形容詞のみだし語をごんざが現代日本語の「名詞 + の」(たとえば「魚の」)のように訳す場合、ごんざの訳語には変形がたくさんあるものの、原則的には
A「母音でおわる名詞 + んと」(たとえば『おとこんと』『отоконтъ』)
B「子音でおわる名詞 + のと」(たとえば『ごくらくのと』『гокъракнотъ』)
だとおもっていた。
ところが「んと」と「のと」の区別のルールはそんなに単純ではないことがわかった。
A-1 「и」「й」「ь」(i) 現代日本語のイ段にあたる母音でおわる名詞には「のと」がつく。
「дымный」(dymnyidymnyi)「煙の多い」『けむいのと』кЕмуинотъ
ほか28例
「млечный」(mlechnyi)「乳の」『ちちんと』чичинтъ
ほか3例
「лекарственный」(lekarstvennyi)「薬の」『くすいのと』ксуйнотъ
ほか21例
『 - йнтъ』 0例
「Змiевый」(zmievyi)「蛇の」『ふぇびのと』фебьнотъ
ほか67例
『 - ьнтъ』 0例
ただし、「ы」(y) 「うぃ」でおわる名詞には「んと」がつく。2例
「забавный」(zabavnyi)「おかしい」『ふぁらぐるぃんと』фарагърынтъ
「клейный」(kleinyi)「膠・糊付けの」『そくうぃんと』соквынтъ