The Haunted Palace

1765年、マサチューセッツ州アーカム。夜、フィッチという女性がトランス状態のまま、ジョセフ・コーウェンの屋敷に入った。
中ではラテン語で怪しい儀式が行われた。それを見た女性二人は村に知らせに走った。
ジョセフは魔術師であると見なされて木に縛り付けられて火刑にされた。ジョセフは復讐の言葉を叫びながら死亡した。
110年後、ジョセフの曽孫チャールズ・デクスター・ウォードが妻のアンとともに当地に来た。過去のジョセフの事件は知らない。
屋敷に入ると大広間にジョセフの肖像画が飾ってあった。チャールズは肖像画を見た。ジョセフもチャールズを見た。チャールズは憑依された。


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製作年:1963、監督:Roger Corman、脚本:Charles Beaumont、原作:The Haunted Palace(Edgar Allan Poe)、The Case of Charles Dexter Ward(H. P. Lovecraft)


■ はじめに

◆ 18世紀登場人物(キャスト)
ジョセフ・コーウェン(ヴィンセント・プライス:二役) チャールズの曾祖父
ジョセフの妻(デブラ・パジェット:二役)
エズラ・ウィーデン(レオ・ゴードン:二役)
マイカ・スミス(エリシャ・クック・jr.:二役)
ミス・フィッチ(ダーリーン・ルフト)
ヘスター・ティリングハスト(キャシー・マーチャント) ジョセフの愛人
ベンジャミン・ウェスト(ジョン・ディークス:二役)
プリアム・ウィレット(フランク・マックスウェル:二役)
ギデオン・リーチ(ガイ・ウィルカーソン:二役)

◆ 19世紀登場人物(キャスト) - 110年後
チャールズ・デクスター・ウォード(ヴィンセント・プライス:二役)
アン・ウォード(デブラ・パジェット:二役)
エドガー・ウィーデン(レオ・ゴードン:二役)
エドガーの妻(バルブーラ・モリス)
ピーター・スミス(エリシャ・クック・jr.:二役)
ヤコブ・ウェスト(ジョン・ディークス:二役)
マリヌス・ウィレット医師(フランク・マックスウェル:二役)
Mr.リーチ(ガイ・ウィルカーソン:二役)
サイモン・オーネ(ロン・チェイニー・Jr.) 屋敷の管理人
ジャベス・ハッチンソン(ミルトン・パーソンズ)

◆ 補足

ヴィンセント・プライスには実にピッタリの役。デブラ・パジェットが綺麗に映っているので嬉しい。

広間にジョセフの肖像画が飾ってあり、チャールズがそれを見てジョセフの霊に操られる。これがストーリー展開のエネルギーになっている。ただ、このことはセリフでは語られないので、ちゃんと把握する必要がある。

原作はH.P.ラヴクラフトの「The Case of Charles Dexter Ward」なのだが、エドガー・アラン・ポーの「The Haunted Palace」にインスパイアされた(ということになっている)。

マサチューセッツ州アーカムはラヴクラフトの原作の(架空の)場所。だが最後の魔女裁判が行われたマサチューセッツ州セイラムがモデルと言われている。
 


■ あらすじ

◆ 彷徨う女性

1765年、マサチューセッツ州アーカム。夜、エズラ・ウィーデンとマイカ・スミスはトランス状態になっている女性を見かけた。ミス・フィッチである。

彼女は墓地を通ってジョセフ・コーウェンの屋敷に辿り着いた。ドアをノックするとヘスター・ティリングハストが出てきて、中に招き入れられた。

それを見て二人は村に知らせに走った。

ミス・フィッチは地下に案内された。待っていたジョセフはフィッチを二本の柱の間に鎖で繋いで、ラテン語で祈りを唱えた。

フィッチは唸り声をあげて体を揺らした。

◆ ジョセフは焼き殺された

エズラとマイカから知らせを受けた村人たちが、松明をかざして屋敷までやってきた。

ジョセフはミス・フィッチを玄関に出すが、彼女はまだトランス状態だった。彼女はジョセフの問いに「自分の意志で来た」と答えるが、エズラが彼女の名前を聞くと答えられない。

