「ロシア語」(ラテン文字転写)「村山七郎訳」『ごんざ訳』
「часы」(chasy) 「時計」 『とけ』
ごんざが「時計」ということばをしっていることにおどろいた、と前にかいた。
「世界図絵」「77 時計」に興味ぶかいごんざの訳語がある。
ラテン語原文:Solarium oftendit umbra Gnomonis
日本語訳:日時計は しめす 影 グノモン
ロシア語訳:солнечные часы показуютъ гномономъ
ロシア語の日本語訳:日の 時計は しめす グノモンで
ごんざ訳:ふぃの とけなんだ みしぇらる よこん ふぁいぢぇ
ごんざ訳の現代日本語訳:日の 時計などは みせる 横の 針で
「グノモン」という私もしらなかったことばを、ごんざはちゃんと訳している。
岩波ロシア語辞典
「гномон ノーモン、指時柱(古代の日時計の柱)。」
リーダーズ英和辞典
「gnomon 1(日時計の)指時針;(古代人が太陽の南中高度測定などに用いた)晷針。」
ロシア語辞典の語釈の「ノーモン」も「指時柱」も、英和辞典の語釈の「指時針」も国語辞典にでていない。
「晷針」だけがでていた。
日本国語大辞典
「きしん(晷針)(「晷」は日かげの意)古代の日時計の一つ。台の上に一定の高さの棒を垂直にたて、棒が台に落とす影の方向によって時間をはかり、夏至は最短に、冬至は最長になる影の長短によって、季節の推移や一太陽年の長さなどを知る装置。日晷儀(ひきぎ)。」
日時計の針(棒?)のことらしい。
こんなことばをごんざがしっているわけがないから、ごんざは絵をみて訳語をかいたんだろう。
そして、訳語が『よこん ふぁい』(横の針)になっているのは、ごんざがみていた絵は、私たちが子どものころみた、水平のめもり板に棒がたっている日時計ではなく、垂直のめもり板に水平の棒がついている日時計なんだろう。
「世界図絵」井ノ口淳三訳 平凡社 についている絵でも、日時計は壁についためもり板から棒がつきでている。