【夕顔347-3】古文単語「参で来」
高校受験を終えられたみなさん。
古文の大学受験は、情報処理能力がカギ☆
早めの古文目線の習得が不可欠ですよ~♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.古今異義語(現代の意味と違うもの)
2.古典多義語(現代より幅広いもの)
3.古今同義語(現代と同じ意味のもの)
があります。
大学入試によく出るのは、今回のような【古典常識語】です♪
【今回の源氏物語】
「…三年ばかりは、心ざしあるさまに通ひたまひしを、去年の秋ごろ、かの右の大殿より、いと恐ろしきことの聞こえ参で来しに、
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今回出てきた古文単語
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■【ばかり】…限定の副助詞
■【は】…取り立ての係助詞
■【心ざし】…愛情
■【ある】…ラ変動詞「あり」の連体形
■【さま】…様子
■【に】…状態の格助詞
■【通ひ】…ハ行四段動詞「通ふ」の連用形
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」の連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(右近⇒頭中将)
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【を】…逆接の接続助詞
■【去年(こぞ)】…去年
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【秋ごろ】…秋ぐらい
■【かの】…あの
■【右の大殿(おほいとの)】…右大臣家(の頭中将の正妻)
■【より】…起点の格助詞
■【いと】…とても
■【恐ろしき】…シク活用形容詞「恐ろし」の連体形
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」の連用形
※【聞こゆ】…聞こえる
■【参で来(までこ)】…カ変動詞「参で来」の未然形
※【参で来(までく)】…参ります。参上する
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【に】…順接の接続助詞
◇ 今回は「し」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「参で来」 ☆
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「…三年ばかりは、心ざしあるさまに通ひたまひしを、去年の秋ごろ、かの右の大殿より、いと恐ろしきことの聞こえ参で来しに、
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.とても恐ろしいことが聞こえて参りましたので
2.とても恐ろしいところに参上しましたので
3.とても恐ろしいことを聞いてこられたので
4.とても恐ろしいことが評判になって参ったので
5.とても恐ろしいことを申し上げなさいましたので
ここでのポイントは、「聞こゆ」の解釈でしょうか。
ですが、どの選択肢も、辞書的な意味に合ってますよね~;
ならば、そのあとの「参で来」という補助動詞に着目してみましょう。
(*・ ェ ・*)ノ
「参で来」は、「までく」と読みます。
これは、私手持ちの辞書には載ってませんが、
「参る」は「詣(まう)づ」と通ずるので、
「まうで来」と同質の語と考えられます。
!Σ('◇'*)
【まうでく(まうで来・詣で来)】
【自動詞:カ行変格活用】
①尊ぶべき所へ来る。参上する(「来」の謙譲)
②来ます。参ります(「来」の丁寧)
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
基本、謙譲の補助動詞でしょうが、
会話文中ですので、
丁寧語と捉えても、差し支えないでしょう。
【解答】…1
「…三年ばかりは、心ざしあるさまに通ひたまひしを、去年の秋ごろ、かの右の大殿より、いと恐ろしきことの聞こえ参で来しに、
● 過去記事リンク
■ばかり
■心ざし
■たまふ
■より
■いと
■きこゆ
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