Cry of the City

凶悪犯のマーティンは警官と銃撃戦を演じて病院に収容された。
幼馴染の警部補ヴィクトリオは、マーティンが以前に起こした宝石強盗を追及する。
マーティンは刑務所の病棟に移送されたが脱走した。

 


製作年:1948、監督:Robert Siodmak、脚本:Richard Murphy、Ben Hecht、原作:The Chair for Martin Rome(Henry Edward Helseth)


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ヴィクトリオ・キャンデラ警部補(ヴィクター・マチュア)
 ジム・コリンズ警部補(フレッド・クラーク)

 マーティン・ローム(リチャード・コンテ)
 ローム氏(ティト・ヴオロ) マーティンの父親
 ローム夫人(ミミ・アガグリア) マーティンの母親
 トニー・ローム(トミー・クック) マーティンの弟

 ブレンダ・マーティンゲール(シェリー・ウィンターズ) マーティンの昔の恋人
 ティーナ・リカンテ(デブラ・パジェット) マーティンの今の恋人
 フランシス・プルーエット(ベティー・ガルデ) 看護師
 ローズ・ギヴンス(ホープ・エマーソン) 故買屋
 W.A.・ナイルズ(ベリー・クルーガー) 弁護士
 ヴェラ(ジョーン・ミラー) ナイルズの秘書
 オーヴィ(ウォルター・ボールドウィン) 刑務所の看守
 ヴェロフ医師(コンスタンティン・シャイン) 外国人医師

リチャード・コンテとデブラ・パジェットは「(1949)他人の家/House of Strangers」で婚約者同士として共演している。
 


■ あらすじ

◆ マーティンは警官を殺してケガをした

マーティン・ロームは警察官と銃撃戦を演じて殺害した。自分も重傷を負って病院に入れられた。

ヴィクトリオ・キャンデラ警部補とジム・コリンズ警部補がマーティンを訪ねてきた。

ヴィクトリオとマーティンはともにイタリア系で貧民街で育った幼馴染である。ヴィクトリオはマーティンの家族もよく知っている。

二人はマーティンが以前に起こした宝石強盗殺人事件について追求した。

◆ 弁護士ナイルズ

二人が帰った後、マーティンの恋人のティーナ・リカンテが忍び込んで来た。ティーナは泣いて帰った。

さらに怪しい弁護士ナイルズが来てマーティンを脅した。すなわち「宝石の隠し場所を教えなければティーナを傷つける」という。

その後マーティンは担当看護師のフランシス・プルーエットにナイルズや警察からティーナを守ってくれるようにお願いした。

◆ マーティンは脱走した

最初はマーティンはまったく動けなかったが、次第に回復して来たので、病院から刑務所の病棟に移送された。

看守のオーヴィは待遇に不満をもっており、マーティンに病棟の鉄格子の扉はスプーンで開けられることを教えた。

オーヴィは本気ではなかったのだが、マーティンはオーヴィを脅して脱走した。

まだ足を引きずってはいるが、刑務所の外まで逃れた。

◆ 宝石をロッカーに隠した

マーティンはナイルズの事務所を訪れて宝石がローズ・ギヴンスという故買屋で換金できることを聞き出した。

その際に間違ってナイルズの秘書を殺してしまった。

マーティンは隠してあった宝石を取り出し改めて地下鉄駅のロッカーに隠した。

マーティンは両親のアパートに行った。両親はマーティンを拒否したが、弟のトニーはマーティンを崇拝していた。

その時ヴィクトリオが来た。マーティンは拳銃でヴィクトリオを脅して姿をくらませた。

ヴィクトリオはトニーに警告した。

◆ マーティンはギヴンスのところへ向かった

マーティンは昔の恋人のブレンダ・マーティンゲールを訪れた。ブレンダに依頼してギヴンスの住所を突き止めた。

二人はギヴンスのところに行こうとする。だがマーティンの衰弱が激しくなってきた。

ブレンダは、無免許の外国人医師のヴェロフを探してきて、走る車の中でマーティンを治療してもらった。

やっとのことでギヴンスの家に到着したマーティンは宝石と引き換えに、5000ドル、車、国外への脱出などを要求した。体調が悪いので、この要求がせいぜいできることであった。