人々はジョセフが魔術師であると断定し、ジョセフを木に縛り付けた。

ジョセフは「必ずや死からよみがえり、村人たちに復讐する」と叫んだ。

そしてジョセフは火を付けられ焼き殺された。

◆ 曽孫のチャールズが来た

110年後、ジョセフの曽孫、チャールズ・デクスター・ウォードが妻のアンとともに村にやってきた。

二人が酒場に入ったところ「村は呪われている」と警告されたが、チャールズは、その話を笑い飛ばした。

マリヌス・ウィレット医師やエドガー・ウィーデンに案内されて、山の中腹にある屋敷に入った。屋敷の管理人サイモン・オーネが出迎えた。

その後エドガーは村に戻って「ジョセフ・コーウェンが戻ってきた」と村人たちに警告した。

◆ 肖像画との対面

チャールズとアンは屋敷の大広間にジョセフの大きな肖像画があるのに気が付く。チャールズと瓜二つである。

チャールズは肖像画を見たが肖像画はチャールズを見返した。チャールズは一瞬の間だが意識を失った。

二人は屋敷には泊まらずに他に行くつもりであったが、とりあえず屋敷に泊まることになる。アンは不安そうである。

◆ 秘密の生き物

エドガーの自宅にはカギがかかった部屋がある。ドアには小さな窓がある。その奥には何やら生物が飼われている。

窓から餌をやろうとすると手を掴まれた。エドガーはロウソクの火を使って手を解放した。

エドガーは「ジョセフが戻ってきたことを"それ"が知っている」と妻に話す。

◆ 突然変異の人々

霧の深い早朝、チャールズとアンが町を歩いていた。すると数人の人々が現れて取り囲まれた。彼らは顔がつぶれていたり、目が見えなかったりした。

教会の鐘の音が鳴り響くと、彼らは姿を消した。

マリヌス・ウィレット医師によれば「彼らは突然変異」だとのことである。さらに「エドガーが二人を追い払おうとしている」と言う。

◆ ウィレット医師の話

150年前ジョセフ・コーウェンが村にやってきた。最初の妻は出産で死亡した。

ジョセフはその後、エズラ・ウィーデンの婚約者ヘスター・ティリングハストを強引に愛人にした。

若い娘が姿を屋敷に姿を消し、彼女たちが記憶がない状態で戻ってくる事件が続いた。

村人たちは、ジョセフが何らかの実験をしており、記憶のない女性たちは実験の失敗であると考えた。

◆ ヘスターの遺体

ウォード夫妻が来て一週間が過ぎた。ある人々は、チャールズに殺そうとと主張する。

ある夜遅くチャールズ=ジョセフはへスターの墓を掘り起こして、彼女の遺体を屋敷に運び入れて、秘密の地下室に入れた。

チャールズ=ジョセフはへスターが生き返るようにラテン語で祈りを唱えた。

へスターは生き返ったものの、あまりに生命力が弱かった。ここでチャールズ=ジョセフは力が尽きた。

チャールズ=ジョセフは地下室から戻る。

我に還ったチャールズは自分が狂ってしまうのではないかと心配した。アンに屋敷から出なければならないと言う。

◆ チャールズ=ジョセフは復讐を誓う

翌朝、二人は帰ることにするが、先にアンがタクシーに乗り、チャールズは用事があって残った。

アンはウィレット医師と会って、墓荒らしがチャールズの仕業ではないかと聞いた。対してアンは、チャールズが引っ越してきてから人格が変わってしまったことを報告した。

チャールズはジョセフの肖像画を見て、再度憑依された。

チャールズ=ジョセフは「(110年前に)自分を殺した奴らの子孫に復讐する」と宣言した。

◆ チャールズ=ジョセフの復讐

チャールズ=ジョセフはエドカーの自宅の屋根裏部屋のドアを開けて、化け物を解放した。エドガーはその化け物に殺され、チャールズ=ジョセフは復讐リストからエズラ・ウィーデンの名前を削除した。

夜、ビーター・スミスが一人で歩いている時に、チャールズ=ジョセフは彼にガソリンをかけて殺した。マイカ・スミスの名前が消された。

この事態にいたってアンはウィレット医師とともに屋敷に戻った。

二人は屋敷の中を探した。地下への秘密のドアを発見して下りていく。

チャールズ=ジョセフがいた。そして得体がしれない化け物がいた。

◆ チャールズは解放された?

村人たちは武器を持って屋敷に向かった。すなわち110年前の状況と同じである。

彼らは屋敷に火を放った。ジョセフの肖像画が焼けて落ちた。

するとチャールズは憑依から抜け出して、アンを助けてくれるようにウィレット医師に依頼した。

ウィレット医師はアンを外に連れ出して、また屋敷に戻った。

チャールズは「もう大丈夫だ」とウィレット医師に告げた。

ウィレット医師はそれに満足しチャールズに背を向けた。だが、チャールズの目は再び憑依されている表情に変化した。
 


■ 出演作

◆ ヴィンセント・プライス
(1944)ローラ殺人事件/Laura
(1951)替え玉殺人事件/HIS KIND OF WOMAN
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young
(1946)操られた目撃者/Shock
(1945)哀愁の湖/Leave Her to Heaven
(1964)地球最後の男/The Last Man on Earth
(1947)罠にかかった弁護士/The Web
(1955)四十人の女盗賊/Son of Sinbad
(1946)呪われた城/Dragonwyck

デブラ・パジェット
(1949)春の珍事/It Happens Every Spring
(1950)折れた矢/Broken Arrow
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies
(1957)十戒/THE TEN COMMANDMENTS
(1956)やさしく愛して/Love Me Tender
(1954)ナイルの王女/Princess of the Nile
(1951)14時間の恐怖/Fourteen Hours
(1957)舞い散った札束/断崖の河/The River's Edge
(1960)シーラ、クレオパトラの娘/Cleopatra's Daughter
(1949)他人の家/House of Strangers
(1951)南海の劫火、極楽鳥/Bird of Paradise
(1958)宇宙冒険旅行:地球から月へ/From the Earth to the Moon
(1960)私が死刑になる理由/Why Must I Die