■ House of Strangers
マックスは刑期を終了した。父親が設立し、今は兄弟が経営している銀行に行った。
服役することになったのは兄弟のせいである。少なくともマックスはそのように考えている。
その場は別れた。屋敷に行って父親の肖像画を見ながら過去を回想した。回想が終了すると兄弟に対する憎しみは洗い流されていた。


製作年:1949、監督:Joseph L. Mankiewicz、脚本:Philip Yordan、Joseph L. Mankiewicz、原作:ll Never Go There Any More(Jerome Weidman)


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ジノ・モネッティ(エドワード・G・ロビンソン)
 テレサ・モネッティ(エスター・ミンチオッティ) 妻
 ジョー・モネッティ(ルーサー・アドラー) 長男
 ジョーの妻(?)
 マックス・モネッティ(リチャード・コンテ) 次男、主人公
 ピエトロ・モネッティ(ポール・ヴァレンティン) 三男
 トニー・モネッティ(エフレム・ジンバリスト・ジュニア) 四男

 マリア・ドミニコ(デブラ・パジェット) マックスの恋人
 ヘレナ・ドミニコ(ホープ・エマーソン) マリアの母親
 アイリーン・ベネット(スーザン・ヘイワード)

マリアはマックスの恋人であるが存在感がない。デブラは好きだが、ちょいと残念。
 


■ あらすじ

◆ マックスは出所した

マックス・モネッティは七年ぶりに出所した。

その足で銀行に行った。その銀行はかって父親のジノが経営していたものだが、現在はマックスの三人の兄弟のものとなっていた。

マックスは銀行のロビーから奥の部屋に入った。三人が迎えた。敵対的な雰囲気である。

マックスは三人と睨み合った。長兄のジョーはマックスに金を渡そうとしたが、拒否して銀行を出た。

◆ アイリーンと会った

今度は、昔付き合ったアイリーン・ベネットのアパートに行った。

アイリーンは不在だったが、廊下の棚の花瓶の下に置いてあったカギを取り出しい中に入った。

アイリーンが戻ってきた。アイリーンはマックスに抱き着いた。

アイリーンは「カリフォルニアに行って暮らしましょう」と話した。

それには返答せずマックスはアイリーンのアパートを出て、今は誰も住んでいないモネッティの旧屋敷に向かった。

中に入って父親の肖像画を前に過去を回想した。

◆ ジノの銀行経営

父親ジノはイタリア移民を相手に高利貸しをしていたが、発展して銀行となった。

ジノは顧客に厳しい態度で臨んだ。貸す時も厳しく審査し、また厳しく取り立てた。

しかしたまには困っている人に無利子で貸すような人情深い面もあった。

事業の発展にともなって大きな屋敷を構えた。ジノは暴君であって息子たちには自由を与えず自分の意見を押し付けた。

マックスを除く息子たちは、そのような父親に反感を抱いていた。しかし父親の言うことに従うほかはなかった。

マックスだけは、弁護士の資格を持っており、また頭の回転が効いていたことから、ジノに信頼されていた。

◆ アイリーンと知り合った

マックスにはマリアという婚約者がいた。

ある時、仕事の関係でアイリーン・ベネットという女性が訪れた。

マリアに不満はなかったのだがマリアは大人しくて、それ以上の魅力がなかった。

アイリーンは自分の才覚で仕事をしているだけに、しっかりとした人物であった。

マックスとアイリーンはお互いに惹かれた。

◆ マックスは服役した

ジノは銀行法違反の廉で告発され裁判となった。マックスはなんとか父親を救おうとしたが、他の三人は協力を拒否した。

裁判はジノに不利な形で進行した。

困ったマックスは陪審員を買収しようとした。それをジョーが密告して懲役七年の刑となった。

マックスが服役している間に、銀行は三兄弟のものとなり、ジノは死亡した。

◆ ジョーが転落死する

ここで回想は終了。

回想を終えたマックスは、兄弟に対する恨みが流れ去っていた。この後はいアイリーンと暮らすことにした。

マックスはアイリーンに電話をかけて「会いたい」と伝えた。

三兄弟が入ってきた。三人と睨み合った。ジョーは三男のトニーに指示してマックスを殴らせた。

トニーはアマチュアだがボクシングをしており、マックスは簡単に殴り倒された。

さらにジョーはトニーに指示をして、マックスを三階に担ぎ上げた。

ジョーは「マックスを落とせ」と指示した。しかし、これにはトニーが反対した。トニーはジョーに殴りかかった。

気がついたマックスはトニーを止めた。

この混乱でジョーは転落した。

◆ アイリーンが来た

この時に、アイリーンの車が玄関先に到着しクラクションを鳴らした。

その音で我に返ったマックスは階段を下りて玄関に出た。

二人は車に乗って走り去った。
 


■ 出演作

◆ エドワード・G・ロビンソン
(1944)深夜の告白/Double Indemnity
(1944)飾窓の女/The Woman in the Window
(1945)緋色の街、スカーレットストリート/Scarlet Street
(1948)キー・ラーゴ/Key Largo
(1956)十戒/The Ten Commandments
(1941)海の狼/The Sea Wolf
(1949)他人の家/House of Strangers

◆ リチャード・コンテ
(1946)記憶の代償/SOMEWHERE IN THE NIGHT
(1949)深夜復讐便/THIEVES' HIGHWAY
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1968)セメントの女/Lady in Cement
(1948)出獄/CALL NORTHSIDE 777
(1947)いのち短し/The Other Love
(1949)ならず者と墓荒らし/Big Jack
(1950)大病院殺人事件/The Sleeping City
(1953)バビロン伝説/Slaves of Babylon
(1954)ハイウェイ捜査網/Highway Dragnet
(1949)他人の家/House of Strangers

デブラ・パジェット
(1949)春の珍事/It Happens Every Spring
(1950)折れた矢/Broken Arrow
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies
(1957)十戒/THE TEN COMMANDMENTS
(1956)やさしく愛して/Love Me Tender
(1954)ナイルの王女/Princess of the Nile
(1951)14時間の恐怖/Fourteen Hours
(1957)舞い散った札束/断崖の河/The River's Edge
(1960)シーラ、クレオパトラの娘/Cleopatra's Daughter
(1949)他人の家/House of Strangers

スーザン・ヘイワード
(1942)奥様は魔女/I MARRIED A WITCH
(1938)黄昏/THE SISTERS
(1951)狙われた駅馬車/Rawhide
(1942)絶海の嵐/Reap the Wild Wind
(1946)暁の死線/タイムリミット25時/DEADLINE AT DAWN
(1958)私は死にたくない/I Want to Live!
(1947)私は殺さない/THEY WON'T BELIEVE ME
(1954)悪の花園/Garden of Evil

(1947)Smash-Up,The Story of a Woman
(1949)タルサ/Tulsa
(1949)他人の家/House of Strangers