二人は地下鉄駅で再度落ち合うことになった。

◆ ヴィクトリオは撃たれた

一方ギヴンスは裏切って、マーティンと地下鉄の駅で会うことを警察に伝えた。

警察が来る前にマーティンとギヴンスは会ったのだが、宝石と現金のどちらを先に渡すのかでもめた。

そこにヴィクトリオなどが登場した。ギヴンスを連行しようとした。

ギヴンスの裏切りを知ったマーティンはギヴンスに向かって引き金を引いたがヴィクトリオに当たってしまった。

マーティンは逃亡した。

◆ マーティンは射殺された

ヴィクトリオは病院に収容されたが、マーティンを追うために病室から抜け出した。

マーティンがティーナと会うと見てティーナの行方を追った。

まさにその通りで、マーティンは教会でティーナと会った。だがしかしティーナはマーティンと同行することを拒否した。

そこにヴィクトリオが現れた。マーティンは傷ついているヴィクトリオが追いつけないと見て逃げ出した。

ヴィクトリオは後ろからマーティンを射殺した。

それをティーナと駆けつけたトニーが見ていた。
 


■ 出演作

ヴィクター・マチュア
(1940)美人モデル殺人事件/I Wake Up Screaming
(1946)荒野の決闘/My Darling Clementine
(1947)死の接吻/Kiss of Death
(1949)サムソンとデリラ/Samson and Delilah
(1953)聖衣、キリスト教弾圧/THE ROBE
(1954)ディミトリアスと闘士/Demetrius and the Gladiators
(1954)エジプト人/The Egyptian
(1952)アンドロクレスと獅子/Androcles and the Lion

◆ リチャード・コンテ
(1946)記憶の代償/SOMEWHERE IN THE NIGHT
(1949)深夜復讐便/THIEVES' HIGHWAY
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1968)セメントの女/Lady in Cement
(1948)出獄/CALL NORTHSIDE 777
(1947)いのち短し/The Other Love
(1949)ならず者と墓荒らし/Big Jack
(1950)大病院殺人事件/The Sleeping City
(1953)バビロン伝説/Slaves of Babylon
(1954)ハイウェイ捜査網/Highway Dragnet
(1949)他人の家/House of Strangers
(1949)疑惑の渦巻/Whirlpool
(1955)ニューヨーク秘密結社/New York Confidential
(1955)ビッグ・コンボ:刑事の執念とギャングの反撃/The Big Combo

デブラ・パジェット
(1949)春の珍事/It Happens Every Spring
(1950)折れた矢/Broken Arrow
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies
(1957)十戒/THE TEN COMMANDMENTS
(1956)やさしく愛して/Love Me Tender
(1954)ナイルの王女/Princess of the Nile
(1951)14時間の恐怖/Fourteen Hours
(1957)舞い散った札束/断崖の河/The River's Edge
(1960)シーラ、クレオパトラの娘/Cleopatra's Daughter
(1949)他人の家/House of Strangers
(1951)南海の劫火、極楽鳥/Bird of Paradise
(1958)宇宙冒険旅行:地球から月へ/From the Earth to the Moon
(1960)私が死刑になる理由/Why Must I Die
(1963)怪談呪いの霊魂/The Haunted Palace

シェリー・ウィンターズ
(1947)二重生活/ A Double Life
(1950)ウィンチェスター銃'73/Winchester '73
(1949)陽の当たる場所/A Place in the Sun
(1954)重役室/Executive Suite
(1955)悪徳/The Big Knife
(1959)拳銃の報酬/ODDS AGAINST TOMORROW
(1965)偉大な生涯の物語/The Greatest Story Ever Told
(1970)血まみれギャングママ/Bloody Mama
(1951)密輸と犬とギャング/Behave Yourself
(1951)その男を逃すな/He Ran All the Way
(1960)俺の墓標は立てるな/Let No Man Write My Epitaph
(1961)明日なき十代/The Young Savages
(1950)フレンチー:殺された父親の仇/FRENCHIE