所狭きまで薫り満ちたるげによに思へおしなべたら御宿世ぞかし尼君もどかしつる子ども、皆うちしほたれけり。


 

過去記事リンク

たまへり

たまふ  たまふ②

の(格助詞)

にほひ  匂ひ②

いと

ところせし(所狭し)

まで

たり(助動詞)  たり②

に(助詞)

げに

ば(接続助詞)

おしなぶ(押し並ぶ)

ぬ(「ず」「ぬ」の識別)

ず(助動詞)

人②

おほん(御)

宿世(すくせ)

ぞかし

と(格助詞)

を(格・接続助詞)

見る

つ(助動詞)

―ども(接尾語)

うち~(接頭語)

しほたる(潮垂る)

けり(助動詞)

 

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