マイクロソフトのビル・ゲイツ夫妻がつくったメリンダ・ゲイツ財団は、存続期限を夫妻の死後50年と決めたそうだ。


これはなかなか考えさせるものがある。


ゲイツ財団の資産は10兆円近く、運用して増殖していけば100年でも持つが、そうはしない点が新しい。


使命は貧困の撲滅で、これが一段落すれば財団の使命はなくなる。会社ならそこから事業転換して新事業に乗り出すが、そうはしない決意だと推測した。


公益事業は、目的を果たし用済みになったら、解散するのがよい。私も公益法人を経営していたことがあったがそうした。


社会起業は持続性が大事だが、これは誕生したばかりの段階の話で、だらだらと緊張感なく長く持続しすぎてもいけない。この辺りのことが大切で、ゲイツ財団の存続期限50年の話は、こうしたことを考えさせてくれる。

AD

ビル・ゲイツ引退の意味

テーマ:

「ウェブ進化論」を書いた梅田望夫さんが、「フォーサイト誌」8月号 に 「虚をつかれ、感動したビル・ゲイツ後半生の選択」 を書いてます。


「私は2006年6月を、ビル・ゲイツを巡る三つの驚きとともに、長く記憶にとどめることになるだろう」
第一の驚きは、マクロソフトの経営から引退すること
第二の驚きは、これから長い人生を「メリンダ・ゲイツ財団」に専念すること
第三の驚きは、ウォーレン・バフェットが、財産の大半310億ドル(約3兆6000億円)を、ゲイツ財団に寄付すること


「これら一連のニュースから鳥肌が立つような感動を味わうとともに、虚をつかれたような思いがした」 「長年ビル・ゲイツについて考え続けていながら、彼が慈善財団の運営にここまで本気だとは思ってもみなかった」


梅田さんにとっては、何もかもが意外な出来事だったんです。そこで、自分の驚きをこう解釈しました。
・バフェットは自らの資産の社会還元を考えたときに、政府や国際機関の官僚制度を通しての実施より、ゲイツが体現するアントレプレナーシップと合理的経営による実施に、大きな期待をこめたのだ


・600億ドルから1000億ドルの運用資金のもと、年間30億ドルから50億ドル規模の拠出金で、世界中のプロジェクト群から選び抜いた慈善事業ポートフォリオ(医療、教育……)を組成し、個々のプロジェクトの成果を厳しく評価しながらポートフォリオを組み替え、投資対経済効果ならぬ寄付対社会貢献効果の最大化を目指す


・まだ誰もやったことのないスケールで、未踏の領域に彼(ゲイツ)は足を踏み入れていく


・これから生まれる世界中の起業家たちにとっての「後半生における素晴らしいロールモデル(お手本)」となってほしいと思う


梅田さんの直感は、いい線を突いており、さすがです。


私は、SPA7月25日号でインタビューを受けたとき、『起業家たちの豪快慈善活動列伝』で、「20年後にこの6月を振り返ったとき、あれが始まりだったと言われるかもしれない」 と話ました。始まりとは、数十兆円の基金を持った財団が誕生し、これは国家規模ですが、福祉国家に代わって社会事業を遂行する、その方が税金を取ってやるより、資金の生産性が上がる、そんな時代がもう始まっているのだ、と言いたかったのです。


SPA編集者の注文は、事業家の慈善活動について一般的な動向を記事にするでしたが、広く薄くありきたりに書くのでは面白くないので、ビル・ゲイツの変身に絞り、ズバッと書いた方がよいと提案し、そうしたのですが、梅田さんの記事を読んで、同じトーンで考えてる人がいるんだと驚きました。


梅田さんは、シリコンバレーに10年以上も住み、シリコンバレービジネスについて熟知し、それを日本に発信してますが、ビル・ゲイツのおかげで、そこから進化したソーシャル・アントレプレナーについても気づいたのです。


ですから、シリコンバレーに芽生え始めた社会起業精神についても日本に情報を送り、梅田ファンの若い人を感化して欲しいと思いました。社会起業家と起業家は、紙の表と裏なんですから。

AD

ゲーツ財団の国家化

テーマ:

前回、ゲーツ財団へバフェットが300億ドルを寄付する話を書きましたが、一昨日、オラクルの創業者エリソンが、ハーバード大学の医療プロジェクトへ1億ドル寄付する話を取り止めた記事が出てました。


