「ロシア語」(ラテン文字転写) 「村山七郎訳」 『ごんざ訳』
「Осада」(osada) 「包囲」 『すぃゆること』
村山七郎注 cf. スユル(据ゆる)ヂンヲスユル(陣を据ゆる)陣営を設定する。シェキヲスユル(関を据ゆる)関所を設ける。大勢の人々が通る通路をせき止め押さえる。日葡。
鹿児島県立図書館の原稿コピーのこの項目のところをみたら、ごんざははじめに(чеавкотъ)(cheavkot')(ちぇあうこと)とかいたのをけして(сыюркотъ)(syyurkot')『すぃゆること』(すえること)にかきかえていた。
(ちぇあう)というのは(てあう)だろうとおもって辞書をひいても、動詞の形ではでていなくて、名詞だけがでている。
日本国語大辞典 「てあい(手合)①勝負をすること。手合わせ。」
これだと(たたかうこと)という意味だから、(相手をうごかない状態にする)という意味なら『すぃゆる』の方がいいかな、とごんざはかんがえて、かきかえたんだろう。
(ちぇあう)はほかのみだし語の訳語としてはでてこない、まぼろしのごんざ語彙のひとつだ。しかも動詞の形では日本語の辞書にもでてこないことばだ。