「ロシア語」(ラテン文字転写) 「村山七郎訳」 『ごんざ訳』
「совоспитомец」(sovospitomets)「一緒に養育する者」『ふとつぃおいぇたと』
鹿児島県立図書館の原稿コピーをみたら、ごんざは(фтоцыоя)(ftotsyoya)(ふとつぃおや)とかいてから(я)(ya)にかさねて『етатъ』(etat')『いぇたと』とかいていた。
みだし語は「со」(so)+「вос」(vos)+「питомец」(pitomets)という構造だ。
岩波ロシア語辞典
「со Ⅱ3協力、随伴、相互動作を意味する名詞、形容詞をつくる。」
「вос 1'上へ'の意。2'再び、新たに'の意。3'返報、対応'の意。4'急激な開始、発現'の意。5'最後まで、完全に'の意。」
「питомец 1養い子。2教え子、弟子;学生、生徒。3飼って(育てて)いる動植物。」
村山七郎訳は「一緒に養育する者」になっていて、日本語の連体修飾のわかりにくい点で、(一緒にそだてた保護者仲間)なのか(一緒にそだった子ども)なのかわからない。
ごんざのかきかえは現在形の『おやす/おやかす』(そだてる)から過去形の『おいぇたと』(そだてた)へのかきかえなんだろう。
ただ、他動詞の「おやす」(そだてる)の過去形は(おやした)→(おやいた)→(おいぇた)と変化して(おいぇた)で、自動詞の「おゆる」(そだつ)の過去形も(おいぇた)というおなじ形になるんじゃないだろうか。
みだし語の意味は(一緒にそだった子ども)だろうから、ごんざの『おいぇたと』が自動詞である可能性もあるとおもう。