理由は、サマーズ学長が辞めるから、しかし、サマーズの辞任は、ずっと前からわかってたことで、ゲーツとバフェットの波紋でしょう。エリソンは、ゲーツ財団へ寄付を変えるのかどうか。二人は、あるときは仲がよく、別のときは悪い、微妙な関係です。


アメリカの金持ちの寄付が、ゲーツ財団へ集中する予感がするのです。それだけ、ゲーツが考えた社会を変える事業プランが、すごく、磁石のようにカネを引き付けるのではと思いました。そうなると、ゲーツ財団の基本財産は、数十兆円になり、これは、ミニ国家です。


そんな現象の一番最初が、06年6月、アメリカで起こったと考えると、愉快な気持ちになります。次世代現象でなく、さらに先の、次次世代現象ですね。


私は、日本の総生産額600兆円の三分の一とか半分を、社会起業家がつくり変えると大げさな提唱をしており、聞いた方が半信半疑になってる様子がわかりますが、ゲーツの今度の話をいろいろ考えると、私の提案も、そんなにおおげさなことでないと思えて、自信を得ました。


変化は、こんな方向へ向かってるのです。

AD

投資会社バークシャー・ハサウェーを経営しているWarren Buffett が、個人資産370億ドルのうち、300億ドルをゲーツ財団へ寄付するという驚くべきニュースが飛び込んできました。


これを聞いた私の感想はこうです。
1、昔なら、こうした金は、連邦政府や市政府へ寄付するのが常識でしたが、そうでなく、ゲーツ財団へ寄付するのが画期的なことです。非効率な公的部門はもうノーサンキューです。


2、ゲーツ財団のHPには、これが出てますが、ゲーツとバフェットの付き合いは15年におよび、マイクロソフトとゲーツ財団の経営について、ゲーツがアドバイスを受けてきましたが、バフェットの知性と公平感は、エクセレントなものだったと語られてます。


3、一方、バフェットの寄付の話は、フォーチュン誌で語ったものが新聞記事になったようですが(ゲーツ財団のHPから、フォーチュン誌のこの記事にリンクが張られてます)、バフェットから見ると、ゲーツの貧困問題解決策は、効果の高いやり方で、そのためゲーツに資金を寄付した。


4、このブログでも書いたことがありますが、ゲーツ財団には、途上国の貧困をなくすために、まず結核、ハンセン病、マラリアなどの感染症を撲滅するプログラムがあり、10年で500億ドルを投入、うち100億ドルはゲーツが出し、残りは、連邦政府やイギリス政府などが出すようゲーツは説得を続けてますが、バフェットは、こうした呼びかけに応じたのだと思います。


5、バフェットの300億ドル、ゲーツの100億ドルで、500億ドルのうち、400億ドルが調達できましたが、バフェットの寄付は、バークシャー・ハサウェーの株式で、簡単に市場で売却というわけにはいかない。ゲーツ財団は、バークシャー・ハサウェーの大株主になるんですから、株主価値の増殖をやるはずで、このあたりの関係は、見ものです。


6、バフェットは75才、ゲーツは50才、メリンダ夫人は41才、若い世代に金を託した、ゲーツが、財団に専心するのもバフェットの心を誘ったと思います。


7、ゲーツは、8兆円近い基本財産の経営者になります。バフェットと同じような寄付が来る予感もする。前代未聞の財団になります。昔、大企業が国家並みの規模になったと語られたことがありますが、今度は、財団が国家並みになるんだ。愉快で爽快な出来事です。すごいことだなー。


ビル・ゲーツが「引退」し、余生を慈善事業で送るとテレビや新聞が伝えてますが、これは典型的な引退でなく、本人も言ってるとおり、マイクロソフトの経営から「撤退」して、次の目標に挑戦するのです。


マイクロソフトのHPには、引退後、「spend more time on his global health and education work at the Bill & Melinda Gates Foundation」と出てます。


写真は、HPのプレスリリースに出てるものですが、右から二番目が、Ray Ozzie 、50才、chief software architect で、ソフト開発の最高責任者、ゲーツがやっていたポストの後継者です。左から二番目が、Craig Mundie 、56才、chief research and strategy officer 、研究戦略最高責任者で、真ん中の二人が、ビルゲーツの仕事を引き継ぐ。写真を見てもわかりますが、意外に年寄りなのに驚きましたが、ソフト開発は、若者のものというのは、もう古い概念なんですね。一番右が、CEOのバルマー。


