「ロシア語」(ラテン文字転写) 「村山七郎訳」 『ごんざ訳』 村山七郎注
「буду」(budu) 「(~する)だろう」 『く』 来
ロシア語の助動詞は、英語の助動詞とはちがって、ふつうの動詞を助動詞に流用しているようなつかい方らしい。
「буду」(budu)も(ある・いる)とか(いく・くる)とかの意味をもつ動詞なんだけど、英語の「will」のように未来をあらわすのにもつかわれる。
ごんざの訳語は、いくつかある動詞の意味のうちのひとつだけど(ごんざの訳語は原則的に一対一のいさぎよい対応だ)、村山七郎訳は「(~する)だろう」なんて、まるで自立性のない助動詞だけのような訳語になっている。
つぎの村山七郎訳はもっと変だ。
「будущiй」(budushchii) 「~するだろうところの」『くるとん』 来るとン
岩波ロシア語辞典 「будущий 1未来の、将来の。2 次の。」
「будущiй」(budushchii)は「~するだろうところの」なんていう動詞とペアでつかわれるだけのことばではなく、ふつうの形容詞だ。
ごんざの訳語の『くるとん』は英語の「coming」とおなじように未来をあらわしている。