公務員試験の教養科目の優先順位
今回は,2021年合格目標の受験生に向けて,「教養科目の優先順位」について,お伝えします。
「数的処理・文章理解が大事なのは知ってる。でも他の科目は…?」
「日本史・世界史を捨てるのはOKなのかな」
確かに,公務員試験は,勉強量が多い試験です。全ての科目をイチから対策することは不可能なので,多くの受験生の頭に「科目を絞る」という選択肢がよぎることでしょう。
結論から言うと,科目を絞るのは有効な戦略です。ただし,単にその科目が苦手だからとか勉強する時間が足りないからという消極的な目的で絞ってしまうと,逆に合格から遠のく可能性があります。
今回の記事で,教養科目の優先順位と科目の絞り方を押さえましょう。
⑴ 教養科目一覧
〇 知能分野
① 数的処理
数的推理,判断推理,空間把握,資料解釈
② 文章理解
英文,現代文,古文
〇 知識分野
① 自然科学
数学,物理,生物,化学,地学
② 人文科学
日本史,世界史,地理,思想,文学
③ 社会科学(時事問題を含む)
法律,政治,経済,社会
⑵ 教養科目の出題数
〇 試験種別の出題数まとめ
⑶ 最重要科目は,数的処理・文章理解
〇 試験の鉄則は,「一番出るところからやること」
教養試験の科目の中で最も重要なのは,数的処理・文章理解です。
シンプルに一番出るので,ここから対策すると時間効率よく合格に近づきます。
〇 数的処理
数的処理とは,数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈の4つにわけられます。
① 数的推理
数的推理とは,小学校で勉強した算数の文章問題が難しくなったものです。文章を読んで条件を抽出し,数式に変換して計算すれば答えが出ます。
② 判断推理
判断推理とは,問題文を整理する能力を問う科目です。問題文を読んで,表または図を作成しながら,情報を整理すれば答えが出ます。
③ 空間把握
空間把握とは,図形の基礎知識を基に面積や角度を求めさせるものです。三角形・円・三角錐といった図形に関して,展開図や頂点の数といった基礎知識があれば答えが出ます。
④ 資料解釈
資料解釈とは,問題のグラフ・表を整理する能力を問う科目です。グラフ・表を見て,選択肢に沿って「平均」や「変化率」を計算していけば,答えが出ます。
〇 文章理解
文章理解とは,現代文・英文・古文にわけられます。
① 現代文
センター試験の現代文よりもかなり短い文章が出題されます。ただし,教養試験は解答時間がシビアなので,正確かつ高速に文章を読む必要があります。
② 英文
センター試験よりも若干必要な語彙力は少なくなります。ただし,現代文と同様,解答時間の兼ね合いから,正確かつ高速に読破する能力が求められます。
③ 古文
センター試験よりもかなり必要な語彙力は減ります。出題数が少ないので,基本捨てます。
⑷ 人文科学・自然科学・社会科学の優先順位は?
〇 自然科学は最小限に
〇 人文科学は全部やる
〇 社会科学を侮るな!
最後に,社会科学は必ず過去問を1回以上解いてください。
巷では,「社会科学は専門科目で勉強した内容が出るから対策しなくてもよい」などという意見もあります。確かに,法律は憲法とほとんど被っていますし,経済の計算問題もミクロ経済学・マクロ経済学と,社会・時事も財政学や社会政策と被っています。
しかし,もちろん教養試験に特有の論点もあります。具体的には,政治の選挙制度・各国の政治制度,経済の金融・財政にまつわる経済用語などなどです。こういったいわゆる社会科学の基礎知識が,教養試験ならではの問題として出題されています。
こうした基礎知識は,個別に対策をしないと一生身に付きません。専門科目では基礎すぎて飛ばしただけなのに,見たことも聞いたこともない知識が勝手に備わることはありません。
「どの知識を見たことないのか」は,実際の過去問を見て,自分の目で確認してください。
〇 時事問題
時事問題は,社会科学に含めて扱われることが多い科目です。実際,勉強内容は,経済事情・社会事情・国際事情といった社会科学のイマドキ版です。
対策方法は,公務員試験では有名な『速攻の時事』という本で対策します。