カジュアルな服装にも注目ですが、地味で自然で、休日に家で着る服装みたいです。カジュアルなビジネススーツといっても、わざわざ高価なものを買う必要なないのだ。


Ray Ozzie もCraig Mundie も、経営者でなく、ここが面白い。普通なら経営者のはずですが、経営は高級な雑用で、そこから離れ、ソフト開発や研究や事業戦略策定に専心しますが、これが新スタイルです。


さて、ゲーツは、今50才、2年後というと52才でマイクロソフトの経営から引退し、財団の仕事に専念しますが、2000年にバルマーにCEOを譲り、ソフト開発の責任者になってますので、そのときから経営から撤退してたので、ゲーツが去るといっても混乱は、起こらないでしょう。


ゲーツ財団については、このブログでも何回か書いてますが、世界の貧困を撲滅する遠大な事業計画を持ってます。だから、ゲーツは引退でなく、次の事業に挑戦という感じで、そうした点では、遅すぎる引退です。


アメリカのマスコミは、ゲーツのこの二番目の挑戦に期待してる感じがしますが、待ち望まれていたことなのです。これで、ゲーツ財団の貧困撲滅作戦は、加速し、世界は、また驚くことになるのではと思います。


財団の経営革新の点で、どんな斬新なことが起こるのか、ゲーツの動きから一層目が離せなくなりました。ゲーツは、引退し、一層輝く感じがします。

ゲーツ財団CEO Patty Stonesifer   C00 Sylvia M. Mathews


写真は、ゲーツ財団のCEOとCOO、社会貢献活動を医療に絞り、その中でも結核の一点に絞ったことを考えてみます。


ゲーツ財団の結核撲滅プログラムは、その集中の絞り方は極端なもので、まるで、経営学にある「コアコンピタンス」にそっくりです。一点に集中した特化作戦は、強い競争力をつくり出しますが、非営利事業でも同じで、そうすれば、複雑で解決が困難な社会問題でも、突破できます。


同じようなことはIBMにもみられます。IBMのルイス・ガーズナーは、93年にCEOとなり、倒産に瀕したIBMを建て直しましたが、その自伝「巨象も踊る」(2002年)の30章「企業と社会」で、「小切手社会貢献」(カネだけ出す)から、企業のスキル(マネジメント力、資金力、技術力、マーケティング力。。。)を全部出すようにすれば、企業の社会貢献活動の効果は何倍にもなり、社会を変えることができる、社会貢献から社会変革に移行すべしと持論を展開してます。


企業は、利益を株主へ配当し、株主が、社会へ寄付すればいいんだという伝統的な考え方が、まだ多かった時代に、ガーズナーは、一歩前へ出て新コンセプトを実行し、社会貢献活動をeスクールに集中しました。持っている経営資源を社会貢献活動で発揮するには本業に近いことが必要ですが、そこでeスクールにしたのですが、こうして教育を受けられる機会を大きくしようというのです。

社会貢献活動が、まだ、企業の「お飾り」「道楽」の時代にやったんですから、これも強烈です。


同様に、ゲーツのやり方も非営利事業でニューパラダイムをつくり、企業社会にショックを与え、この刺激によって、これから企業社会も影響を受けるだろうと思います。この極度の特化作戦は、これから日本でも学ぶべきことです。


ところで、こんなことをやったゲーツ財団の経営陣は、どんな人なのでしょうか。ゲーツ財団は、ビルゲーツの父親とゲーツ夫妻の3人がcoーchair、写真の CEO の Patty Stonesifer、COOの Sylvia M. Mathews が経営してます。


Patty Stonesifer は、マイクロソフトのSVPを最後にゲーツ財団に転職、川本卓史京都文教大学教授のblog(1月24日号) に載ってますが、ウォール街の金融マンと同じように Ferocity(獰猛)に働くとタイム誌に書かれた人です。


Sylvia M. Mathews は、マッキンゼーで金融機関のコンサルをやったあと、連邦政府に入り、Clinton administration as Deputy Director of the Office of Management and Budgetなど多彩なキャリアで、Harvard University and is a Rhodes Scholar。


常勤役員はあと2人、財務担当のCFO(公認会計士)、教育担当(国内で低所得者向けのカレッジへ行くためのスカラーシップ事業)の理事(GAPの役員をやっていた)、両方ともに男性、常勤4人という少なさに驚きます。


ここに、今度医療担当の日本人の役員が加わりますが、それでも5人、総資産4兆円の財団の経営をたったこれだけでやっているんですからこれも驚きで、この少数精鋭の経営陣も非営利事業のニューパラダイムです。

