おふくろと山形に行ってきた。
離れて暮らしているからさ、たった二日間だけの旅だったけど、密度の濃い二日間になった気がするよ。
思えば、こんなに一緒にいたことは無かったなぁ。
今回は、車で行ってきたぜ。
しかし速攻で大事件が…。
東北道に入ってすぐ、しょんべんっつー事でサービスエリアに寄った。
おふくろは最近あまり目が良くないからさ、「階段気をつけろよな」って言った次の瞬間、階段に思い切りつまづいて転んだ。
大丈夫大丈夫と言いつつ、腕が変な方向に曲がってるし…。
とりあえず速攻で救急車を呼んだよ。
山形に向かうはずが、高速を降りて病院に。
そんでもって、診断結果は…
骨折。
マジか…。
病院で、早急にギブスをしましょうって言われたんだけどさ、かかりつけの先生の所じゃなければ嫌だとか駄々をこねてさ(笑)
結局、ギブス無し。
マジか…。
三角巾でつるして、腕を固定して応急処置。
(^井^)「おふくろ…大丈夫か？」
「大丈夫よ」
マジか…。
腕、折れてるんですけど…(笑)
(^井^)「東京戻るか？」
「なーに言ってんのよ。米沢行くわよ。」
マジか…。
どんだけタフなんだよ。
って事で、車中ではずーーーーーっと親父の悪口ばっかりのおふくろ。
(^井^)「文句ばっか言ってるから親父のバチがあたったんじゃねーの？」
俺がそう言うと、笑っていたよ。
なんやかんやで、とりあえず着いた。
『なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり』
まさしく、俺の生き方の背骨となっている言葉だ。
上杉家ゆかりの土地、米沢で俺はまた力をもらったよ。
グダグダとごたくを並べる前に、まず「なせ」。
そしたらいずれ「成る」だろう。
話を戻そう。
親戚と会って、あれこれと私用を済ませて、宿へ。
おふくろは利き腕が折れちゃってるし、左手で食べるとぽろぽろとこぼすし、結局俺がスプーンで食べさせたよ。
普段気が付かない親の衰えっつーか、老いを間近に感じてさ、何だか色々と考えさせられる旅になったよ。
こんな俺でも親はこの人しかいないし、俺がどうなろうともこの人にとっては俺は息子なわけでさ。
感謝以上の言葉があるなら、感謝以上を伝えられる行動があるなら、是非それを言いたいし、したいね。
旅から帰ってきても、骨折してるもんで何かと不自由してるから、俺が行ける限りは行ってあれこれと身の回りのことをしてはいる。
人は親から守られ、いつか守る側になり、そしてまたいつか、自分が守られる時がくる。
日本って、昔からそうだよな。
だからこそ家族の絆は強いんだろうし、大事なもんが代々精神の中で受け継がれていくんだろう。
そんなことを思ったりもした。
しかもさ、守っているようで、実は逆っていうかさ。
そういう経験を通して、親からは死ぬまで、そして死んでからも学ばせてもらうのだろうよ。
さて、おまけの写真。
(^井^)「おふくろ、写真撮って」
「なにそのポーズ」
(^井^)「ハンガー拳法だよ」
「…この子(バカ)産んだの誰…」
(^井^)「おふくろだよ」
「…(ためいき)」
井口達也
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