写真はメリンダ夫人


前回、ゲーツ財団に日本人が入った話をしましたが、その続き。

この財団のHPに、1月末にあったダボス会議で、ゴードン・ブラウン英蔵相などが出席した会合でビル・ゲーツが提案した結核撲滅プログタムのことが載ってます。それが、「TB Partnership(TB=tuberculosis)」で、官民共同のプロジェクト。


ブラウンは、ブレア首相の次と言われている人物で、現在でもブレア政権は、二頭立てといわれてるぐらいで、そういう人を相手にして提案したのです。


プログラムは、10年で5000万人を治療し、1400万人の命を結核から救う。南アジアとアフリカでは、年200万人が死んでおり、2050年までに絶滅するという公的機関、WHO? 、が宣言しており、その作戦に沿ってます。


10年間の前5年で、ニューツールを開発、後5年で治療に専念します。


ニューツールの開発が必要なのは、既存薬に耐性菌が出現してしまったので、新薬を開発し、ワクチンも開発、現地で治療の大規模な体制もつくらなくてはいけないからです。


ニューツールの開発は、ゲーツ財団が担当、前回書いた日本人のDr.山田さんが開発責任者になったのはこのためでしょう。開発に必要な資金は90億ドル、1兆円以上の資金ですが、ゲーツ財団が出す覚悟なのだと思うと、 すごい !


ゲーツ財団は、2000年から22カ国でテストを始めており、2000年に200万人を治療、2005年には400万人以上を治療する成果を上げてますが、その先でこのプログラムをつくったので、この次の10年もいけると自信満々です。


途上国の感染症は、結核、ハンセン病、エイズ。。。といろいろありますが、その中から結核を選んだのは、先進国では40年の治療実績があるので治療効果の高い病気である、感染者が多い、貧困を撲滅するには健康で働ける体にしなくてはいけない、などからだと思います。


こうしたことから、投資効率が高いと、いかにもゲーツ流の思考だと思いました。


10年で、かかる費用は560億ドルで、470億ドルは、具体的な治療に使い、90億ドルはニューツールの開発資金、これまでの資金調達のペースなら310億ドルは可能で、新たな資金250億ドルをどこかから調達しなくてはいけませんが、これもプログラムの課題です。年3000億円ぐらいの額ですが、先進国政府の拠出、企業の支援などで、できないことはない大きさです。


ゲーツ財団のHPには、結核はアジア、特にインドと中国に多いと書いてありますが、知りませんでした。そうなら、日本が主導してやってほしいことですが、そんな話は聞かず残念な気持ちがします。

このホームページ は、Bill & Melinda Gates Foundation の表紙ですが、久しぶりに見ましたら、日本人らしい人の写真があり、おゃと思い読んでみました。


Dr.Tadataka Yamada さんで、ゲーツ財団の Global Health Program のトップ(エグゼクティブ・ディレクター)に6月から就任する記事でした。
現職は、Chairman of Research and Development at Glaxo Smith Kline (GSK)、その前が、chairman of the Department of Internal Medicine at the University of Michigan Medical School、ミシガン大学医学部内科医長、もともとは内科医です。


多国籍企業である巨大な医薬品大手の企業で、研究開発部門を統括してた日本人がいたなんて知りませんでしたが、それがゲーツ財団に入るなんて二重の驚きです。マネジメント力は抜群らしく、山田さんに来てもらって興奮したとビルゲーツは語ってます。


Global Health Program は、途上国の感染症を退治するプログラムで、ゲーツ財団が熱心に進めており、特に、結核を撲滅する目標をかかげてます。


山田さんの仕事は、そのための医薬品の研究開発と生産を加速し、現地のいろんな資源をつなぎ、政治的なコミットメントをとって、治療が必要な人に投与できる体制をつくって実行することです。


別のページには、結核の撲滅だけでも10年以上、500数十億ドルもかかると書いてあり、ゲーツ財団は、すでに12億ドルを投入しましたが、それだけでは足りないので、先進国の政府に働きかけたり、金持ち財団に働きかけて、地球規模で運動を展開するのも仕事になるのでしょう。


日本にいてはできないような壮大な仕事です。こんな人が登場したのはうれしいことで、山田さんの活躍に期待しましょう。


ウォールストリート・ジャーナル電子版 は、マイクロソフトのビル・ゲイツが、結核撲滅のための研究支援資金として、9億ドル(約1050億円)を寄付すると伝えた。「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金」が寄付し、2015年までに1400万人の生命を救い、5000万人に治療を施す計画。


2015年までに「世界の貧困を半減する」国連宣言に対し、これがゲーツが出した具体的な回答である。ゲーツは、90年代はスタンフォード大学コンピュータセンターなど、いろんなところへ寄付をしていたが、2000年から疫病撲滅へ集中し、今やターゲットは、世界の貧困撲滅である。問題が大きいので、やりがいも大きい。


4兆円の資産がある財団なので、1000億円はわずかの額であるが、疫病退治に個人が出したカネとしては、驚くほどの巨額である。


先進国では治療法が確立してる分野なので、投資効果は高いが、投資収益を最大にすることに習熟した、いかにもゲーツらしいやり方である。


これだけの金額で、世界の結核が撲滅されるのでなく、このカネを呼び水にして、各国政府もここにカネを出すようにテコ効果を効かせて、世界的な運動を起こすこんたんなのだろうが、これも面白そうだ。


エクソンは、原油高騰のために、2005年の1年間で4兆円の当期利益を上げている。エクソンだってやろうと思えばできることだが、それを描くデザイン力がない。ゲーツ財団のすごさは、この壮大な絵を描くデザイン力である。


昔は世界市場を制圧すると、独占が起こってよくないといってたが、これなら、いいじゃないか。


この出来事で学ぶことは、デザイン力を発揮する場所で、日本でも、ビジネスではデザインに投資するようになってきているが、貧困撲滅のデザインを考えることなど、ほとんどない。そろそろ、こんなことに、企業は挑戦したらどうなのか。社員は、目の色をかえて働くように変わり、世界中の尊敬を集まるようになるのに。

ビルゲイツ夫妻とボノ

テーマ:


タイム・マガジン は、恒例の「今年の人」にマイクロソフトのビル・ゲイツ夫妻とアイルランドのロックバンド「U2」のボーカル、ボノを選んだ。


「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」を通じて、途上国の疫病撲滅に巨額な資金を投入、ボノは、7月のグレンイーグルズ・サミットに合わせ、アフリカの貧困撲滅を訴えるコンサートを開催、債務削減をセクシーなものにした。


選考理由はこうである。
「The Good Samaritans For being shrewd about doing good, for rewiring politics and re-engineering justice, for making mercy smarter and hope strategic and then daring the rest of us to follow 」


朝日新聞 はこう訳した。
「いいことをすることに如才なく、正義を設計し直し、慈悲を格好良く、希望を戦略的にし、ほかの人たちを追従させた」

これ出来のよい意訳だが、丸く収めている感じ、タイム編集者の真意は、貧困の撲滅を政府援助や世銀融資でなく (これだと間に入った悪い政治家や官僚がカネを抜いたり、官僚主義で生産性が低くなる)、民力だけで貧困撲滅をやる手法を開発し、慈善活動をかっこよくして新世代のものにし、英米の人々を大胆にも巻き込み、大きな影響を与えたことを、褒め称えたのだと思う。


1年前がブッシュ大統領だったので、その反対を選んだことで、アメリカは、全く変わっちゃたことを世界に発信している。


三人の組み合わせは意外だが、アイルランドは、アメリカ人の母国で、アメリカ人にとってはピーンと来るところもあるんでしょう。
また、タイムの電子版には、ゲイツ夫婦とボノの三人の対談(冒頭の写真)がのっているが、三人は前から知り合いだったらしい。


対談で、ゲイツは、マイクロソフトの共同創設者のポール・アレン(ギタリストでもある)から、音楽への関心を植えつけられ音楽通だとか、シアトルであったボノのコンサートへ行き、ただ本人を見たいというほかのフアンと違い精神的な刺激を受け、興奮して午前3時まで話合ったとか、ゲイツ夫妻は、月に一度反省会をやり、財団やマイクロソフトなどのことで、正しい道を行っているのかどうか話し合い、ずれていると軌道を戻したりするとか、途上国の悲惨な現場を見ると、落ち込むのでなく、誰よりも楽観的な希望をだく(解決策をみつける)とか、メリンダ主導で話が進み、この金持ちは、奥さんのおかげで社会とのつながりをつけていることがわかって面白い。


ゲイツ夫妻もボノも社会起業家なのだが、さて、この三人に相当する日本人は誰か考えたのだが。。。すぐに思い浮かばないのが寂しいが、遅れて日本でも出てくる予感はすると楽観したい。